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ケイトリン・オズモンド、新プログラムはミュージカルとクレオパトラ
若干17歳のカナダ女王、ケイトリン・オズモンド
昨シーズンはひたすら踊りまくる「マンボ」、年に似合わぬドラマチックなお色気をふりまいた「カルメン」と、2本とも密度の濃ゆーい、個人的に大好きだったプログラムでばく進したケイトリンちゃんでしたが、いよいよ新プロ情報が来ました! 彼女が拠点としているアルバータ州エドモントンという街の地方紙「EDMONTON JOURNAL」に7月30日付でアップされた記事です。


コーチのラヴィ・ワリアと練習するケイトリン・オズモンド(2013年7月26日Terwillegar Recreation Centre)

「ケイトリン・オズモンド、新シーズンに向けて新プログラムを仕上げ中」
現カナダ女王、より落ち着いた、洗練されたプログラムでソチ五輪にのぞむ

「マンボ」は踊りながら退場し、「カルメン」の最後の鐘が鳴り響く――。
2013年カナダ選手権で優勝したケイトリン・オズモンドが、もう6か月後に迫った2014年ソチ五輪のための新プログラムを公表した。こうして彼女は2012-13シーズンを後にし、初めてのオリンピックシーズンを迎えようとしている。

新しいショートプログラムは、ボブ・フォッシーが手がけたミュージカル「スイート・チャリティ」から数曲をセレクションしたものだ。
「ショートもフリーも、彼女にふさわしい、素敵な曲を選びたいと思っていたんだ」と、オズモンドの振付師のランス・ヴィポンドは言う。

ヴィポンドによると、今季のオズモンドは昨季とは違ったキャラクターを演じるのだという。ファンは、もっと洗練され、落ち着いた印象の彼女を見ることになりそうだ。17歳のオズモンドはメリーズタウン生まれで、今はエドモントン郊外のシャーウッドパークに住んでいる。昨季は「マンボ」のSPで踊りまくった彼女だが、今季ファンやジャッジが目にするのはそれとは違ったアプローチになるだろうという。

「もっと抑えた動きになると思うわ」そう語るオズモンドは、Ice Palace FSCに所属し、West Edmonton MallとTerwillegar Recreation Centreで練習をおこなっている。「もっと洗練され、コントロールされたものになると思う」

「出だしはゆっくりした感じなんだ」オズモンドのコーチのラヴィ・ワリアは言う。「ジャズっぽくて楽しい感じのプログラムさ」

ヴィポンドによれば、ミュージカル「スイート・チャリティ」の設定を取り込んだプログラムになっているそうだ。
「ミュージカルで使われている腕の動きをたくさん取り入れているんだ。SPの前半の曲は多くの人が聞き覚えがあるはずだよ。"Hey, Big Spender"を使っているから。僕はずっと前からこの曲が大好きだったんだ」
ヴィポンドはオズモンドが10歳のころから彼女の振付師をつとめている。

「出だしは(男女が)ちょっと気をひくしぐさみたいに、抑えた感じで始まるの」現在世界ランク8位のオズモンドは言った。
後半では曲が"Rich Man’s Frug"に変わり、彼女に言わせれば「気取った感じ」になるという。
一番のお気に入りは終盤のパートだそうだ。
「最後が一番好きっていうのは、すごくいいことなのよ」オズモンドはそう言って笑った。

5月までかかった曲選びの結果、ワリアコーチと振付師ヴィポンドがフリーに選んだのは「クレオパトラ」だった。フリーでオズモンドは、自信とパワーにあふれた若き日のクレオパトラを演じるという。
「さまざまな曲をたくさん聴いた。全部で数か月かかってしまったよ」と、ワリアは言う。
ワリアによると、五輪シーズンにあたって大切なのは、「今まであまり使われていない曲を選ぶこと」だそうだ。
「僕らがどんな音楽を望んでいるかはわかっていたんだ。ふさわしい曲を見つけるのに時間がかかっただけさ」

彼らが探していたのは、オズモンドが氷上で命を吹き込む強いキャラクターが登場する、個性的な曲だった。オズモンドなら若きエジプトの女王を演じられると、ヴィポンドは確信しているという
「クレオパトラは彼女にはちょっと大人びた役どころだ。昨季のカルメンほどではないけどね」とヴィポンドは言う。「クレオパトラは実在の人物だ。カルメンと違ってね」

ワリアによると、「クレオパトラ」の振付は「とても挑戦しがいのある難しいもの」だという。「フリーは部分的にソフトなパートもあって、昨季とはかなり違うんだ」
オズモンドは最初に聴いたときからこの曲を気に入ってくれた、と彼は言う。

「出だしの部分は、私がみんなから注目を浴びる場面から始まるの」とオズモンドは言う。「クレオパトラが権力を握ったあとからが、すごく見せ場になると思うわ」

ショート、フリーともに、オズモンドの資質の良さとスケーティングスキルを際立たせるプログラムになっているらしい。
「彼女にはとても強い個性があり、氷上の姿がとても美しい」とヴィポンドは言う。「いつでも僕の期待以上の演技を見せてくれるよ」

ヴィポンドによると、今後の課題は、オズモンド自身が演技を楽しむことができ、観客にも魅力的なプログラムにできるかどうかだという。ふだんはオンタリオ州ブラッドフォードに住んでいるヴィポンドだが、9月にもう一度エドモントンへ戻り、プログラムの仕上がり具合をみる予定だそうだ。
「彼女はいつも僕を驚かせてくれるよ。もうすでにプログラムとしてまとまりつつあるんだ。全体的に見て、彼女は順調だと僕は思うよ」
今はプログラムの「細かいところを解決していく」段階だという。

