パトリック・チャン、新フリー「四季」と反同性愛法を語る
いつもながらの遅ればせ更新ですが……パトリック・チャンの新プロがとうとう公開されました!
昨日、カナダのオンタリオで開催されたThornhill Summer Skateで、今シーズンのフリーを初披露。
デヴィッド・ウィルソン振付、曲はヴィヴァルディの「四季」。なんと、2007-8シーズンにローリー・ニコルの振付で滑ったのと同じ曲です(編曲は違いますが)。
トロントの地方紙Toronto Starのweb版、thestar.comに、演技を終えた直後のパトリックへのインタビュー記事が載っていました。なぜこの曲を再び選んだのか、そしてやはり記者から質問が飛んだのでしょう、ロシアの反同性愛法についても、なかなか率直に語っています。

もと記事はこちら→Patrick Chan plans to focus on skating, not protesting, in Sochi



「パトリック・チャン、ソチではスケートに専念する。抗議行動はしない」
世界王者パトリック・チャン、ソチ五輪中はロシアの反同性愛法への抗議行動に参加するつもりはないと明言。

ロシアで成立した反同性愛法によって、今、2014年ソチ五輪が騒動になっているが、パトリック・チャンはソチでは自分のやるべきことに専念するつもりだと発言した。

同性愛を「宣伝する」どんな行為も違法とするロシアの「同性愛プロパガンダ禁止法」が、さまざまな議論を呼んでいる。モスクワで開かれていた世界陸上でも、抗議行動をする選手たちが現れたが、チャンはそうした行動をとるつもりはないという。

「僕がやるべきことはスケートなんだ」日曜日、ソチ五輪で滑ることになる新フリープログラムを初披露した数分後、チャンはそう語った。「僕は何についても議論するつもりはないよ。政治家じゃないんだから」

「僕がここに来たのは楽しくすごすため、そして他のすぐれた選手たちとともにスケートをするためだ。僕らはみんな、そうしていいはずなんだ」

世界陸上では、スウェーデンの走り高跳びの選手エマ・グリアン・トレガロが、同性愛者への支援を表明するため、爪にレインボーカラーのネイルをして競技に出場し[*レインボーカラーは同性愛者の権利を守る運動の象徴とされています] その後、ネイルの色を変えるよう命令を受けた。チャンはそうした行動をとるつもりはないという。

「そういったことに時間をとられている余裕は、僕にはないんだ。このプログラムをソチに間に合うように仕上げることだけで、もういっぱいいっぱいだから」

とはいえ、人は性的指向や人種などで不利になるべきではない――特に五輪や世界レベルの大会への出場が不利になってはいけない、とチャンは考えている。

「皮膚の色がどうあれ、性的指向がどうあれ、関係ないんだ。出場できるだけの結果を残し、観客に見せられるだけの演技ができて、才能があるなら、ほかの選手と一緒にリンクに立つ権利があるんだよ」

もうすぐ23歳になるチャンは、間違いなくカナダでもっとも金メダルに近いところにいる選手だ。日曜日にオンタリオで開かれたカナダスケート連盟の大会で、チャンは新しいフリープログラムを初披露した。会場となったソーンヒル・コミュニティ・センターは、くしくも彼が子供のころに練習していたリンクだ。ソチ五輪に向けて、チャンは自分のルーツに立ち返ろうとしているのだという。

「このシーズンは、自分が心地よいと思えるもの、幸せを感じるもの、スケートを楽しいと感じさせてくれるものへと立ち戻るシーズンなんだ」そう語るチャンが新しいフリーに選んだのは、ヴィヴァルディの「四季」。昔、彼をトップ選手へと押し上げた曲を、再び滑ることになる。

このヴィヴァルディの曲を使ったプログラムで、チャンは2008年のカナダ選手権を制した。キャリア初期で最高の結果となったこのタイトルで、彼はオリンピックの有力候補になった。2010年バンクバー五輪では5位に終わったが、今度のねらいは金メダルだ。

だが、ここ最近はフリー演技で苦しんでいる。直近の試合だった2013年世界選手権でも、フリー「ラ・ボエム」でミスや転倒をくりかえした。それでも、世界最高点の98.37を出したショートの貯金で、なんとか金メダルは守った。

そこでチャンは、ソチに向けてショートを持ち越し、フリーの精度を上げることに集中することにした。フリーは冒頭の大技――2つの4回転ジャンプから始まるプログラムだ。

「クワドを2本とも最初に持ってくるのがベストだろうと、僕らは考えたんだ。そうすれば後のステップのとき、いくらかリラックスしていられるからね。クワド2本が終われば、ジャンプのことを考えずに済むし、すぐに観客を惹きつけることができるから」

日曜の大会では、1本目の4回転には成功したが、2本目の着氷でつまずき、その後のトリプル・ループではあわや転倒しかけた。幸いなことに、今回は勝ち負けのつかない試合だった。チャンが新しいフリープログラムを公の場で初披露できるよう、運営側が大会のサプライズとしてチャンのエントリーを許可したからだ。

「いい出来ではなかったし、完ぺきでもなかった。でも、ソチに行くときに心地よいと思えているために、今しなきゃいけないことはできたと思う」初めてプログラムを試すにあたって、今回は最後まで滑りきることだけを望んでいたという。スコアは164。ソチでメダル争いをするにはまったく足りない点だ。

チャンによると、ヴィヴァルディは彼の初期の時代、2006年に亡くなった元コーチ、オズボーン・コルソンのもとで初めてこの曲を滑った時代を思い出させてくれる曲なのだという。「昔コルソン先生が僕にやらせた動きに似たちょっとした振付が、プログラム中にいくつも入っているんだ。それがこのプログラムの魅力なんだよ」

2006年以来コーチを何度も変えてきたチャンだが、初期の時代をふりかえって、そしてソチを見据えて、今度は5位よりもいい順位になれる自信があるそうだ。

「オリンピックの金メダル候補の筆頭は僕だと思ってる」と彼は言う。「アスリートとして僕は、ほんとにクレージーなほど変化し、進化してきたんだ。それらが全て、実を結ぼうとしている。トンネルの果てに光が見えてきたところなんだ」



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この初披露の動画をさっそくアップしてくださっている方が。up主様、ありがとうございます。



