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絶賛!「NHK杯で裏づけられた羽生のすごさ」 Japan Timesから
例によって激しく今さらなんですが…いやあ、すごかったですね!
幸いにも現地であの歴史的瞬間を目撃することができた私ですが(神様ありがとうございます泣)遠征後はたまっていたあれやこれやに追われて感想のひとつもアップできず(;∀;)
でもあのフリーのことを全然書かないのはもったいないなあ、でも今さら私の駄文なんか…などと思っていたら、『Japan Times』紙の記者、ジャック・ギャラガーさんが熱例なHanyu賛歌の記事を書いてくださいましたので、これ幸いと訳させてもらおうと思います。

元記事はこちら→Hanyu’s greatness confirmed at NHK Trophy BY JACK GALLAGHER DEC 1, 2015



「NHK杯で裏づけられた羽生のすごさ」

人生では、ふさわしい時にふさわしい場所に居合わせることがある。「Ice Time」(Japan Timesのフィギュアコーナーのコラム名)にとって、先週の土曜日はまさにそれだった。

その夜、五輪チャンピオンの羽生結弦がビッグハットで成し遂げたものは、まさに信じがたいものだった。スポーツと芸術が完ぺきにかみ合った瞬間だった。
2日間で3つの世界最高記録を生み出した、NHK杯での羽生のフリー演技。それはまったく驚くべきものだった。

才能あるアスリートと、人を魅了するショーマン――羽生はその両方を兼ね備えている上に、すばらしい人格の持ち主でもある。
21世紀の日本の理想像は誰かと言われたら、私は羽生を思い浮かべる。
底知れない潜在能力の持ち主で、何をやらせても成功してしまうだろうと思わせるのだ。
1981年、読売ジャイアンツの三塁手だった原辰則が、ある投票で「日本を代表する男性」に選ばれたことがあった。日本で最も人気あるチームの、一番のスターであったことを考えれば、これは意外なことではなかった。
今なら、と考えたら、私は投票が必要とさえ思えない。もし今調査がおこなわれたら、きっと羽生が大差で選ばれるだろう。そして彼はそれにふわさしい人物なのだ。

羽生のフリーの得点は216.07。SPの106.33と合わせて、総合322.40という歴史的な得点をたたき出した。羽生は300点の壁を最初に破った選手となり、世界選手権3連覇のパトリック・チャンが保持していたそれまでの最高点295.27を大幅に上回った。
土曜の夜、会場からホテルに戻る車の中で、私はただこんな独り言を繰り返していた。
「信じらない。いや、まったく信じられない」

ほどなく、海外でNHK杯を見ていた人々から羽生への称賛の声が届き始めた。
カナダのCBCのスケート解説者、キャロル・レインはこうツイートした。
「今日、羽生結弦がフリーの最高記録を破るのを見られたことは、非常に名誉だった。名人芸とはこういうものなのだと世界に示した。#敬意」
31年間勤めた『シカゴ・トリビューン』紙を先週引退したばかりの高名なスケート記者、フィル・ハーシュも、ツイッターで自らの意見を述べた。
「もしこの演技がオリンピックでされていたら、何十年と語り継がれる語り草になっただろう」
ところで羽生の演技後の余波の中で、ハーシュと彼のフォロワーとの間でこんなおもしろいやりとりがあった。
「確かに見事でしたが、高橋(大輔)や(アレクセイ)ヤグディン、(ステファン)ランビエルに比べると、彼にはカリスマ性が足りないと思います。彼は芸術的ではあるけれど、芸術家ではないのでは」あるファンがそうツイートしたのだ。
異を唱えられて引き下がるような男ではないハーシュは、ただちにこう返した。
「彼のカリスマ性はそのジャンプとエネルギーから発せられている。1998年五輪のタラ(リピンスキー)がそうだったように。卓越したスポーツ性は芸術性になり得るのだ」

そのとおりだ。

全米で3度優勝し、現在はNBCの解説者を務めるジョニー・ウィアーも、羽生のフリー演技に感動させられたようだ。
「ユヅくん、とてつもなくすばらしい世界記録! 322点越えだなんて! 今まで誰も足元にさえ及ばなかった点だよ。ブラボー!」

幸運にも筆者は、スポーツメディアにたずさわってきた長いキャリアの中で、数々の偉大なアスリートたちの戦いぶりを生で観てきた。
サッカーのペレ(サントス時代)、ボクシングのモハメド・アリ、バスケットボールのウィルト・チェンバレン、アイスホッケーのウェイン・グレツキー、フットボールのジョー・モンタナ、野球のウィリー・メイズ。
いずれも各スポーツの偉人であり、最高の選手と多くの人に認められ、長期にわたってその名をとどろかせた者ばかりだ。
もし羽生が今後あのような演技を続けるなら、彼らの仲間入りを果たすこともあり得るだろう。