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カテゴリ:北米女子 | 06:29 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
ジョニー・ウィアー、ラジオでソチ五輪ボイコット反対をうったえる
6月末、ロシアで成立した反同性愛法(同性愛プロパガンダ禁止法)。
先日、この問題についてジョニー・ウィアー選手が書いたコラムの翻訳記事をアップしましたが、この記事に、なんとふだんの10倍ものアクセスをいただいてしまい…。
かなりビビッてしまったと同時に、このまま放っておくわけにはいかないぞ、ジョニーのためにもできることをしなくっちゃ!…とは思うものの、次々出る記事に翻訳がまったく追いつかず(泣)

この法律に関して、IOC(国際オリンピック委員会)は「ソチ五輪には影響を受けないという約束をロシア政府からもらった」などと言っていましたが、その後、ロシアのスポーツ相が「アスリートであれ観光客であれ、この法律に触れた者は刑罰の対象になる」とあらためて宣言。(これを伝えるABC News動画に、ジョニーも短時間ですが出演しています→こちら
しかも、ここへきて例のスノーデン容疑者をめぐるアメリカとロシアの対立から、アメリカでのソチ五輪ボイコット論がまた再燃し始めたようなのです。

相変わらず沈黙しているフィギュア界をよそに、ジョニーはここ数日間、精力的にメディアに登場して、「ボイコット反対」を訴えている模様。以下はそのうちのひとつ、ニューヨークのWYNCというラジオ局の番組に出演したときのものです。とりあえず私の耳で聞き取れた範囲で訳してみましたが、漏れ・ミスもあるかと思うので、ざっと内容だけ把握していただけたらと思います。

ラジオ番組「WYNC News」のサイトへのリンクはこちら→Olympian Johnny Weir Says Russian Olympic Boycott Is Misguided




WYNCニュース
「五輪アスリート、ジョニー・ウィアー。五輪ボイコットは誤りだ」


司会:ニューヨークのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)コミュニティーのメンバーが、ロシアの反同性愛法への抗議のため、ロシア製品の不買を始めました。ゲイバーの中にはロシアのウォッカを出さない店もあり、さらにソチ五輪のボイコットまで呼びかけ始めました。しかし、フィギュアスケート選手のジョニー・ウィアーは、アスリートたちはソチへ行き、世界を魅了するべきだと訴えています。
1980年にもアメリカは、ソ連のアフガン侵攻に抗議するため、モスクワ五輪をボイコットしました。結局、戦争はその後9年間続いたわけですが、あなたがソチ五輪ボイコットに反対なのは、やはり効果がないからなのでしょうか?

ジョニー:僕がボイコットに反対する理由はいくつかある。まず、利己的に聞こえるかもしれないけど、僕はアスリートで、人生のすべての日をオリンピックに出るために捧げてきた。幸いこれまで2度出ることができて、今回が3度目のチャンスになるわけだ。
また、僕はロシアが好きで、子供のころからロシアの文化や言葉を学び、ロシア語を話す。自宅でも夫との会話は英語とロシア語が半々だ。ソチ五輪でキャリアを終えることができたらすばらしいと思っている。
そういったことを考えても、僕はオリンピックを政治的なものだと思ったことはない。オリンピックは平和な時、アスリートの技にうっとりと魅了される時、各国が武器を置いて平和を尊ぶ時だと思ってる。これらの理由から僕は、アスリートにとっては、ボイコットは間違っていると考えている。
そして、ロシアと世界中のLGBTコミュニティーにとっても、僕らがソチ五輪の場に存在するほうが、そこに不在でいるよりもはるかに強い影響力をもつだろうと固く信じている。僕のような人たち、オリンピックに出場してゲイコミュニティーをサポートしたいと考える人たちは、「僕はあなたたちをサポートします」「あなたたちの味方です」「変化をおこすためにあなたたちと共に行動します」と言うために、現地に行かなければならないんだ。
五輪をボイコットすることは愚かなことだと思う。それでは、ただ目を背けることにしかならないから。ロシア製品やアルコールの不買運動も、アメリカにいて自分にできることをする手っ取り早い方法だろうけど、それでは本当に損害を与えたい人に損害を与えることにはならない。ウォッカを飲まないことによって、ロシア国会や大統領に損害を与えることはできない。ロシアの工場や産業で働く人を傷つけ、ロシアのLGBTが属している一般民衆の所得に損害に与えるだけだろう。

司会:LGBTのライフスタイルを否定する国でオリンピックが開催されることで、LGBTのアスリートたちはどんな試練に直面すると思いますか?