初見でまず思ってしまったのは「うーん、新鮮味がないかなあ」ということでした。ジャンプミスはまあ置いといて(それにしても後半はダブル、シングル祭りになっちゃってますね…そのわりに点は出てますが、むう…)、滑りはすばらしいものの、見たことのあるような振付も多いし、盛り上がりやキレに欠けるかなあと。昨シーズンのフリー「ラ・ボエム」が個人的に大好きだったこともあって、ドラマチックさを期待してしまっていたのかもしれません。
でも、この記事を読むと、パトリック自身このプログラムに強い思い入れがあるんですね。大好きだった恩師オズボーン・コルソンのもとで、スケートを純粋に楽しんでいた子供時代を思い出させてくれる――そんなプログラムのようです。
もっと完成させて、思い出をいつくしむように滑るようになったら、今とは見違えるようなプログラムになっているかもしれないな…ソチではそんなパトリックが見れるといいな、と思ってます!(しかし衣装はもうちょっと華やかにしてほしいぞ)

ところで、ノービス時代のパトリックがとってもカワイイ動画がありました。
短いですが、カート・ブラウニング、コルソン、ブライアン・オーサーというカナダのレジェンドたちにかわいがられるチビパト。

ちょっと聞き取りはあやふやですが、カート「君はスケーティングをちゃんと教わってる。ほとんどの人は3回転ジャンプを習ってからスケーティングを習うんだけどね」コルソン「そうじゃそうじゃ」オーサー「だから、ありがとうコルソン先生って言わなきゃだめだよ」パト「ありがとうコルソン先生」みたいなやりとりが超カワイイです(*^_^*)

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カテゴリ:パトリック・チャン | 10:51 | comments(5) | trackbacks(0) | - | - |
パトリック・チャンは気を抜かない!オフアイスのトレーニング
またまたパトリック・チャンの記事で恐縮です。
前々記事でとりあげた国別対抗戦に関する発言について後日談が出ていましたし、パトリックのインタビューって、なにかしら興味深い内容であることが多いんですよねー。(もちろん、単に私がパトリック好きなだけっていうのもありますけど!)

4月19日から5月10日までスターズ・オン・アイスのツアーでカナダ中を回っていたパトリックですが、まずは、そのツアーの最中に取られたらしいインタビュー記事から一部抜粋です。
元記事はこちら→Q&A | Patrick Chan


Q:少し前に、ある大会(日本で開催された国別対抗戦)の必要性を疑問視するコメントをしていましたよね? それに対して反発はあったのでしょうか?

チャン:ちょっぴりあったよ。あのコメントはフラストレーションがたまってつい言ってしまったんだ。とても長いシーズンだったし、世界選手権が終わってまた試合に戻るのはきつかった。僕はISU(国際スケート連盟)に謝罪して、手紙を送ったんだ。自分の感情のままに言ってしまった。今はもうすべて大丈夫だよ。

Q:ISUというところはちょっと独裁政権のようですよね。

チャン:僕はそうは言わないよ、絶対に。ただ、自分の意見を言うべき適切な時期ではなかった、ということなんだ。
 
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なんと! ISUに謝罪の手紙を送っていたんですね! 手紙の文面は具体的にはわかりませんが、上のコメントからすると、感情のままに発言してしまったが時期が不適切だった、という内容だったのかもしれません。
うーん、ISUからするとパトリックのうっかり発言ということになってしまったわけでしょうか。もしそうなら、すごく残念です。国別の存在を疑問視した部分はとても意義があったと思うんですが、結局ISUには届かないことになってしまったのかな…ああ、もったいなかったですねぇ。



さて、そんなパトリックですが、落ち込んでいるのかなあと思いきや、ショーで大活躍したり、カナダのマクドナルドで一日店長をつとめたりと、元気いっぱいな様子。おまけに、「パトリック節」もまったく錆びついていないみたいで…。

上のQ&Aより少し前に取られたインタビューのようですが、5月3日付でTorontoSunにアップされたこちらの記事です。→http://www.torontosun.com/2013/04/30/figure-skater-patrick-chan-staying-sharp


「パトリック・チャンは気を抜かない」
 
同世代の多くの若者と同じく、パトリック・チャンもゲームで遊ぶのが大好きだ。
ただし、ある程度までは。
オタワ生まれの22歳は、ずっとだらだら過ごしていることはできないらしい。

「ゲームは大好きだよ。でも、しばらくやってると、いい加減立ち上がって何かやらなきゃ、という気分になるんだ」
チャンはSun Mediaとの電話インタビューでそう語った。
「ゲームで遊んでるときは、スポーツをしているときのような感覚は味わえない。スポーツには高揚感みたいなものがあるけど、ゲームにはとりあえず何かやってるという満足感があって、終わったあといい気分になるってだけなんだ」

それに、チャンはソファに座ったまま世界選手権を3連覇したわけではない。
じつは、膨大なオフアイスのトレーニングを積んできたことが、氷上で有利に働いているのだ。このことがライバルたちの関心を引いているのだという。
「僕が適切なオフアイス・トレーニングによって成功を収めていることに、ほかの選手たちが気づいたんだと思うんだ。だから今、多くの選手がそれをやり始めているんだと思うよ」

そう語るチャンは、先月オンタリオ州ロンドンで開催された世界選手権で金メダルを獲得したばかりだ。
「おもしろいんだけどさ、今年、僕と僅差で銀メダルを取った選手(デニス・テン)が、カルガリーにいる僕のトレーナーに会いに行ったらしいんだ。カザフスタンの選手なんだけど、はるばるカルガリーまで僕のトレーナー(フィットネストレーナーのアンディ・オブライエンのこと)を訪ねていったんだよ。体の状態を見てもらって、オフアイスのトレーニングプログラムをもらうためだけにね。今までオフアイストレーニングなんて全くやったことのない選手なんだけど、彼はそれがフィギュアスケートにおいて見落とすことのできないものだとわかったらしいんだ」

チャンによると、フィギュアスケートでは一般的に、オフアイス・トレーニングを導入するのが遅い選手が多かったという。
「ただスケートするだけ、という習慣にこだわりたがる人が多いんだ。でも最近のスポーツ全般を見てごらんよ。記録はどんどん更新され、選手はより強く、速く、柔軟性が高くなっている。どんどん進化して、より優れたアスリートになっていっているんだ。だから、自分もどうにかしてついていかないと」

身長約170センチ、体重68キロの現世界チャンピオンは、ただついていっているだけではない。先頭を走っているのだ。
今はスターズ・オン・アイスでカナダをツアー中だが、たいがいの日は朝9時にジムへ行く。
まずはトレッドミル(ウォーキング&ランニング・マシン)かエリプティカル・マシン(レバーを両手で動かしながらペダルを踏むマシン)を使って有酸素運動によるウォームアップ。15〜20分かけてしっかりおこなう最新式のウォームアップ法だ。例えばトレッドミルなら、まず「踏み台をかなりの急傾斜にして、大臀筋を活性化させ、体をあたためる」。その後、5%の傾斜にして時速11kmでランニングをおこなうという。
その後、入念にストレッチをしてから、explosive-styleの筋力トレーニング。(ダンベルなどの)負荷を使わず自分の体重のみを使う筋トレが中心だ。

