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(遅ればせですが…)新シーズン開幕!& DOI行ってきました。
今月から新シーズンに入ったというのに、ごあいさつもなく、更新もできず。毎度遅ればせですみませんが……
ハッピー・ニュー・シーズン! 
とうとうオリンピック・イヤーが幕を開けましたね! 旧シーズン中は、こんなヘタレなブログにおつきあいいただき、誠にありがとうございました。今シーズンもこんな調子かと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m

さて、ドリーム・オン・アイス2013



今は安藤美姫選手のニュースでもちきりで、福岡ファンタジー・オン・アイスも近づいている中、今さら感たっぷりなんですが、行ってまいりました、ドリーム・オン・アイス2013!
私が観たのは2日目、6月29日(土)の昼公演。もう5日もたってしまい、早くも記憶が薄れつつあるのですが、自分の忘備録も兼ねまして、個人的に印象的だったプログラムをざっとまとめてみたいと思います。出演した選手全員ではありませんが、どうかあしからず。(曲名をクリックするとyou tubeに飛びます)


本田太一 Runaway Baby (EX)

トップバッターは、本田きょうだいの長男・太一くん。とにかくエンターテイナーっぷりがすごかったです。オープニング・ポーズからアリーナのお客さんに流し目送りまくり。ブルーノ・マーズが歌うノリノリの曲にのってステップを踏みつつ、観客を煽る煽る〜。スピンがほどけてしまうなど、ちょっぴりミスはあったものの、「僕を見てほしい!」という気持ちあふれる演技でした。


田中刑事 ドクトル・ジバゴ (フリー)

前半で一番スタオベが多かったのが、この刑事くんのジバゴ。振付は阿部奈々美さん。以前、新聞のインタビューで、刑事くん自身このプログラムについて、「奈々美先生は、僕に上質なエッジワークを要求しつつ、僕の動きが大きく見えるものを作ってくれる」なんて、ものすごく大人っぽいことを語っていましたが、まさにその言葉どおり、深いエッジのステップがすごく美しい演技でした!
クリーンな3A含め、ジャンプもなかなか好調そう。昨季は年末から怪我に苦しみ、世界ジュニアを欠場せざるをえませんでしたが、もう大丈夫そうでひと安心かな? なんといっても、腕の使い方を含め、体の動きのひとつひとつが以前よりも格段にきれいになっていることにびっくり。終盤はちょっとバテてしまったように見えたけど、これ、磨きをかけていったら傑作プロになるんじゃないでしょうかっ!?




宇野昌磨
 The Blessed Spirits (SP)

曲はシンガポール出身のバイオリニスト、ヴァネッサ・メイ。とても壮大な、やや重厚すぎる印象もあるバイオリン曲ですが、こんな曲を自分のものにして表現できる選手って、ジュニア男子では昌磨くん以外いないんじゃないでしょうか?
しかし何でしょうね、この音どりのよさ、そして表情の作り方のうまさったら。天性のものもあるんでしょうけど、本田太一くんと同じく、「自分を見てもらいたい」という強い意志を感じます。最近の日本男子の若手くんたちは、こういうタイプの選手が多くなりましたね〜。将来が楽しみです!




宮原知子
 Solace (EX)

昌磨くんと同じくヴァネッサ・メイの曲ですが、これも大人っぽい曲。このしっとりとした、情感あふれるバイオリンの調べにマッチした、とても素敵なプログラムでした。知子ちゃんのスケーティングってエッジが氷を削る音がほとんどしないんですよね。さらさらと滑らかなんだけど、軽すぎない重みもあって、うっとりと見とれてしまいました。3-3を含めジャンプも見た目完璧。なんだかエキシビションにしとくのがもったいないようなプログラムでした。



 
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カテゴリ:観戦・ショー・イベント | 17:11 | comments(16) | trackbacks(0) | - | - |
ドリーム・オン・アイス 2013 動画集
6月末に開催されたドリーム・オン・アイス2013
その放送動画をさっそく上げてくださっている方々が! すばやいアップ、本当にありがとうございます。
今後削除される可能性はあるものの、とりあえず今上がっている分だけ貼らせていただきたいと思います。(今後アップされるものがあれば追加するつもりです) すべての選手の動画がアップされましたので貼らせていただきます。感謝です!