ジョニー:正直に言うと、LGBTの冬季五輪アスリートはそれほど多くはない。僕はそのひとりだし、Blake Skjellerupという優れたスピードスケート選手もいるけど、他は知らないんだ。スポーツ界では同性愛のアスリートがカミングアウトすることはそんなに一般的ではないから。
でも僕は最近、サンクトペテルブルクでスケートの演技をするための招待を受けたところなんだ。サンクトペテルブルクは反同性愛法が誕生した街だ。ロシアの状況がどれほど変わったのか見ることができる初めてのチャンスになる。僕はロシアの人々に対して深い尊敬の念を持っている。物事がどう変わったのか、自分で見てきたいと思っている。
そして、僕について言えば、僕が僕自身でいることに関しては何の問題も感じていない。自分が信じることを口に出すのを恐れたこともない。
もちろん、ロシアへ行ったからといって、わざわざレインボーカラーの旗(LGBT運動の象徴とされる7色の旗)を振るつもりはなく、ふだんどおりの僕でいるつもりだ。僕がロシアに行くことで、いくらかでも状況を打開する手がかりになればいいなと思う。
もし僕が逮捕されるとしても、身の危険がふりかかっても、僕は自分が理由があってそこへ行くことを知っている。僕のコミュニティー、僕の兄弟姉妹を助けるために行くんだと、僕は知っている。


2009年ごろ、モスクワに立つジョニー

 「ボイコットは意味がない」には私もまったく同感です。しかし……ジョニー、近々ロシアでのショーに招待されているんですね! 逮捕される危険を覚悟で、あえて行くと。
うーん、応援したい気持ちはもちろんだけど、あまりにも孤軍奮闘でだいじょうぶなのか?という気持ちも……。とにかく無事で!


[追記] 招待されているというアイスショーは10月なんですね。seEKさん、情報ありがとうございます。ジョニー自身がこちらのコラムの最後の段落でも書いていますね。
「ロシアのウォッカのかわりに他国のウォッカを飲みつつ傍観しているより、僕は現場に行ってコミュニティーをサポートしたいと思ってしまう。僕にもしものことがあったら、僕の母と夫にそう伝えてほしい」ジョニー……。


JUGEMテーマ:フィギュアスケート
カテゴリ:北米男子 | 01:50 | comments(14) | trackbacks(1) | - | - |
テサモエ、さっそく始動! SDはジャズ、FDはクラシック!
バンクーバー金メダリストにして、ソチの金メダル最有力2候補のひと組、テサモエ。
おなじみのIcenetworkで、そのテッサ・バーチュー/スコット・モイヤの新プログラムが発表されました。なんと今週末の試合でSDを初披露するそう! 今季は取りかかりが早いですね〜、さすが気合の入り方が違うわ…ドキドキ。

アイスダンスは個人的に一番弱い分野なので(見るのは大好きなんですけどね!なかなかルールがわからなくて汗)、用語ミスなどあるかもしれませんが、どうかご了解ください。ライバルのメリチャリ情報もちょこちょこっと入っています。

もと記事はこちら(8月5日付)→Secret's out: Virtue, Moir disclose program music



「秘密は明かされた:バーチュー/モイヤ、新プログラムの曲を発表」
現オリンピックチャンピオン、ショートはジャズ、フリーはクラシックで


今季、テッサ・バーチュー/スコット・モイヤは早めに始動しようとしている。

現オリンピックチャンピオンである2人は、クイックステップとフォックストロットを入れた今季のショートダンス(SD)を、モントリオールの北に位置するボアブリアンで8月10日に開催されるQuebec Summer Championshipsで初披露する予定だ。

「私たちはもう準備ができていることを示すこと、そしてジャッジから最初の反応を得ることが目的よ」ミシガン州カントンで2人をコーチングしているマリナ・ズエワはそう言った。

8月にジャッジやテクニカルパネルの前でSDを披露することで、各エレメンツのレベル――特に今季のパターンダンスの課題であるフィンステップのレベルを、たっぷりと時間をかけて見直すことができる。最高の結果を得るには、ダンスの各セクションでクリアするべきいくつものポイントがある。

SDの曲はルイ・アームストロングとエラ・フィッツジェラルドの数曲を組み合わせたもの
。まずは"Dream a Little Dream"から始まる。
「次のセクションの曲はジャズっぽい"Muskrat Ramble"で、3番目のセクションはよく知られている"Dancing Cheek to Cheek"だ」モイヤが言った。「フランス系カナダ人の社交ダンスチャンピオン、ジャン=マルク・ジェネルーにも入ってもらっている。彼とは10年前からの付き合いなんだ」

ズエワによるとSDのコンセプトは社交ダンス、ただしひねりをきかせたものだという。
「テッサとスコットのクイックステップとフォックストロットは、ジャズ的なアプローチをしているの。2人は天性のダンサーよ。こういった音楽スタイルは、彼らが互いにやりとりしたり体を使ったりするやり方にぴったりだと思うわ」

バーチュー/モイヤの――そして彼らのリンクメイトでありライバルであるアメリカのメリル・デービス/チャーリー・ホワイトの――振付と音楽はトップシークレットだ。カントンのArctic Edge Arenaでは、リンクサイドの窓の前にカーテンが引かれ、ロビーから練習が見えないようになっていた。選手たちは無線イヤホンをつけて練習することもあった。

「メリルとチャーリーのSDは素早いテンポの、流れとスピードのあるプログラムなの」ズエワは言う。「まるで昼と夜みたい。ふた組はものすごく違うのよ」
デービス/ホワイトの曲については、8月19-25日にコロラド・スプリングスで開かれるアメリカスケート連盟主催のChamps Campの後までは公表しない方針だという。

バーチュー/モイヤのフリーダンス(FD)は、19世紀から20世紀への変わり目に活躍した2人の作曲家、アレクサンドル・グラズノフとアレクサンドル・スクリャービンによる2曲だ。

「FDはSDよりも時間がかかったよ。僕らのために特別に編集された曲だからね」とモイヤは言う。「グラズノフはバレエ音楽“四季”を、スクリャービンは“ピアノ協奏曲嬰ヘ短調”を使っているんだ」

ダンサーのセルゲイ・ヴォロディンが新しいリフトの導入を、オンタリオ州在住のダンスインストラクター兼振付師のジェニファー・スワンが体の動きを、それぞれサポートしたという。音楽を選び、プログラムの監督をおこなったのはズエワだ。