フィギュアスケートは採点競技であるため、本当のスポーツと言えるのか?という声もあるが、これは間違った議論だ。
確かにジャッジは時に間違いを犯すことがある。だが、スケーターはどこからどう見てもアスリートだ。われわれがあのフリーのようなレベルで演技する羽生を見ているとき、そのスポーツの最高峰に位置する、もっとも脂の乗った選手を目撃していることは、まったく疑いようがないからだ。
NHL(北米アイスホッケーリーグ)はあらゆるスポーツの中でも最もタフなリーグのひとつだが、私が推測するに、NHLの選手たちにヘルメットも防御パッドもつけずにリンクを全力で滑走してくれ、一度でいいから空中で4回転してみてくれ、と頼んでみたら、おそらく彼らの99%が「そんなのクレージーだ」と言うだろう。
羽生は2日間で5本の4回転ジャンプをクリーンに跳んだ。彼はアスリートではないなどと思う人間は、どう考えても現実が見えていない人間だろう。

まだ時期尚早ではあるが、オリンピックのタイトルと、シニアとジュニアの世界タイトルを持ち、これから長い未来がある羽生は、いつか史上最も偉大な男子スケーターと言われるようになるかもしれない。
これまで複数の五輪メダルを獲得したのは、スウェーデンのギリス・グラフトストローム(1920、1924、1928)と、オーストリアのカール・シェーファー(1932、1936)、そしてアメリカのディック・バトン(1948、1952)の3人だけだ。

羽生がファンとメディアに愛される理由のひとつは、彼の明るい性格、それに頭の回転の速さや一生懸命さにある。最近、世の中はどちらを向いてもネガティブな話題だらけだ。だからこそ、ポジディブなオーラを放つ人物を見るとさわやかな気持ちになれるのだ。
昨シーズン、上海で開かれた世界選手権で、羽生のリンクメイトであるハビエル・フェルナンデスが彼をおさえて優勝したとき、羽生は心からよろこんでいた。それは羽生という人間をよく示すふるまいだった。

大きなハートをもった、偉大なアスリート。

2018年平昌五輪まではもう2年と少しだ。だが、もしそこで羽生がこの土曜日と同様な演技をすれば、再び金メダルを手にし、フィギュア史上のレジェンドたちの殿堂に名を連ねることになるだろう。

彼以上にそれにふさわしい人間はいないだろう。


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きゃvネコ いやあ、すさまじいまでの絶賛っぷり! あの瞬間を目撃した高揚感そのままに書かれた感じですね。
演技だけでなく人格のすばらしさの讃え方がすごいです。えっと、ハビのワールド優勝を心からよろこんでたって、え?…ってところは若干あるものの(゚∀゚;)
ただ、「これから長い未来がある」というのがせつないです。羽生くんが平昌で引退するかもしれないこと、ギャラガーさんは知らないのかな。もし知ったら「世界的なアスリートになれるのにそんなもったいことするな!」って暴れかねない勢いですね^^;

この記事で私が一番共感したのは、正確にはギャラガーさんではなくフィル・ハーシュさんの言葉ですが、"Stunning athleticism can be artistry."という一文でした。
athleticismは日本語に訳しにくいのですが「競技性、スポーツ性」という意味。競技として卓越している場合は、それが芸術性になり得るのだと。これって、私がフィギュアに美しいなあとか、魅力的だなあと惹かれる一番の理由なんですよね。ジャンプだけじゃなくスピン、スパイラル、ステップ…フィギュアの技の美しさって、本当に比類がないと思うのですよ。
現地で見たあの歴史的な『SEIMEI』は、技そのものの美しさが冴えわたり、そこに羽生くん本人の圧倒的な存在感とエネルギーがかみ合わさって、リンク全体がその美しさと強さで包まれてしまったような、そんな『SEIMEI』でした。まあ、そう言いながら最後のルッツまでは気が抜けなかったのも事実ですけどね^^;


…最後に、記事とは関係ないですが、ハビの話が出ているので。
得点が出てキスクラから立ち上がった羽生くん。オーサーに何やらまくしたてていましたが、"I feel like same as Javi, yeah?"(ハビと同じような気分だよ。ほらあれ、わかる?)と言っていたんですね。オーサーもすぐ察して、2人で「ああ〜ああ〜ああ〜」と(笑)。
ハビが上海ワールドで優勝したときのあの奇声、あれを2人で真似ていたんですね。なんつーか、偉業を成し遂げた直後というのになんだそれ(笑) 高揚するあまりテンション上がりきってたんでしょうか。
やっぱりクリケットは不滅ですね! ハビ、これ見たかしら?
(10:29あたりから。動画の該当箇所への直接リンクは→こちら


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