テレビの収録があったのは、私が観戦記(と言えるような記事でもないんですが、原曲についてのリンクも掲載しましたので、よろしければどうぞ〜)を書いた6月29日の昼公演だったようです。(安藤選手の「アメージング・グレイス」だけは昼公演にはなかったものなので、同日の夜公演からの収録かもしれません)

オープニング


本田太一 EX「Runaway Baby」


加藤利緒菜 SP「Flower Duet」


田中刑事 フリー「ドクドル・ジバコ」


本郷理華 SP「ドン・キホーテ」


宇野昌磨 SP「The Blessed Spirits」


宮原知子 EX「Solace」


日野龍樹 フリー「ロミオとジュリエット」


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カテゴリ:観戦・ショー・イベント | 01:35 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
ロシアの反同性愛法が外国人にも…。ソチ五輪への影響は!?
2014年ソチ・オリンピックが開催されるロシアから、ちょっと気になるニュースが入ってきました。国内外の反対を押し切ってプーチン大統領が成立させた「反同性愛法」が、ロシアを訪れる外国人にも適用されることになったというのです…。

旅行サイトHuffPost Travelに7月11日付で掲載された、こちらの記事です。
Russia's Anti-Gay Law Will Impact Foreign Tourists, Possible Olympic Athletes



ロシアの「反同性愛法」、外国人観光客やオリンピック候補選手にまで影響

LGBT、つまりレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、そしてトランスジェンダー(性同一性障害やニューハーフなど)でロシアを訪れたいと考えている観光客にとっては、悪いニュースだ。ロシア国民に適用されている「同性愛プロパガンダ禁止法」の罰金や刑罰が、このほど外国人観光客にも適用されることになったからだ。

旅行サイト「Skift」の記事によると、6月30日にロシアのプーチン大統領の署名によって成立したこの新しい法律は、ロシア政府がゲイの(またはゲイ推進派の)外国人を逮捕し、最高14日間拘束した上で、ロシアから国外退去させることができる条項を含んでいる。

何をもって「ゲイ推進派」と見なすかについては、この法律の規定はあいまいだ。だが、カナダのサイト「Travel and Escape」は、同性愛を肯定するスピーチをおこなうこと、レインボーフラッグ(LGBTの社会運動の象徴として使われる7色の旗)をふること、同性のパートナー同士で手をつなぐことも禁止行為になるだろうとしている。

この動きが特に重要視されるのは、ロシアが今、2014年ソチ冬季五輪の開催にむけてギアを上げつつあるからだ。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のLGBT権利プログラムで活動する人権派弁護士ボリス・ディトリヒは、国際オリンピック委員会(IOC)のChristophe De Kepper理事に宛てた手紙の中で、次のように述べて、この法律を厳しく非難した。
「ヒューマン・ライツ・ウォッチの昔からの考え方からすると、差別や人権侵害が存在する場所でオリンピックを成功させることは不可能である。…この法律ではおそらく自分の性的指向を公の場で語ることさえも違法行為となり、これに違反したアスリートを含む外国人たちは、罰金、最高15日間の拘束、国外退去となる危険がある」
ディトリヒはさらに、「IOCが、オリンピックを開催する国々に対して人権の基準となる永続的なしくみを構築し、開催準備中および期間中の人権状況を監視する」よう求めている。

先月IOCは、ロシア政府の決定に反して、ソチ五輪の期間中にLGBTのアスリートを支援することを明言した。IOCは、LGBTのニュースサイト「Gay Star News」に対して、次のような声明を発表した。
「IOCは、五輪参加者が差別を受けぬよう徹底して関与していくことをあらためて表明したい。IOCは開かれた組織であり、どんな指向をもつアスリートであってもオリンピックに歓迎する」

この1年間、マドンナやレディガガをはじめとする多くの著名人が、窮地に立たされたロシアのLGBTコミュニティーへの賛同を表明して、議論を巻き起こしてきた。今月始めには、オスカー女優のティルダ・スウィントンがモスクワのクレムリンと聖ワシリイ大聖堂の前でレインボーフラッグをかかげた写真が、世界中のツイッターやFacebookなどのソーシャルメディアを駆け巡ったこともあった。



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この記事の下には、自らLGBTであることを公表している世界のアスリート30名が紹介されているんですが、その中の1人にジョニー・ウィアー選手も含まれています。