「FDは男女の物語なの。男女関係が人生の四季の移り変わりにつれてどう変わっていくかを描いているわ」ズエワは言う。「珍しい曲ではないけれど、フリーダンスで使われていた記憶は私にはないわ。ワルツを含んだダンス音楽だけどね」
「私の頭の中で長い時間をかけてさまざまな音楽を検討していって、ようやくこの2曲が彼らにとってベストなんだとわかったのよ。この2人の作曲家の相性がいいことは、私自身、大学で学んで知っていたし」

バーチュー/モイヤは、2013年世界選手権の直後からFDの振付に入り、5月に休暇をとった後、6月にリンクに戻ったという。
「私たちのようなペアには、スケート界は毎年何か新しいものを期待するのよね」とバーチューは言った。「とても労力と時間がかかったけど、新しいリフトを5本、ほかにも新しい要素をいくつかプログラムに入れることができたわ」

2008年と2010年に脚のコンパーメント症候群(*オーバーユースや炎症、または打撲・骨折・脱臼などの影響から仕切られた区画内の筋組織に出血が起こり組織内圧が上昇し、動脈の血行障害や筋の線維化や壊死が起こってしまう障害のことらしいです)の手術を受けたバーチューだが、長時間の練習は今のところ特に問題はないという。
「ここで休憩して1時間体を休めるべき、という時は自分でわかるの。全然問題ないし、練習スケジュールにもうまく組み込めているわ」

オリンピック金メダルに二度のワールドメダルも獲得した2人。今季限りで引退するだろうと広く思われてはいるが、バーチューは確定的なことは何も言いたくないそうだ。
「オリンピック後のシーズンに私たちが何をするのか、自分たちでもまだわからないもの。1年1年やっていくだけよ」
「私たちの大きなゴールは、もちろんオリンピックよ」と、バーチューは言葉を続けた。「今度が2度目だし、自分たちが何を目標とすべきかはわかっている。でも、今回のほうが当然プレッシャーは感じているわ、私たちは現・金メダリストだもの」

ズエワによると、バーチュー/モイヤの今季の国際大会初戦は10月はじめのフィンランド杯になりそうだという。その後、スケートカナダとTEBに出場する。



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 おお、ワールド直後から新プロの振付にかかっていたとは。パトリック・チャンが国別対抗戦後のインタビューで、テサモエとメリチャリはうまいこと逃げた、みたいなことを言っていたことがありました(笑)が、やっぱり相当がっちり早めのプランを立てていたんですね。さっすが圧倒的金メダル候補!

上記の曲、動画を全部貼りつけると大変なことになってしまうので、リンクだけ。
 SD "Dream a Little Dream of Me" http://youtu.be/j6TmogXhOZ8
      "Muskrat Ramble" http://youtu.be/0vpuFYQwZ5o
      "Cheek to Cheek" http://youtu.be/GeisCvjwBMo
 FD "Season" http://youtu.be/EsxDyKysmaY
      "Piano Concerto" http://www.youtube.com/watch?v=C3hA5J-A5Yw&feature=share&list=PL61EB2C2F4E0B05AE

SD初披露は今週末らしいですが、FDのほうはどうなんでしょ? フィンランド杯までお披露目はあるんでしょうか? そしてメリチャリのB級出場はあるのかな? 今季はトップ選手でB級に出る人けっこういるんでしょうかね?…やっぱり五輪シーズン、ドキドキワクワクですね、いろいろと。
(ところで、まずフィンランド杯からスケカナ→TEBというスケジュールは、羽生くんとまったく一緒ですね。パトリックは今年はJO出ませんが、どうするんでしょーね!?...と、ついつい話を男子シングルに持っていってしまい、すみませんです汗)

JUGEMテーマ:フィギュアスケート

カテゴリ:アイスダンス | 05:01 | comments(11) | trackbacks(0) | - | - |
オーサー、クリケットチームの現状を語る@icenetwork 「僕らはソチへ行く」
7月末に続いて、またもやIcenetworkにブライアン・オーサーのインタビュー記事が!…ところが、肝心の新プロ情報は今回もなし! うーん、ほんと、じらしますねえ^^;
それでも、羽生&フェルナンデスという、ソチ五輪メダル候補として注目のふたりの教え子をかかえて、どんな戦略を取ろうとしているのか? そして今話題のロシアの反同性愛法に対するスタンスは?などなど、新プロ情報はなくともなかなか興味深い内容になっています。

元記事はこちら→Orser preps students, psyche for Olympic season (08/15/2013)


「オーサー、教え子たちの準備中。オリンピックシーズンにむけて気合十分」
チャンピオンを育てたコーチ、高まる期待とプレッシャーをよそに、集中を維持

オリンピックで2度の銀メダル、元世界チャンピオンにして、カナダ選手権優勝8回のブライアン・オーサー。2013-14シーズンに向かうにあたって、彼は極力平静を保とうとしている。

2010年バンクーバー冬季五輪の前には、数えきれないほどの眠れない夜を過ごしたという。コーチとしてオリンピックに行くのはその時が初めてであり、彼とその教え子だったキム・ヨナへのプレッシャーは相当なものがあった。
「そのシーズン中はずっと、よく眠れなかったよ」とオーサーは語った。「自分にできることはすべてやらなくてはと、しゃかりきになっていたんだ」
「でも今シーズンは、少しはわかっている気がしてる。今のところはよく眠れているよ。2、3か月後にもう一度聞かれたらわからないけどさ」