「負荷はどんな種類であれ、ほとんど使わないんだ。使うとしても軽いものだし、主に脚や体の芯を鍛える場合だけだね。上半身を鍛えるトレーニングはそれほどやらないんだよ」
チャンの父親は昔、ウェートリフティングをやっていたらしい。
「父は上半身がとてもがっしりしてるんだよ。僕も父の遺伝子をちょっと受け継いでいるんだろうな。筋肉がつきやすいんだ」
氷上練習は週に最大6日。1日あたり3時間半。
「続けて3時間半じゃないよ。間で休憩を入れるんだ」
食事は主に、グルテンを抜いた、オーガニックな食生活を実行しているというチャンは、毎日たいがい朝9時から夕方6時までおこなうトレーニングの締めくくりとして、「スタジオワーク」をやる。コーチのキャシー・ジョンソンの指導で、モダンダンスと体の安定性を向上させるエクササイズをおこなうのだ。

かなりハードなトレーニング・メニューだ。
だが、来月スターズ・オン・アイスのツアーが終了した後、拠点をコロラドスプリングスからデトロイトに移す予定のチャンにとっては、このトレーニングは効果的だという。
「朝、ただリンクにやってくる選手たちと違って、彼らより1時間早起きしてジムでトレーニングするのは、けっこうきついときもあるよ。でも、それをやらなきゃ、もっとひどい1日になることを、自分でわかってるんだ。抜くなら氷上練習を抜いたほうがいいぐらいだよ」
そう語るチャンの目標は、来年のソチ五輪で初のオリンピック・メダルを取ることだ。
「僕にとって、朝ジムへ行って自分を活性化させ、体をあたためることは、とても大切なことなんだ。それが氷上で絶大な効果を生むんだよ」

もちろん、夜になれば、大好きなゲームに向かうひと時が持てているはずだ。

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 いやあ、さすがですね、パトリック! ひたすら前を向いていけるその才能。とにかくソチの金メダルを目指して、一刻もむだにしたくない、そのアスリート魂……。
もう思う存分、とことんやってほしい! そしてソチではこれぞという演技を見せてほしい! こっちも開き直って見守っていくわよ! そんな気持ちにさせてくれる記事でした!!!

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パトリック・チャン節、ひさびさの炸裂! Tronto Starインタビュー
ワールド男子の採点騒動で話題をふりまいたパトリック・チャン(って、ふりまいたのはパトリックではなく外野のほうなんですけどね)ですが、今度はなんだかものすごく率直に語った記事が登場しました。かつて数々の放言(?)で知られていたパトリック、最近はちょっと大人になったのかなあ、なんて思ってたら、これがまた!!

筆者は時々やや煽るような文章を書く記者さんみたいなので(ちなみにこの記事も)、その辺はちょっと割り引いて読んであげるといいかなあーと思うのですが……はい、すみません、単におもしろがってるだけです。これでもけっこう好きなんですよ、パトリック!!!

*けっこう悪ノリ感たっぷりな記事なので、ご不快に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。そのあたり、どうかご容赦くださいm(__)m

Toronto Star紙のthestar.comに4月20日付でアップされたこちらの記事です。
Patrick Chan’s new mantra: figure skaters of the world unite  by Rosie DiManno



「パトリック・チャンの新しい持論、
“世界のフィギュアスケーターたちよ、団結せよ”」

パトリック“ノーマ・レイ”チャンは、今こそフィギュアスケーターが組合を結成すべきだと思っているらしい。
[*ノーマ・レイは同名のアメリカ映画の主人公。工場で組合を作ろうと悪戦苦闘するシングルマザー]

「スケーターの組合をつくるなら、僕は先頭に立って支持するよ」世界選手権三連覇、トロント生まれのパトリック・チャンはそう断言した。「本当にばかばかしいよ。僕らは彼ら(ISU=国際スケート連盟)のいいように利用されているんだと思う。お金をもうけているのは彼らなのに」

組合の話のきっかけは、先日、日本で開催された国別対抗戦だった。チャンは、消耗の多いシーズンの最後におこなわれるこの大会に、本当は出たくなかったのだが、無理やり出場させられたのだという。国別を欠場するか、金曜日に「エア・カナダ・センター」で始まったスターズ・オン・アイスへの出演を見送るか、どちらかしかなかった。もし国別に出なかったら、ショーへの出演も禁止になっていたに違いないからだ。
[↑ 規定では、選手はどんな理由でも国別を欠場することができる。ただし、世界選手権から国別の数日後まで試合やショーに一切出演しない場合に限る、となっているそうです]

「怪我をしたと言うこともできた。たくさんの選手がそう言ったんだからね、ロシア選手とか中国選手とか」そういうなあなあな言い訳で免除してもらうには、チャンは正直すぎるのだ。「罰金がかかるなら払ってたさ。でもISUは欠場を許してくれなかったんだ」

カナダチームが2位に終わった、東京開催の2013年国別対抗戦。22歳のチャンはワールドランキングによってチームの一員に「指名」された。ケビン・レイノルズも名を連ねたが、もしチャンが欠場なら、規定を満たす2番目の男子選手は、2012年カナダ選手権5位でISU的には有力選手とは言えないアンドレ・ロゴジンだけになってしまう。アイスダンスのテッサ・バーチュー&スコット・モイヤ組は国別を回避することができたが、これは国内2位のウィーバー&ポジェ組が派遣に見合った有力選手(世界選手権5位)であるせいでもある。同じく、現世界チャンピオンのアメリカのメリル・デービス&チャーリー・ホワイト組も、出場を辞退した。

「スコットとテッサはうまく抜け出すことができたんだよね。チャーリーとメリルもそうだ」と、チャンは言う。「なぜなら、彼らが抜けてもトップから格下に落ちるわけではないから。僕の場合はそうはいかない。僕に代わる同等の価値をもった選手がいると思う?」

2009年に始まった国別対抗戦は、賞金総額100万ドルという派手な大会で、世界の上位6か国が参加する。選手たちからは汗の最後の1滴まで、テレビ放映権料からは最後の1ドルまでしぼりとろうと企画されたイベントで、ソチでいよいよオリンピックデビューを予定している。もうひとつの「ワールド」――カナダのロンドンで開催された本物の世界選手権――の後では、これは非常に期待外れな大会だった。