そのジョニーが、ツイッターでこんなつぶやきをしていました。
「ロシア・反同性愛法・僕について、僕にリプをくれ続けている人たちへ。来週木曜日、FCNPの次のコラムで、僕はそのことについて書くつもりだ。」

アメリカのソチ五輪代表に選ばれる可能性はかなり厳しくなってきたとはいえ、まだ夢をあきらめていないジョニー。そして、子供の頃からずっとロシアを愛し続けて、「第2の故郷」とまで言っているジョニーは、どんなことを語るんでしょうか。
記事がアップされましたら、できればぜひご紹介したいと思います。



JUGEMテーマ:フィギュアスケート
カテゴリ:北米男子 | 04:51 | comments(14) | trackbacks(1) | - | - |
アシュリー、新プロはピンク・フロイドとロミジュリ! Icenetworkインタビュー
全米女王、アシュリー・ワグナー選手の新プロ情報、来ましたね! 7月16日付の Icenetworkのインタビューで、新しいプログラムや今の練習環境についてたっぷりと語っています。

元記事はこちら。筆者はおなじみのLynn Rutherfordさん。→Wagner hopes to stage triple-triple at Olympics



「ワグナー、オリンピックで3-3を」

全米女王、新プログラムと、アルトゥニアン、ウィルソンについて語る

新プログラムの振付を終え、スケジュールもほぼ整ったというアシュリー・ワグナー。彼女は今、標高1600メートルを超える高地、カリフォルニア州レイクアローヘッドで、新コーチのラファエル・アルトゥニアンとともに、ソチを目指すレースに備えようとしている。

「ここのところ、ずっと移動続きだったの。カリフォルニアとカナダを行ったり来たりして、ショーにも出て」22歳のワグナーは言った。「やっと地元で練習に集中できるわ、ラフ(ラファエル)と一緒に」

ワグナーは6位となった2013年世界選手権以降、「Stars on Ice」のツアーでカナダを回った後、振付のため2度トロントを訪れた。1度目はデビッド・ウィルソン、2度目は今月始め、シェイリーン・ボーンに振付をしてもらうためだ。カナダ行きの合間にはソウルへ行き、キム・ヨナのショー「All That Skate」に出演したが、ここへ来て活動を調整することにした。今月末に開催される浅田真央のショー「The Ice」への出演を辞退したのだ。

「バランスをとった、と言えるかな。演技の練習はいつも欠かすことはできないわ、たとえショーであってもね。演技へのプレッシャーを感じる状況に自分を置くことは、常にいいことだと思っているわ」
「その上、人は誰でも生活費を稼がなくてはならない。それでもThe Iceを辞退せざるをえなかったのは、本拠地を離れている時間、練習できない時間があまりにも長すぎるから。でも、ノーと言うのはつらかったわ。ファンの前で演技ができるのは、いつもすばらしい経験だから」

軍人を父にもち、子供時代に何度も引っ越しを経験しているワグナーは、変化というものを恐れない。2011年にコーチをジョン・ニックスに変更した彼女は、拠点をワシントンDCからカリフォルニアのアリソ・ヴィエホに移した。ここでフィリップ・ミルズの振付を得て、2年連続で全米女王に。そのミルズと、この4月にたもとを分かつことを決定。その後まもなく、ニックスの半引退宣言によって、アルトゥニアンを彼女のチームに加える決断をすることになった。

「デビッド(・ウィルソン)に依頼したのは、彼なら今までの私とはまったく違う方向へ導いてくれると思ったから。コーチについては、自分には技術面に強い人が必要だとわかっていたの。だから、ラフがぴったりだったのよ」

Icenetwork.com(IN):80マイル(約128km)以上も離れた場所にいる2人のコーチにつくことで、スケジュールに影響はないんでしょうか?

ワグナー:そんなに大変でもないのよ。スケジュール的にはすっきりしてるわ。月曜から木曜まではレイクアローヘッドで(アルトゥニアンと)練習。その後、車で(アリソ・ヴィエホへ)行って、金曜日とほぼ毎週土曜日はニックス先生と練習。運転には長い時間がかかるけど、まあカリフォルニアではふつうのことだもの。

IN:一連のことについて、ニックス先生はどう考えているんですか?