キムはみごと金メダルに輝き、コーチとしての初五輪を成功のうちに終えたオーサーは、今年51歳。ストレスは若干減ったかもしれないが、細部にまで細心の注意を払っている状況は今回も同じだ。2013年ヨーロッパチャンピオンにしてワールド銅メダリストのハビエル・フェルナンデス、2013年日本チャンピオンで2012年ワールド銅メダリストの羽生結弦、そしてカナダの男子選手ナム・ニューエンのコーチとして、同僚のデビッド・ウィルソン、トレイシー・ウィルソンと共に、すべてについて抜かりなくやるつもりだという。

「僕らにとって最も大切なのは、日々細心の注意を払うことだよ」トロント・クリケット・スケーティング・アンド・カーリング・クラブで、スケート部門のディレクターを務めるオーサーは言う。「スケジュールに注意を払うのは僕らの仕事だ。やるべき細かいことすべての面倒を僕らが見なくちゃならない。あの子たちが自分で苦労しなくてもいいようにね」

各選手にはそれぞれの個性がある。22歳のフェルナンデスは、高い期待をかけられている選手であるにもかかわらず、ゆったりとおおらかに構えているそうだ。一方、18歳の羽生は、メダルを取りたいという欲望を明白にしているという。

「ハビエルに対しては、今年急に“君は五輪メダリストになれるかも”なんて言わないようにしているんだ。過去2年間と同じように、徐々に徐々にやっていって、彼がリラックスした落ち着いた状態でいられるようにしている」
「ハビエルは“僕にできるベストのことができたらいい”と言うんだ。それが彼の考え方さ。一方のユヅルは勝ちを望むんだ」

クリケットにはオーサーの教え子がたくさんいるが、このオリンピックシーズンに彼が特に多くの時間を割いているのはフェルナンデス、羽生、そしてナム・ニューエンだ。
「僕は個々の選手に合った練習スケジュールを見いだし、構成・計画するのが得意なんだ」とオーサーは言う。「みんなに決まりきった同じ指導をするのは僕のやり方じゃない。それぞれの選手との関係に応じて、心理的なものを考えながらやっている。選手ごとに練習方法をカスタマイズするべきだと思ってるよ」

この夏のはじめ、オーサーは日本のショーで振付を担当するよう依頼され、これを引き受けた。ショーの仕事をするのは4年ぶりのことで、(デビッド・ウィルソンと共に)緊張から解き放たれてのびのびと仕事をした。プロスケーターとして20年近くやってきた経験から――オーサーはスターズ・オン・アイスをはじめとして数々のショーに出演してきた――グループナンバーを作るセンスなら持ち合わせている。これまで彼が手がけてきたショーには、Disson Skating、Holiday Festival on Ice、Celebration on Iceなどがある。

「楽しかったし、ユヅルとハビエルたち(ショーにはナムも出演していた)に僕がショーを作り上げていく姿を見せられたのも、僕にとってはクールなことだったよ。彼らはそんな僕を初めて見たからね」とオーサーは言う。「あのショーの出来を誇りに思っているし、参加できてうれしかったよ。あの子たちとまた別の絆が持てたと思っている」

オーサーはこの夏の間、週末はできる限り自分の山小屋で過ごしている。秋になれば超多忙になるからだ。羽生とフェルナンデスに帯同して4つのGPSに行かなくてはならないし、願わくばグランプリ・ファイナルにも参戦することになる。

周囲の予想どおりにオーサーが再びオリンピックの場に戻ることになれば、今度の行き先はソチだ。ここ数週間、ロシアで最近成立した同性愛の「プロパガンダ」を禁じる法律が取り沙汰されているが、ゲイであることを公表しているオーサーは、ソチには選手たちに帯同して絶対に行くつもりだと言い切る。

「ゲイに対してそういう見方をするのは非常に時代遅れだと思うね」オーサーは言う。「僕には理解できないよ。だが、僕らはオリンピックに向かって進んでいる。そしてソチへ行こうとしている」

「選手たちのコーチとして、そしてチームの一員として、僕は行くよ」



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 これは…とことんじらして期待度をいやが上にもアップさせる作戦ですね、どう見ても!w

オーサーは今月31日のチャリティショーに教え子をつれて参加することになっていますが(こちらです→http://www.muskokatodaily.com/?p=15898)もしかするとここにもハビくんと羽生くんは出てこないかもしれないですねえ。いや、ハビくんぐらいは出るかな? いや、ひょっとするとハビ、羽生そろい踏みで競技プロは無理でも新エキシぐらいは滑ってくれるかもしれないかな?……そんな淡〜い期待をいただきつつ、待っていたいと思います(^ω^)

そして、そんなトップコーチ&トップ選手たちの姿を目の当たりにしてすくすく育っていくナムくん。今後、彼がどんな選手になっていくかも、また楽しみですね
(*ちなみに、ナムくんの名字は日本のウィキペディアなどでは「グエン」となっていますが、とりあえず今のところは現地読みに近い「ニューエン」で行きたいと思ってます)


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カテゴリ:羽生結弦 | 15:06 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
ロシア・テストスケート2013動画!(続々更新中!?)
今年も始まりました、ロシアの公開テストスケート! さっそく動画をどんどん上げてくださっている方々がいらっしゃいます。ありがたや〜。
取り急ぎ、今の時点で上がっているもののうち、女子を中心に主だった選手の動画を貼り付けさせていただきます。