「僕はこの大会がそんなに好きじゃないんだ」とチャンは言う。「本当に楽しみにしてる選手なんて誰もいないよ。世界選手権で競技は終わってる。(世界選手権とは)大違いなんだよ。リンクには何の輝きもないし、スリルもない。すばらしかったロンドンの後だったから、あそこで滑るのはものすごく大変だったよ」

さらに、まったく意味のない国別対抗戦には、もうひとつリスクがある。シーズン最後に選手が怪我を追うかもしれないというリスクだ。まさしくこれが、ロシアのコンスタンチン・メンショフに起こったことだった。彼はフリー演技中にジャンプで転倒し、肩を脱臼したのだ。

「あれが僕だったら? もし僕が、ばかげた試合のばかげた怪我のせいで、来季の…オリンピック・シーズンのための練習が台無しにされてしまったら?」

これまでは、国別のために練習することはほとんどないと言っていたチャンだが、先日の世界選手権での金メダルがなにかと取り沙汰された――フリーは転倒2回など散々な出来だった――ため、今回はこの大会への嫌悪感はひとまずわきへ置いて、まじめに練習したのだという。それもこれもいい形でこのシーズンを終えたかったからだ。

結果は、ショートでは首位だったものの、フリーでは3回転倒し、総合2位。優勝は日本の高橋大輔だった。「最高の演技ができた選手もいたけれど、僕は単純にそうではなかった。でもチームのための仕事はできたし、銀メダルを持って帰ることができた。去年(の銅メダル)に比べたら進歩だよね」

国別はチャンのフリー「ラ・ボエーム」を見る最後の機会でもあった。「あのフリーはあんまり好きなプログラムじゃないんだ。オリンピックであれを滑る自分は考えられないな」

2013-14シーズンのフリーの曲はすでに頭の中にあり、デビッド・ウィルソンによる振付も来月には完成する予定だという。ショートについては、今季のラフマニノフ「エレジー」を継続するつもりだ。「ショートはとても美しいプログラムだ。間違いなく、僕の中のベストな部分を引き出してくれるんだ」 世界選手権で出した世界最高点も含めて、ということだろう。
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カテゴリ:パトリック・チャン | 15:54 | comments(31) | trackbacks(0) | - | - |
パトリック、批判にこたえる。「僕は勝利に値した」
日本ではさほど話題になっていませんが、今回の男子の結果には、海外でずいぶん荒れた反応が出ているんですよね。ようは、フリーでミスがあいついだパトリック・チャンではなく、ほぼ完璧だったデニス・テンが優勝するべきだった、ということ。しかも掲示板などだけでなく、元選手や現役選手、フィギュアにかかわっている記者からも、そういった声が続出していました。



Twitterでは、ジョニー・ウィアーが、デニスの順位が出た直後に"Seriously?"(マジで?)。その後、「真のチャンピオンはデニスだ」「この採点システムはおかしい。もしこれがロシアでプルシェンコだったらどんな騒ぎになっていたか」ともツイート。
元世界チャンピオンのトッド・エルドリッジも、「パトリックをおとしめるつもりはないが、2回転倒した選手があんなに高いPCSをもらうべきじゃない」とつぶやいていましたし、クリスティーナ・ガオも「#FSworlds13 というより #BSworlds13ね」(BSはbullshit=「でたらめ」という意味)とつぶやいてリツイートされまくっていました。
その後、メディアにもたくさん辛口記事が出て、「パトリック・チャンはChanflationに助けられてタイトル防衛」なんて見出しをつけたものまで登場(→こちら)。(Chanとinflation=「暴騰」を足した造語ですね)

この批判の嵐に対して、パトリック本人がコメントしていました。3月16日付でNational Postにアップされた記事です。記事の前半はこの騒動の説明などがメインなので、パトリックのコメントが入った後半部分だけ訳してみたいと思います。




パトリック・チャン、ワールドでの批判について語る
「僕は優勝に値したと心から信じている」

カザフスタンのデニス・テンにわずか1.3点という僅差で辛勝し、もう少しでフィギュアスケート史上に残る番狂わせになっていた事態をなんとか回避したフリーの翌朝、彼(チャン)はうしろめたい気持ちで目を覚ましたのだろうか?

「(その晩は)ちょっと落ち込んだ気分でベッドに入ったよ」
数人の記者たちを前に、チャンは言った。
「もし金メダルを取れてなかったら、もっとずっとひどい気分だっただろうな。でも僕は本当に信じてるんだ。自分は優勝に値したって」

チャンは、ショートプログラムではみごとな演技をし、世界最高得点を記録して、2位に7点差をつけてフリーにのぞんだ。だが、19歳のテンの猛追を食い止めるためには、その点差のほとんどが必要となった。
冒頭の2つのクワド(うち1つは3Tとのコンボ)は完ぺきに決めたが、その後3Aと3Lzで転倒するなどミスを連発。薄氷の勝利で3連覇を果たした。

「僕は勝ちに値した。その理由ならよろこんで説明するよ。そういう質問が出るのは、みんながフィギュアスケートというものを理解していないからだと思うんだ。フィギュアはジャンプだけじゃないってことを」
「いぶかしく思う人がいるのは完全に理解できるよ。これがホッケーなら話は簡単だ。ゴールをより多く決めたチームが勝ちなんだから。フィギュアはもう少し主観的なんだ」

ネガティブなコメントを聞いて気を悪くするほうですか?と聞かれて、彼はこう答えた。

「フィギュアが2つのパートから成り立っていることを、人々は忘れてるんだと思う。どうしてそんなコメントが言えるんだろう? ものすごく無知なコメントじゃないか」
「ここ(会場)に来ないで、コンピューターの前に座って、僕らがアスリートとしてやることを批判するのは簡単だよ。たった1人で何千人もの観客の前に立つことは、とても不安で、大変なことなんだ。記者にはそんな経験は絶対にできないと思う」

「もちろん、自分の演技がベストのものでなかったことは認めるよ、でも…「チャンフレーション」だって? そんなものがあるとは思えないな。もし不満があるなら、僕を責めるんじゃなくジャッジに話をするべきだよ。僕はリンクに出て自分のやるべきことをやるだけなんだから」
「もし自分で自分を採点したとすれば、もっとずっと辛い点をつけると思うけど、それはただ僕が完璧主義者だから。僕は自分が得た得点の1点1点に値したと思う。そのためにすごく努力してきたんだ」

チャンの勝利を支持する人々は、ショートの7点差とフリー冒頭の2本のクワドによって彼は勝ったのだと主張する。

「もしも振り返って詳しく見てみれば、ショートとフリーを合わせて転倒やミスの数を調べてみれば、デニスやハビエルやほかの選手より僕が多くのミスを犯したということはない思うよ」
「人々はフリーだけを見ているんだと思う。フリーの日に僕が犯したミスだけをね」