ワグナー:喜んで受け入れてくれたわ。今回のことは、ほとんどニックス先生の事情が理由で決めたことだもの。もう遠征に同行しないと先生が言ったとき、私はすごく納得できたの。今年84歳になるし、1週間のうちに日本へ行ってまた戻ってくるのは彼には無理だもの。今回の私の決定については、すべて認めてくれているわ。[*1週間で日本…というのはジャパン・オープン出場→すぐにGPS初戦のスケート・アメリカへ、のことだと思われます]

IN:ラファエル・アルトゥニアンは技術的に優れていることで有名ですよね。それで彼に決めたのでしょうか?

ワグナー:ええ、もちろんよ。選手には感覚にたよってジャンプを跳ぶタイプと、技術に基づいて跳ぶタイプがいるの。私は昔から感覚で跳ぶほうだった。技術的なことをみっちり仕込んでくれる人には一度も教わったことがなかったの。
私の3-3(3F-3T)が安定していないことにはちゃんと理由がある。自分には技術的なコーチが必要だとわかっていたわ。それに、ラフと練習するのはすごく楽しいのよ。彼は知識がとても豊富。彼が言うことは、そばで聞いている人には何のことかわからないかもしれないけど、私にとってはすごく明確に頭に入ってくるの。

IN:ここ2シーズンはとても充実していましたよね。今の目標はオリンピックと世界選手権の表彰台ですよね。実現するためには何が必要でしょう? 3-3ですか?

ワグナー:まさにそう、それなのよね。すばらしいプログラムを作ってもらったし、スピンも向上したわ。3-3を跳べないことだけが私の足かせだと思うの。それとジャンプの質も向上させなきゃならないかしら。とにかく、安定して跳べるようになることね。

IN:リンクメートに仲良しのアダム・リッポンがいるというのは、(アルトゥニアンにつくようになったことの)うれしいおまけでしたね。

ワグナー:アダムと一緒に練習できるのはすごくうれしいわ。彼とは私が14歳か15歳ぐらいのころ、ほんとに大昔から兄のように仲良くしてるの。五輪シーズンには、カリカリしすぎてるよとか、落ち着けよとか言ってくれるような人が必要になる。その点、私にとってアダムは完璧な人よ。リンクにはネイサン・チェンもいるし。
アリソ・ヴィエホのリンクにいるのはほとんどペアの選手ばかりだから、高地(レイクアローヘット)へ行って、クワドやトリプルアクセルの練習をしている選手に会えるのはいいことだと思う。

IN:フリーはプロコフィエフ作曲の「ロミオとジュリエット」ですね。あなたとウィルソンがこの曲を選んだわけは?

ワグナー:彼が「ロミオとジュリエット」のこのバージョンを持ってきたんだけど、私は最初、「絶対だめ。私には無理」って言っちゃったの。でも、彼が絶対にこれがいいと言うので。カナダで彼と振付した1週間は、ものすごく努力をしたわ。結果はすばらしいものになった、私はそう思うわ。
デビッドは一緒に振付をしていて驚異的にクリエーティブな人なの。プログラムのいたるところに、常に目を引く動きがある。彼は私のスケートのレベルを引き上げてくれた気がするわ。曲の解釈、表現、表情をちょっとずつよくしてくれた。最終的に大きな違いを生むのは、こうした細かい部分なのよね。

IN:2シーズン前には「ブラック・スワン」を滑り、狂気をはらんだ主人公を演じましたね。その点、ジュリエットはソフトなキャラクターです。

ワグナー:(ジュリエットも)あれほどあっという間に深い恋に落ちてしまう人だもの、間違いなく少々クレージーだと思うわ。特にプロコフィエフのバージョンには、最愛の恋人の運命を知っていくジュリエットの緊張感と激情を感じるわ。それがよく伝わってくる音楽。間違いなく、クレージーな恋につきもののドラマチックさと激しさがある。
ここ最近私が滑ってきたものとはまったく異なるプログラムね。この2シーズンは強い女性を演じてきたわ。今シーズンは、音楽は力強く、ストーリー性もはっきりしているけれど、演じるキャラクターはまったく違うわ。
 
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カテゴリ:北米女子 | 12:52 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
ジョニー・ウィアー:ロシアの反同性愛法について 「僕は闘う」
先日の記事でご紹介した、ロシアの「同性愛プロパガンダ禁止法」
ツイッターで「僕の考えを書くよ」と言っていたジョニーが、約束どおりコラム記事を書いてくれました。これがとても痛切な、愛情と痛みに満ちた文章で…(;_;)
少し長いですが、わりとシンプルなわかりやすい英語で書いてくれています(きっと外国人、特にロシアの人にも読んでほしい、という気持ちなんだろうと思います…)ので、機会があればぜひ原文で読んでみてくださいね。
原文の素直な美しさを、私の訳では全然伝えきれていないのですが、ざっと訳してみました。