アデリナ・ソトニコワ SP


アデリナ・ソトニコワ フリー


ユリア・リプニツカヤ SP


エレーナ・ラジオノワ SP


エレーナ・ラジオノワ フリー


アンナ・ポゴリラヤ SP


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カテゴリ:ロシア&ヨーロッパ女子 | 09:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
パトリック・チャン、新フリー「四季」と反同性愛法を語る
いつもながらの遅ればせ更新ですが……パトリック・チャンの新プロがとうとう公開されました!
昨日、カナダのオンタリオで開催されたThornhill Summer Skateで、今シーズンのフリーを初披露。
デヴィッド・ウィルソン振付、曲はヴィヴァルディの「四季」。なんと、2007-8シーズンにローリー・ニコルの振付で滑ったのと同じ曲です(編曲は違いますが)。
トロントの地方紙Toronto Starのweb版、thestar.comに、演技を終えた直後のパトリックへのインタビュー記事が載っていました。なぜこの曲を再び選んだのか、そしてやはり記者から質問が飛んだのでしょう、ロシアの反同性愛法についても、なかなか率直に語っています。

もと記事はこちら→Patrick Chan plans to focus on skating, not protesting, in Sochi



「パトリック・チャン、ソチではスケートに専念する。抗議行動はしない」
世界王者パトリック・チャン、ソチ五輪中はロシアの反同性愛法への抗議行動に参加するつもりはないと明言。

ロシアで成立した反同性愛法によって、今、2014年ソチ五輪が騒動になっているが、パトリック・チャンはソチでは自分のやるべきことに専念するつもりだと発言した。

同性愛を「宣伝する」どんな行為も違法とするロシアの「同性愛プロパガンダ禁止法」が、さまざまな議論を呼んでいる。モスクワで開かれていた世界陸上でも、抗議行動をする選手たちが現れたが、チャンはそうした行動をとるつもりはないという。

「僕がやるべきことはスケートなんだ」日曜日、ソチ五輪で滑ることになる新フリープログラムを初披露した数分後、チャンはそう語った。「僕は何についても議論するつもりはないよ。政治家じゃないんだから」

「僕がここに来たのは楽しくすごすため、そして他のすぐれた選手たちとともにスケートをするためだ。僕らはみんな、そうしていいはずなんだ」

世界陸上では、スウェーデンの走り高跳びの選手エマ・グリアン・トレガロが、同性愛者への支援を表明するため、爪にレインボーカラーのネイルをして競技に出場し[*レインボーカラーは同性愛者の権利を守る運動の象徴とされています] その後、ネイルの色を変えるよう命令を受けた。チャンはそうした行動をとるつもりはないという。

「そういったことに時間をとられている余裕は、僕にはないんだ。このプログラムをソチに間に合うように仕上げることだけで、もういっぱいいっぱいだから」

とはいえ、人は性的指向や人種などで不利になるべきではない――特に五輪や世界レベルの大会への出場が不利になってはいけない、とチャンは考えている。

「皮膚の色がどうあれ、性的指向がどうあれ、関係ないんだ。出場できるだけの結果を残し、観客に見せられるだけの演技ができて、才能があるなら、ほかの選手と一緒にリンクに立つ権利があるんだよ」

もうすぐ23歳になるチャンは、間違いなくカナダでもっとも金メダルに近いところにいる選手だ。日曜日にオンタリオで開かれたカナダスケート連盟の大会で、チャンは新しいフリープログラムを初披露した。会場となったソーンヒル・コミュニティ・センターは、くしくも彼が子供のころに練習していたリンクだ。ソチ五輪に向けて、チャンは自分のルーツに立ち返ろうとしているのだという。

「このシーズンは、自分が心地よいと思えるもの、幸せを感じるもの、スケートを楽しいと感じさせてくれるものへと立ち戻るシーズンなんだ」そう語るチャンが新しいフリーに選んだのは、ヴィヴァルディの「四季」。昔、彼をトップ選手へと押し上げた曲を、再び滑ることになる。

このヴィヴァルディの曲を使ったプログラムで、チャンは2008年のカナダ選手権を制した。キャリア初期で最高の結果となったこのタイトルで、彼はオリンピックの有力候補になった。2010年バンクバー五輪では5位に終わったが、今度のねらいは金メダルだ。

だが、ここ最近はフリー演技で苦しんでいる。直近の試合だった2013年世界選手権でも、フリー「ラ・ボエム」でミスや転倒をくりかえした。それでも、世界最高点の98.37を出したショートの貯金で、なんとか金メダルは守った。

そこでチャンは、ソチに向けてショートを持ち越し、フリーの精度を上げることに集中することにした。フリーは冒頭の大技――2つの4回転ジャンプから始まるプログラムだ。

「クワドを2本とも最初に持ってくるのがベストだろうと、僕らは考えたんだ。そうすれば後のステップのとき、いくらかリラックスしていられるからね。クワド2本が終われば、ジャンプのことを考えずに済むし、すぐに観客を惹きつけることができるから」

日曜の大会では、1本目の4回転には成功したが、2本目の着氷でつまずき、その後のトリプル・ループではあわや転倒しかけた。幸いなことに、今回は勝ち負けのつかない試合だった。チャンが新しいフリープログラムを公の場で初披露できるよう、運営側が大会のサプライズとしてチャンのエントリーを許可したからだ。

「いい出来ではなかったし、完ぺきでもなかった。でも、ソチに行くときに心地よいと思えているために、今しなきゃいけないことはできたと思う」初めてプログラムを試すにあたって、今回は最後まで滑りきることだけを望んでいたという。スコアは164。ソチでメダル争いをするにはまったく足りない点だ。