自分はあとに滑る選手にチャンスを残したんだと、彼は言う。それを生かすか生かさないかはライバルたちの責任だったのだと。

「明らかに、僕は彼らにチャンスを与えたんだ。僕は(最終グループの)第3滑走だった。デニスは勝つこともできたんだよ。彼は確か1つか2つミスをしたんだよね。そして(僕との点差は)1点だった。彼は勝てる可能性があったんだ。きっと今日、彼はそのことを悔やんでいると思うよ」
「点差は1点だった。インフレなんて存在しないんだよ。もしインフレがあったら、僕はショートで10点リードしていたかもしれない。僕はショートですごくいい演技をしたけど、デニスにはまだチャンスがあった。彼はそれを生かさなかった、それだけなのさ」




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 きちんと誠実にこたえてるじゃないないですか、パトリック!
いくら批判はパトリック本人に向けたものではなくジャッジ宛なんだと言っても、これだけの集中砲火をあびればけっこう傷つくと思うんです。
まあ、最後のほうの「ショートとフリーを合わせて転倒やミスの数を調べてみれば、デニスやハビエルより僕が多くのミスを犯したということはない思うよ」というのはね、ちょっと認識が甘くて、デニスよりミスが多かったからこれだけ問題になってるんだろー、というのはありますが、それは置いておくとして…。
でも、1人の選手としてはこれ以上こたえようがないと思うし、もしパトリックが「僕は勝ちにふさわしくない」なんて言ったら、それはパトリックじゃない!!(笑) まあ、日本選手は自分で「点が出すぎ」とか言ってしまうところがあって、それも謙虚ですばらしいんですけどね…。
個人的には、確かにあれだけミスが出たフリーでSSが9.11というのはちょっと、と思わないでもないですが、デニスもかなり高評価をもらっているし、それほどとんでもないジャッジングだったとは思わないんですけどね…甘いですかね…。

*写真はすべてdaylifeからお借りしています。

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パトリック・チャン、デトロイトから世界選手権へ icenetworkインタビュー
ジュニア・ワールド真っ最中ですが、もう間近に迫ってきた(!)シニアのほうのワールドで、今年も間違いなく主役のひとりになるであろうパトリック・チャン選手の最新インタビューが入ってきました。
icenetworkに2013年3月1日付でアップされた記事。聞き手はおなじみのフィギュア記者、Lynn Rutherfordさんです。

元記事はこちら→Chan preps for title defense in Calgary, Detroit



「チャン、カルガリーとデトロイトでタイトル防衛に備える」
“苦しい”今シーズンがチャンを改革、再編成、再集中へと駆り立てる

パトリック・チャンは世界タイトルを守るための準備を、新しい拠点で開始した。デトロイト・スケーティング・クラブ(DSC)だ。
22歳のチャンと彼のコーチのキャシー・ジョンソンは、3月10日からオンタリオ州ロンドンで開催される2013年世界選手権に備えるため、2週間前にデトロイトに到着した。

「ロンドン・ワールドと時差のない場所にいたほうがいいとすごく思っていたんだ」
チャンは金曜日、電話での会見で記者たちにそう言った。
「練習するのに最適な場所、競技レベルが高く、フレンドリーで、ポジティブな雰囲気がある環境で、ほかの選手たちと一緒に過ごせる場所、それがDSCだったんだ。それでデトロイトまで車を飛ばすことにしたんだよ」

30分間にわたって行われた電話会見には、異例なほど多くの記者が参加していた。この中で、2011年と12年のワールドを連覇したチャンは、「改革」と「再編成」について語った。
6度のカナダ王者に輝いたチャンだが、今年は“苦しいシーズン”と言われ続けてきた。そんなチャンにとって、ジェレミー・アボットやアリッサ・シズニー、カナダのエラッジ・バルデといったシングル選手が練習をおこない、友人である同じカナダのケイトリン・ウィーヴァーとアンドリュー・ポジェをはじめとする多くのアイスダンス選手と親しく交流している、そんなDSCの雰囲気は、まさに必要としていた清涼剤だった。
「ケイトリンとアンドリューと一緒に滞在してるよ。すごく楽しくやってる。本当に前向きな雰囲気の中で、たくさんの課題をこなしている。(選手たちは)リンクではハードな練習をしながら、同時に楽しむことができているんだ」

ただし、ジェイソン・ダンジェンや佐藤有香らDSCを拠点とするコーチたちの指導は受けておらず、コーチングは引き続きジョンソン1人に任せているという。
「(ジョンソンコーチの)いいところは、彼女がすごくフットワークが軽いところなんだ。僕が行くと決めた場所には、必ずついてきてくれるんだよ。僕がコロラドに行こうがデトロイトに行こうが、関係ないんだ。僕ら2人で両方のリンクでやってきたからね。ほかの人にコーチングを頼むなんてことはまるで考えなかったよ」

今度の2013年世界選手権後の心境によっては、DSCに完全に拠点を移すこともありえると言う。
「今は何とも言えないな。僕はここが大好きなんだ。(他の)スケーターたちと一緒に過ごすのがすごく楽しいんだよ。ロビーに座っていると、スケーターたちがどんどんやってくるんだよね。エラッジに、ペアの選手たち、(高橋)成美とか。みんなで大笑いしたり、ジョークをたくさん言い合ったりしてるよ」
「つまり、最終的に決断するのはなかなか難しいんだ。僕はコロラドに腰を落ち着けていて、家を買うことも決めているからね。決断はワールドが終わったあとに下すと思う。キャシーやカナダのスケート連盟とも相談して、僕にとってどうするのがベストかよく考えていくよ。来年はなんといってもオリンピックが最重要だから。…負担を感じることなく、自分がオリンピックでベストの演技をする助けになるような、そんな決断を下したいと思ってるよ」

チャンは今シーズン、アップダウンのある結果をあげてきた。10月下旬のGPカナダ大会ではスペインのハビエル・フェルナンデスに次いで2位、数週間後のGPロステレコムでは優勝。だが、ソチで開催されたグランプリ・ファイナルでは日本の高橋大輔、羽生結弦に及ばず3位に終わった。1月のカナダ選手権では6年連続の優勝をとげたが、完ぺきとは言えない演技だった。フリーではトリプルアクセルを入れられず、トリプルフリップで転倒してしまったのだ。
この結果チャンは、2013年四大陸選手権をスキップして、彼のサポートチームとともに修正に取りかからざるをえなくなった。
「今シーズンは今ひとつうまくいっていない。そしてこのことが、ちょっと時間をとって再編成、再評価、再集中するためのいいテストになっているんだ。より向上するために、そして人々に対して――特に僕自身に対して――重要な試合になれば僕は力を発揮できるんだ、勝つために必要なことをやってのけられるんだと、証明するためにね」