元記事はこちら→Johnny’s World: Russia JULY 18, 2013 By Johnny Weir

 
ジョニーの世界:ロシア

僕の29歳の誕生日にロシアで成立した「反ゲイ法」に対して、僕がどう思うのかたずねる質問やツイートを山のようにいただいた。このコラムはそれらへの返事として書くものだ。

僕がロシアの大ファンで、アメリカとロシアの関係をよくしたい、ロシアの民主国家としての成長を応援したいとおおっぴらに公言していることは、よく知られたことだと思う。以前からロシアのユニホームをプレゼントされることも多く、僕もずっとそれを愛用している。趣味でロシアの陶器やファベルジェ・エッグ(卵型の宝飾品)、赤の広場や聖ワシリィ大聖堂の写真を集めてもいるし、ロシア語の読み書きや会話もできる。子どものころからの夢は、モスクワに家を買うことだった。旧ソ連系の家に嫁いだし、理解力アップのためにケーブルテレビにロシア語チャンネルパックをつけている。1960〜70年代のアメリカなら、僕は間違いなく裏切り者かスパイとして逮捕されていただろう。

なぜロシアが大好きなのか、なぜこんなにロシアびいきなのか、数えきれないほど聞かれてきたけれど、正直言ってはっきりした理由はない。ロシア正教会のなめらかな曲線に雪が降り積もる様子、上流階級のゴージャスさ、おとぎ話や昔から伝わる与太話、世代を超えて伝承されてきた歴史物語、ロシアの言葉、食事…そうしたものすべてが、自分の母国から遠くかけ離れた国に対する、僕のあこがれの一部なのだ。夫のVictor Weir-Voronovとの結婚によって途中で名前が変わった2冊のパスポートには、25を超えるロシアのビザが押されている。このいかにもスラブ風の名字(Voronov)を自分の名前に入れたのは、夫の家族とそのバックグラウンドへの尊敬の気持ちからだ。

今でもしょっちゅう気になるのは、人々が抱いているロシアへの恐怖感だ。アメリカ映画ではなぜロシア人はいつも悪役なんだろう。「ロシア好き」イコール「ロシア政府も好き」と思われるのはなぜだろう。ロシアが好きと言うと、プーチンやフルシチョフ、メドベージェフ、エリツィン、スターリン、レーニン、KGB、共産党まですべて好きだと見なされる国なんて、世界でもロシアぐらいだろう。僕らの多くはアメリカは好きだけどブッシュは嫌いじゃなかったっけ? イタリア旅行が大好きなたくさんの観光客は、「イタリアへ行くなんて変だ、ムッソリーニのファンってことでしょ?」と言われたりするだろうか? どこかの場所が好きというのは、単純にそこが好きということでしかない。政府や政治家を愛したり支持したりするのとはまったく別の愛だ。僕はロシアという国を愛している。その愛にロシア政府はまったく関係ない。

僕は何度もロシアで演技してきた。通りを歩いたり、赤の広場で夫とキスもした。けばけばしい衣装も着たし、ロシアのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の人たちや支援グループに会ったこともある。ロシアには僕のファンがたくさんいて、僕がクラシック音楽や、ゲイ・アイコンとして愛されているレディーガガの曲で演技をすると、近しい人間に対するような、いやむしろ地元のヒーローに向けられるような、温かい応援をいつも受けてきた。理屈からすれば、これらの行為はすべて違法だ。僕は犯罪者になる。

今後二度とロシア政府のビザを発給してもらえないかもしれないこと。自分の子どもを大好きな場所へ連れていくことは永遠にできないかもしれないこと。そしてもちろん、自分が公の場ではずかしめを受け、殴られ、逮捕され、刑罰を科され、国外追放されるかもしれないという事実は、大変なショックだ。この法律のせいで、僕は来年2月のオリンピックのためにロシアに安全に入国することができなくなるかもしれないし、将来僕の友人でありアイドルでもあるエフゲニー・プルシェンコが開催するツアーに出演できない可能性もある。ロシアに住んでいる友人の子供たちに会うこともかなわず、二度とロシア国内で仕事ができなくなるかもしれない。ロシアにいるすばらしいファンたちのことを考えると、胸が張り裂けそうだ。初期のころからずっと応援してくれたファンたち。二度とその前で演技を披露することができないかもしれないファンたち。そして特に、ほんのわずかな違いがあっても僕と同じように生まれついた兄弟や姉妹たちのことが、心配でならない。[←ロシア国内のLGBTの人たちのことを指していると思われます。「ほんのわずかな違い」は、指向の違いや国籍の違いを意味しているんでしょうか…]