チャンによると、ヴィヴァルディは彼の初期の時代、2006年に亡くなった元コーチ、オズボーン・コルソンのもとで初めてこの曲を滑った時代を思い出させてくれる曲なのだという。「昔コルソン先生が僕にやらせた動きに似たちょっとした振付が、プログラム中にいくつも入っているんだ。それがこのプログラムの魅力なんだよ」

2006年以来コーチを何度も変えてきたチャンだが、初期の時代をふりかえって、そしてソチを見据えて、今度は5位よりもいい順位になれる自信があるそうだ。

「オリンピックの金メダル候補の筆頭は僕だと思ってる」と彼は言う。「アスリートとして僕は、ほんとにクレージーなほど変化し、進化してきたんだ。それらが全て、実を結ぼうとしている。トンネルの果てに光が見えてきたところなんだ」



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この初披露の動画をさっそくアップしてくださっている方が。up主様、ありがとうございます。



初見でまず思ってしまったのは「うーん、新鮮味がないかなあ」ということでした。ジャンプミスはまあ置いといて(それにしても後半はダブル、シングル祭りになっちゃってますね…そのわりに点は出てますが、むう…)、滑りはすばらしいものの、見たことのあるような振付も多いし、盛り上がりやキレに欠けるかなあと。昨シーズンのフリー「ラ・ボエム」が個人的に大好きだったこともあって、ドラマチックさを期待してしまっていたのかもしれません。
でも、この記事を読むと、パトリック自身このプログラムに強い思い入れがあるんですね。大好きだった恩師オズボーン・コルソンのもとで、スケートを純粋に楽しんでいた子供時代を思い出させてくれる――そんなプログラムのようです。
もっと完成させて、思い出をいつくしむように滑るようになったら、今とは見違えるようなプログラムになっているかもしれないな…ソチではそんなパトリックが見れるといいな、と思ってます!(しかし衣装はもうちょっと華やかにしてほしいぞ)

ところで、ノービス時代のパトリックがとってもカワイイ動画がありました。
短いですが、カート・ブラウニング、コルソン、ブライアン・オーサーというカナダのレジェンドたちにかわいがられるチビパト。

ちょっと聞き取りはあやふやですが、カート「君はスケーティングをちゃんと教わってる。ほとんどの人は3回転ジャンプを習ってからスケーティングを習うんだけどね」コルソン「そうじゃそうじゃ」オーサー「だから、ありがとうコルソン先生って言わなきゃだめだよ」パト「ありがとうコルソン先生」みたいなやりとりが超カワイイです(*^_^*)

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パトリック・チャン、「ラ・ボエム」と新プロ「四季」を語る @skatecanada
当ブログとしては異例の2日連続更新! しかも2日連続パトリックでございます(笑)
カナダスケート連盟のサイトに、今季の新フリー「四季」についてだけでなく、昨季の「ラ・ボエム」や去年からの環境の変化などについて、パトリック自身がたっぷり語っている記事が掲載されていました。(Hanaさん、教えていただきありがとうございます!)

元記事はこちら→Patrick Chan unleashes Vivaldi at Thornhill Summer Skate 8/19/2013



「パトリック・チャン、Thornhill Summer Skateでヴィヴァルディを初公開」

この夏、彼はコロラド・スプリングスで荷物をまとめ、デトロイトへと引っ越した。コーチのキャシー・ジョンソンと二人で、荷物をたっぷりつめこんだ2台の車――屋根の上には彼の自転車が積まれている――で小さなキャラバンを結成して、アメリカ中西部の大平原をえっちらおっちら走り抜けた。荷物をすべてほどき終えたのは8月も半ばになってからだった。チャンとジョンソンはこの移動を休暇旅行も兼ねさせることにしたのだ。通常なら2日で移動できるところを、途中でカンサス・シティやシカゴに立ち寄った。これはチャンにとって新しい始まりだった。これからはデトロイト・スケーティング・クラブのスケーターだ。

8月18日にトロント近郊で開催されたThornhill Summer Skateで、彼が初公開したオリンピック用プログラムは、新しいものであると同時に古いものでもあった。曲はヴィヴァルディの「四季」。チャンが2006-7シーズンの世界ジュニアで2位になったときに使った、華やかで豊かなイタリアバロック音楽の作品だ。2007-8シーズンには世界選手権デビューの際にこの曲をスウェーデンで再び使い、9位になった。このときの振付はローリー・ニコル。今回はデビッド・ウィルソンだ。

「ヴィヴァルディではいい結果をたくさん出してきたよ」とチャンは言う。「このプログラムを最後に滑ったとき、自分でわかっていたんだ。もう一度オリンピックで滑るんだろうなと」
プログラムのもともとのバージョンは、オズボーン・コルソンからチャンへの最後の贈り物だった。2006年に90歳で亡くなったコルソンは、コーチと振付師を兼ねるのが常だったが、2006-7シーズンには、フリーをローリー・ニコルに振付けてもらうよう初めてチャンに勧めたのだった。

つまり、ヴィヴァルディの新プログラムは、チャンにスケーティングスキルを教えたコルソンに捧げるものになる。チャンはこの新しいバージョンのことを「自分のGreatest Hits」[*ヒットメドレー、ぐらいの感じでしょうか]と呼んでいる。過去に使った曲の音色と主題を組み入れ、さらにずっと昔、コルソンが彼のために考案してくれた基本的な動きも入っているからだ。