カナダ選手権のあと、彼はカルガリーへ行き、トレーナーのアンディ・オブライエンの自宅で1週間過ごしたという。
「オフアイスのトレーニングメニューを全面的に見直すために行ったんだ。栄養摂取やサプリメントを検討して微調整したりね。最後に見直してからだいぶ時間が経っていたから。こういう調整は毎年やるべきなんだ」
アイスホッケーのスター選手、シドニー・クロスビーのトレーナーも務めているオブライエンは、チャンの朝食の内容からウォームアップ後にとるサプリメントまで、彼の食生活と陸上トレーニングのメニューを洗い直し、そのほかの細かな事柄についてもガイダンスをおこなったという。
「(オブライエンには)シドニー・クロスビーとのトレーニング経験があるんだけど、クロスビー選手はいつも完璧を目指す人なんだ。その点、僕もけっこう完璧主義者だからね。世界王者として勝ち続けるためにどんな課題に取り組めばいいのか、話ができてよかったよ。とてもいい1週間、実りの多い1週間だった」

チャンはそこからトロントへ移動して、振付師のジェフリー・バトルとデビッド・ウィルソンとともに、ショートの「ラフマニノフ」、フリーの「ラ・ボエム」両方のプログラムの修正をおこなった。
「パターンをいくつか変えたり、ジャンプの順番を変えたところもあるよ。自分自身、特にフリーではちょっとやりにくさを感じていたんだ。(修正によって)各要素を安定しておこなえるようになったよ」

今後はもう1週間、デトロイトに滞在する予定だ。シニアの大きな大会に車で行くのはこれ(ロンドン・ワールド)が初体験となるため、とても楽しみにしているという。
「(ロンドンの)リンクはとてもやりやすいと思う。まさにそのリンクで以前滑ったことがあってね。(2010年の)オリンピックの直前のカナダ選手権の会場がそこだったんだ。だから、すごくなじみ深い環境だと思うな。…僕はロンドンの町が大好きなんだ。僕にとって、とても居心地のいい場所なんだよね」

ロンドンなら食事の面でも問題ない。グランプリ・ファイナルから帰国したときには、ソチで出された脂肪分過多の食事のせいで胃腸を壊していたと告白したチャンだが、ロンドンならふだんどおりの食事ができる。
「車でワールドに行くんだって考えるとちょっと変な気もするけど、おもしろいことになりそうだね。時差ボケや慣れない食事で苦労しなくていいのはいいことだと思う。ロンドンの町についてはよく知ってるから、何かが必要になっても簡単に買えるだろうからね」



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すわ、パトリックもジェイソンさん&有香さん組の仲間入りか!? と一瞬思ったんですが、そうではないみたいですね。どうやら場所だけDSCのリンクを借りているようで、コーチは今のキャシー・ジョンソンさん一筋のようです。こういうリンクの使い方もあるんですね。トップ選手やコーチ同士、ライバルでありつつも仲間意識が強いせいなんでしょうか。
でも、なんでパトリックがDSCに?と思ったら、twitterで教えてもらった情報によると、キャシーコーチが、パトリックと親しいウィーヴァー&ポジェ組のダンスコーチを務めているらしいので、そんなつながりなのかもしれません。

今季は優勝を逃しただけで「不振」呼ばわりされているパトリック。やっぱりクラールコーチと別れてスケートが専門ではないキャシーコーチについたのは間違いだったのでは、という声が、おそらく四方八方から聞こえているんだと思いますが、やっぱりキャシーコーチとの絆は強いみたいですね。この体制でいい結果が出るといいなあ、とは思うものの、私としては日本男子やハビエル君にパトリックの連覇を止めてほしい気持ちもあり……なかなかフクザツです!

それにしても、DSCの楽しい雰囲気がよく伝わってきますよね!新しく成美ちゃんとペアを組んだ木原君にも、すごくいい環境なんだろうなあ、と勝手に思ったり。

さて、今夜はジュニアワールドの男子フリーですね!いろいろ楽しみ〜。

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カテゴリ:パトリック・チャン | 19:29 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
パトリック・チャン、ソチファイナルでの真の敵は〇〇だった!?

ふたつ前の記事とちょっと内容的にかぶりますが、またまたパトリック・チャンのインタビューです。
カナダのToronto Sun紙のサイトに、今日(1月17日付)アップされていたこの記事。

元記事はこちら→Patrick Chan avoids being flushed away  by RYAN PYETTE
(ごく短いですがインタビュー動画つき。前半はテサモエ。パトリックのコメントは0:52あたりから) 

これがまた、お気楽な記事で…というか、お気楽なパトリックで、と言うべきでしょうか!? ソチでのグランプリファイナルでは大変な事態に見舞われていたそうなんです。それは……。
基本、シリアスな記事ではまったくありませんが、なかなか興味深い点も多いので、どうぞリラックスしてお楽しみいただければと思います〜。



Patrick Chan avoids being flushed away
(↑ このタイトルがすでにダジャレなんですが、「パトリック、〇〇〇のようにトイレに流されるのを食い止める」〜ぐらいですか。深い意味は全然ないと思いますっ)

先月ロシアで、パトリック・チャンは、オリンピックの金メダルをはばむ新たな障害物を発見した。高橋大輔や羽生結弦、エフゲニー・プルシェンコといったライバルよりも、もっと恐ろしい脅威……下痢だ。

次のオリンピックの舞台となるソチの新しいリンク。ここで初めて開催された大会で、世界選手権二連覇中のチャンは、母国に銅メダルを持ち帰ることになった。彼が味わった試練を考えれば、リンクの上でおそそうをしなかったご褒美にボーナスポイントをもらってもよかったぐらいだ。

「具合が悪くて……下痢をしていたんだ」と、22歳のチャンは語った。「僕は……フリーの演技のとき、イモジウム(下痢止め薬)とタムズ(胸やけの薬)を飲まなきゃならなくて、それでクワドを跳んで……思ってたんだ、“この演技が終わる頃には、きれいなパンツじゃなくなってるかもしれないぞ”って。いいテストになったよ。エキサイティングだったし、あのコンディションにしてはいい演技ができたからね。満足してるよ。ああいう体験をするためにソチへ行ったんだから」

いつもは青白い顔のチャンだが、ソチのひどい食事を経験しても、顔色はいいようだ――ハワイでの休暇のあとで日焼けさえしている。今週末、ミシサーガのハーシーセンターで行われるカナダ選手権では、チャンはトイレに缶詰になりさえしなければ、六連覇を果たすことになるだろう。