「突拍子もないことをやるつもりはないんだ」とチャンは言った。「今シーズンは限界に挑むようなことはしない。今季はそれをやるべきシーズンじゃないんだ。今季は心地よいと思えるもの、スケートを楽ませてくれるもの、ベストなスケートをさせてくれるものへと立ち戻るシーズンだと思う」
曲を選んだのはチャンだ。彼は振付にも参加し、とりわけ以前のプログラムで気に入っていた振付のパターンや親しみのあるちょっとした動きを入れる役割を果たした。巧妙な細部の振付やターンや動きはたっぷり入っているが、いわば履き心地のいい靴のような感覚のプログラムなのだ。それでも高度なプログラムではあるため、ペース配分や自分に合うリズムをつかんでいかなくてはならない。



ショートは昨シーズンのものを持ち越すというが、これは当然だろう。ラフマニノフの「エレジー変ホ短調」を使ったショートでは、3月のカナダ・ロンドンでの世界選手権で98.37という世界最高点をたたきだした。今回Thornhillではショートは滑らず、フリーだけだった。早い時点で観客とジャッジの前で披露し、ソチ五輪にむけて勢いをつけるためだ。

今回の出場選手には復活してきた織田信成もおり(スタンディングオベーションを受け、優勝した)、まるでグランプリシリーズの試合に近い感覚だった、とチャンは言う。
そしてチャンが演技をおこなうと、客席を埋めた観客たちは、チャンの才能を見せつくすよう作られたプログラムの中で、彼の卓越したブレード使いを目撃することになった。完璧な演技ではなかった――3回転のジャンプのいくつかが2回転や1回転になった――が、チャンはフットワーク、スピン、つなぎをきちんと実行することだけを意図していた。チャンのパワーに見合うリンクはどこにもないのだろう、小さなホッケー用リンクではジャンプは壁ギリギリになってしまった。4回転ジャンプは2本決め、そのうち1本は3Tとのコンビネーション。今年は4回転への入りのパターンを変えて跳びやすくなったという。そう、ジョンソン・コーチによると、チャンにとって4回転はますます簡単なものになっているそうだ。

オリンピック用プログラムの初披露だけあって、心理的なプレッシャーはあった、とチャンは認めた。緊張していたし、みんなが気に入ってくれるか気になっていたという。それでも、自分が気に入っているのだから、みんなも気に入ってくれるはずだと思っていた。それはそのとおりだった。観客は彼にスタンディングオベーションを送った。

世界選手権ではミスを連発してフリーで2位に甘んじるなど、昨季は苦しんだシーズンだった。チャンは「実験的なシーズン」だったという。いつもは毎年新プロは1つだけだが、昨シーズンはジェフリー・バトルとデビッド・ウィルソンという2人の新しい振付師のもとで、プログラムを2本とも新しくした。ウィルソンがチャンのために初めて振付けたのが「ラ・ボエム」だったが、じつは苦闘していたんだと、チャンは今、認めている。
「ラ・ボエムは大好きだったよ。でも、それは僕じゃなかったんだ」
彼とウィルソンは去年はまだお互いのことがよくわかっていなかった。だが、今はわかり合っている。

チャンによると、ラ・ボエムは「やたら長く感じた。編曲のしかたもそうだし、ステップもいつもよりちょっと遅く感じた。最後のコレオシークエンスもそれほど速くノリのいいものだとは感じられなかった」という。今度の新しいプログラムでは、最後におこなう彼自慢のステップで、観客とジャッジを乗せ、そしておそらく彼自身も乗せていくものになるはずだ。

デトロイトでは穏やかで自由な気分で過ごしているという。リンクメイトには元全米チャンピオンのジェレミー・アボットやアリッサ・シズニー、同じカナダのエラッジ・バルデなどがいる。
「みんな、ものすごく仲良くやっているよ」とチャンは言う。「みんながお互いの役に立っているんだ。本当にそうなんだよ。僕ら全員が一緒に高め合っているんだ」
「お互いにいい刺激になっているよ。そして、エラッジとの練習でこんなに笑ったことは今までなかったよ」リンクメイトと一緒にディナーを食べに行ったり、ビデオゲームをすることもある。チャンはクラシックでビッグな「アメ車」が大好きという点でも、まさにぴったりの街にやってきたのだ。

シーズンでこれほど早く試合に出たことも、4回転ジャンプを決められたことも、今までなかったことだった。
「すべていい方向に進んでいるよ。トンネルの奥に光が見えてきたところなんだ」
彼は今、責任感を感じている。おそらくカナダ男子初の五輪金メダリストになることへの。




 いろいろ興味深いことは多いけれど、ファンにもファンじゃない人にも人気が高かった去年のフリー「ラ・ボエム」について語っているところが、個人的には特におもしろかったです。
「滑りにくかった」と言っているのは読んだことがあるんですが、冗長に感じていたんですね。ウィルソンともいまいち呼吸が合っていなかった模様。まあ、私はそれでも「ラ・ボエム」は大好きだったんですが、こうやって今振り返って分析できているということは、今年の新プロがよほどフィットしていて、ウィルソンともいい関係が築けている、ということなんでしょうね。
初見では「うーん」と思った「四季」ですが、動画を10回ほど(笑)見てみた結果、今はけっこうポテンシャルがあるプロなんじゃないか(上から目線ですみません…^^;)と感じています。ソチではどんな「作品」になるのか、本当に楽しみ!
…しかし、話は違いますが、ソチ五輪がほぼ確定している選手はしっかり行程が描けてうらやましいよなあ…。

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