「食事はほんとにひどかったよ。脂っこくて、炭水化物がいっぱいなんだ。ぼくらの好みの食べ物じゃ全然なかったよ」と、チャンは言った。「ちょっとどうかと思っちゃったよ。だって、(フィギュアスケートのように)すごく緻密で多大な集中力を要することをやらなくちゃいけないのに、まるで家畜のえさみたいなものを出すんだから」

「もっといいものを出してくれないと。オーガニックチキンとかね。野菜があったらよかったな。僕は野菜が大好きなんだけど、なかったんだ。あったとしても、脂ギトギトだったよ」

もしもゴードン・ラムゼイ(ロンドンの三ツ星シェフ。短気でスタッフを罵倒することで有名)がそこにいれば、哀れなロシア人シェフは間違いなく罵倒されていただろう。チャンが率直に語るところによると、これはロシアの文化であり、適応することが必要なのそうだ。

「あれ(食事)に体が適応してるんだよ。きっとものすごくタバコを吸うから、あの食事にも適応できるんだろうね」と、チャンは皮肉った。

でも、さすがにホテルは最高級だったんですよね、パトリックさん?

「選手たちが宿泊していたのは、共産党時代に建てられたサナトリウムだった。6つの建物が並ぶ巨大な施設で、高級な部屋とそうじゃない部屋があったんだ。僕らに割り当てられたのは、間違いなく低級なほうの部屋だった。きれいな部屋に当たった人もいたけど、僕らのは怪しげな部屋だったよ。映画「ザ・シャイニング」に出てくるような感じさ、廊下の電灯がチカチカしてたりとかね」

「政府の高官が週末に休暇で泊まって、温泉治療を受けるための施設なんだ。時々、工場労働者も使わせてもらえるっていう。きっと彼らの贅沢の概念って僕らと違うんだね」

少なくとも、ジャック・ニコルソン(「ザ・シャイニング」の主役)のような男が斧を振りかざしてチャンの部屋に押し入ってきて、「こんにちわ〜」とニヤリと笑う、なんてことはなかったようだ。

「いったいどうすればいいんだ?って思ったよ。もしオリンピックでああだったら……まあ、同じホテルに泊まるわけじゃないし、食事も違うだろうけどね。すべてきちんとやってくれるとは思うけど」

もしそうでない場合には、チャンは俳優のチャック・ノリスのようなコワモテを一緒に連れていって、要求を通してもらわなくてはならない。

エルビス・ストイコなら適役だ。

最近のツアーの間、チャンとストイコは意気投合し、チャンはこの年長の戦士が競技のプレッシャーや怪我について語るのに耳を傾けたという。前のオリンピックのときにストイコは、チャンを含む4回転を跳ばないスケーターを、フィギュアスケートを衰退させるとして批判したが、それ以来の楽しい再会となった。

「彼が僕にああしろこうしろと指図したことは一度もないと思うよ」そう語るチャンは、5年前に自分がカナダ王者のタイトルを奪ったジェフリー・バトルにも、振付師として協力してもらっている。「そのことが、僕とストイコの間にあったかもしれないぎこちなさを取っぱらってくれたかな。でも、彼と話をしているときに、そのこと(クワド論争のこと)は全然思い出しもしなかったよ」

「彼は空手の達人だから、僕なんて一瞬で殺せるだろうね。だから僕はおとなしくして、彼を怒らせないようにしなくっちゃ。彼はまるで大きな熊さんみたいなんだ。とても優しいけど、雄牛のように強いのさ」それから、言い添えた。「すごく楽しい人だよ」

チャンの2回目のソチへの旅は、間違いなく1回目よりはるかにいいものになるだろう。

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 先日の記事で、パトリックもカナダ中の期待を受けてつらそう…なんて書いたばっかりでしたが、全然リラックスしてはりますがな! それに、ハワイ帰りで真っ黒だし!

3位という、本人比では惨敗に終わったグランプリファイナルですが、その敗因は「下痢」だったの? しかも、言うにことかいて、高橋、羽生、プルシェンコより下痢が「強敵」だとはw
にしても、「この演技が終わる頃には、きれいなパンツじゃなくなってるかも」って、パトリック、あーたww

この記事、カナダ選手権に向けた、テサモエと共同の囲み取材だったようですが、とてもリラックスした雰囲気だったらしく、ソチの食事にもついてけっこう軽口をたたいてますね。
まあ、スケートに関する具体的な話はなんもありませんが、久しぶりに元気なパトリックが見られてうれしかったです。というか、下痢でさえなかったら余裕で1位だったと思っているに違いないご様子……やっぱりパトリックはパトリックですね!私は好きですよ、そういうとこ!

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カテゴリ:パトリック・チャン | 14:14 | comments(10) | trackbacks(0) | - | - |
パトリック・チャンへ エルビス・ストイコが助言! icenetwork記事より
今日、開幕するカナダ選手権!ノービスとジュニアに続いて、1月18日(日本時間で19日早朝)から、シニアが始まります。
シニア男子の優勝候補は、もちろん2008年から五連覇中のパトリック・チャン!で揺るぎないんでしょうけど、今年のパトリックはちょっと様子が違う?ほぼ金メダルを独占してきたここ2シーズンと比べて、スケカナで2位、グランプリファイナルではまさかの3位!ということで、パトリック的にはけっこう危機感をもっているような…。
そんなパトリックが、12月にCelebration on Iceというショーでカナダ国内をまわったときに取られたインタビューが、1月11日付のicenetworkにアップされていました。

「チャン、カナダのスターたちに助言を求める」
ストイコ、世界2連覇のチャンにアドバイス。「煽られてはいけないよ」

パトリック・チャンは、2012年という年の大部分を喜んで忘れようとしていた。2013年を迎えた彼は、ひとつ年齢を重ねてもいた。大晦日が22歳の誕生日だったからだ。
世界選手権を二連覇したあと、チャンはコーチを変更し、振付師も変えた。そして、ジャパンオープンで4回転倒の最下位という形で、今シーズンのスタートを切った。ロステレコム杯では優勝したものの、グランプリファイナルでは期待外れの3位で2012年をしめくくった。

「今年はちょっと変な年だよね。宙ぶらりんの年なんだ」とチャンは言った。「来年は五輪イヤーで、その時こそ人生最高のプログラムを滑りたいと思ってる。だけど今の時点では、期待が高まりすぎて気が変になりそうだ。ある意味、今オリンピックが来てほしいとさえ思うよ」

今現在、チャンがいる場所――六連覇をねらうカナダ選手権まで約1週間――から、ソチ五輪の表彰台のてっぺんまで到達するのは、簡単ではないだろう。

でも、チャンは自分は幸運だと考えている。12月に4つの都市を回ったアイスショーのツアーの間、友人たちに囲まれていたからだ――それも、たまたま同じ世界チャンピオンだった友人たちに。NewmarketやSudburyといった都市を移動するバスの旅は、必ずしも心躍る旅ではなかったはずだが、チャンはこの移動時間を有効に活用していた。カート・ブラウニング、ジェフリー・バトル、エルビス・ストイコ(この3人で合計8つの世界タイトルを持っている)とおしゃべりして、今シーズンと来年のオリンピックに向けてどう準備していけばいいのか、アドバイスを求めたのだという。

「そう、彼はほんとに話を聞きたがっていたんだ」ストイコは言う。「ちょっと僕の思うことを話したら、チャンの表情ががらりと変わったんだよ。それで言ったんだ、聞きたいことがあったら何でも聞きなよって」

そのとおり、チャンは聞きまくった。

会話のメインは、試合に向けて心の準備をどうするかということだった。熱心な武術ファンでもあるストイコにとって、これはお手のものの話題だった。ストイコはきちんと理解していた。ソチの優勝候補のひとりとして、世界二連覇中のチャンにカナダ国内で大きな期待がかかっていることだけでなく、チャンが最高とは言えないシーズンを送っていることも。

常に右肩上がりでいられるスケーターなどめったにいないのだ。

「チャンは僕に、練習と試合をどうとらえればいいのか聞いてきたんだ。それで僕は言った、練習で勝ちたいなんて思わないだろ?って」ストイコは言った。「きみの最大の目標は試合で勝てるよう準備することだ。いったん試合が始まったら、その前の週にきみが練習でどうだったかなんて誰も気にしない。煽られてはいけないんだよ」

「1997年の世界選手権でのことを思い出すよ。最後の公式練習で、僕はトリプルアクセル1本とトリプルトゥを2本跳んだだけで、あとは流したんだ。みんなが聞いてきたよ。“エルビスは大丈夫なのか?”“何かあったのか?”って。でも、僕には自分が大丈夫だってわかっていた。練習でクワド5本なんて跳ぶ必要はなかったんだ」

ストイコはその1997年の世界選手権で優勝し、3つめの世界タイトルを手にした。

「僕はつい完璧主義になってしまうんだ」とチャンは言う。「(練習の時に)ついジャンプをばんばん跳び始めて、自分の体を休ませるということができない。ストイコは、一歩引いてみるべきだって言うんだ。本番のためにどう調整していくかってことだね。彼からはためになることをたくさん学んだよ」

大きな大会で、練習のときに力を入れすぎないようにするのは、スケーターにとって難しいことだろう。とりわけ、各選手のコーチやジャッジ、ライバル選手の注目を浴びている状況では。だがストイコは、チャンがカナダ選手権と今年の世界選手権(偶然にもカナダ開催だ)、そしてもっとも重要となるソチ五輪で成功を収めるためには、これこそが必要なことなのだという。

チャンは今年の世界選手権を「今シーズンで最も重要な大会」と言っているが、自分にプレッシャーをかけすぎてはいけないとストイコは言う。なぜなら、オリンピックの前年の世界選手権で優勝した者が、オリンピックで金メダルを母国に持ち帰る者と同じとは限らないことを、ストイコもカート・ブラウニングもよく知っているからだ。

ブライアン・オーサーは1987年に世界タイトルを取ったが、翌1988年のオリンピックではブライアン・ボイタノについで2位に終わった。ブラウニングは91年と93年にタイトルを取ったが、92年と94年のオリンピックではいずれも金メダルに手が届かなかった。97年にタイトルを取ったストイコも、1998年オリンピックでは2位どまりだった。

「彼はとても負けず嫌いなんだよね。それはいいことなんだ」ストイコはチャンについてそう語った。「今シーズン苦労していることも、それでいいんだ。今、それが来てるんだから。五輪イヤーへと向かう前に、モヤモヤは全部排除しておきたい。今、そのことを経験できたほうがいいんだよ」

「時には、世界選手権で優勝しないほうがいいこともある。僕はいつも、追われるより追うほうが気が楽だったな。トップに立っている時には、自分が何を失うことになるのか、常に気になってしまうものだから」

チャンは、短期間のカナダ国内ツアーを終えると、ハワイへ休暇に出かけた。熱帯の島々でジップライン(森の中をワイヤーと滑車で滑り下りるアクティビティー)を楽しんだことで、ストレスをいくらかでも減らすことができたようだ。

だが、コーチのキャシー・ジョンソンと共にトレーニングしているコロラド・スプリングスに戻るやいなや、プログラムの完成度を高める練習を再開した。

彼が今季、フリー「ラ・ボエーム」で4T-3Tと単独4Tを両方とも着氷できたのは、ただ一度ロステレコム杯だけだ。グランプリファイナルではコンビネーションジャンプで転倒したし、スケートカナダでは単独4Tの着氷で手をついてしまった。

「今、やっていることには秘策なんて何もないよ」とチャンは言う。「去年と一昨年の世界選手権の前にやってうまくいったことを、今再びやっているだけだ。つまり、基本的には通し練習を増やしたり、といったことなんだけどね。僕の壁になっているのは、ノーミスの演技をコンスタントにできないこと。それと、この2本連続のクワド、これをコンスタントに降りれるようになりたいとすごく思っているよ」

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 ふーむ、興味深い。ソチで優勝するためには、今年のワールドで優勝したほうがいいのか、しないほうがいいのか。(そんなこと言ってる場合じゃない気もしますが…。)
そして、この記事からすると、パトリックは四大陸選手権には出なさそう?来てほしいんですけどねえ。

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注目は エマニュエル・サンドゥ ナム・グエンニューエン(でいいんでしょうか。いまだにNguyenの日本語表記がわからない… ←一般的には「グエン」のようですね。はなちゃんさん、更紗さん、ありがとうございます!) リアム・フィルス アンドレイ・ロゴジン エラッジ・バルデ 哀献Д譽漾次Ε謄鵝´吋吋咼鵝Ε譽ぅ離襯此´殴僖肇螢奪・チャン あたりかな?カナダ選手権は毎年、神演技連発になるので、とっても楽しみです!そして、パトリックの得点も……………。

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女子ではスケカナで衝撃(!)の優勝を飾ったケイトリン・オズモンド選手と、現カナダ女王アメリ・ラコステ選手の対決でしょうか?ケイトリンちゃん、来ますかね!!??

マ:フィギュアスケート 
カテゴリ:パトリック・チャン | 07:19 | comments(9) | trackbacks(0) | - | - |
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