心は痛むけれど、僕はロシアへ行く権利を勝ち取るために闘おうと思う。ロシアで演技をするために闘う。僕らのコミュニティーがどんなに強いか、ロシア政府に見せてやるために闘う。胸をはってロシアへ行き――神様のおぼしめしがあれば、何とか隙をついてビザをもらえるかも――堂々と上を向いて歩いてやる。もし逮捕されるなら、僕は僕自身であるという誇りをもって逮捕されてやる。けっしてひるまず、僕が「兄弟」と呼ぶことができる美しい人々が集う虐げられたコミュニティーのために、僕は強くなる。ロシア政府のためではなく、ロシアという国のために強くなる。

差別とは、無知な人々の目を盗んでおこなわれるもの。憎しみは自分ではなく他者によって抱くようになってしまうもの。どんな代償を払ったとしても、人生は生きる価値のある贈り物だ。ロシアの友人たちが、いつの日かみんな自由になれるよう、祈ろう。




JUGEMテーマ:フィギュアスケート
カテゴリ:北米男子 | 11:14 | comments(24) | trackbacks(2) | - | - |
オーサー、クリケット組の3弟子、ユヅ、ハビ、ナムの現況を語る
トップ選手の新プログラムがつぎつぎと明らかになってきた中、ひときわ目立っているのがデビッド・ウィルソンが振付にかかわっている(と思われる)選手たちの情報のなさ!
クリケット組の羽生くんやフェルナンデスくんのほか、ショート・フリーともにウィルソン振付と思われるキム・ヨナ、新フリーはウィルソンと以前から言われているパトリック・チャンといった選手がそろいもそろって…。
先日アシュリーがやっとウィルソン振付のフリーの曲を明らかにしましたが、みんないったいいつ、どういうふうに発表するの?と、すごーく気になっていたんですが。
そんなとき、Icenetworkにクリケット組の情報が!というので見に行ってみると、結局「今はまだ秘密よ〜★」という内容でした(ガックリ)。でも、各選手の今の状況が少しだけわかる記事になっていますので、その部分だけざっと訳してみたいと思います。
7月27日にアップされたSkate Detroitについての記事の後半の「Orser's stars on the right track」という部分です。

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「オーサー門下のスターたち、順調」


ブライアン・オーサーは教え子たちとともにデトロイトに来ている。教え子のひとり、2011年カナダ・ジュニアチャンピオンのナム・ニューエンは、快活なDave Brubeckのジャズにのせて、デビッド・ウィルソン振付のショートプログラムですばらしい演技を披露した。

15歳のナムはトリプル・アクセルを着氷したが、ダウングレード判定となった。3Tと3Lz-3Tはしっかりまとめた。PCSで点を伸ばし、ショートは63.39で6位につけた。

「ナムはまだトリプル・アクセルを習得中なんだ。クリーンに跳べるようになれば、このプログラムですばらしい点が出るようになるだろう」とオーサーは言った。「彼は最近、すごく背が伸びてるんだ。この1年半で8インチ(約20センチ)も伸びたよ」

ナムがトロント・クリケット・クラブで、ハビエル・フェルナンデス、羽生結弦というビッグスター2人と一緒に練習できていることは、彼のためになっているとオーサーは考えている。

「彼にとってはすばらしいことだよ。7月第1週に日本で、ユヅが主な出演者であるショーに彼が出演する機会があったんだ。僕はデビッド・ウィルソンと共同でそのショーのオープニングとフィナーレを手がけたんだけど、その条件にナムとハビが出演することも含まれていたんだ。2人を彼らだけで(カナダに)置いておきたくなかったからね」

結果として、ショーの主催者は苦もなくフェルナンデスを出演者に加えることができた。世界選手権でスペインのフィギュア史上初メダルとなる銅メダルを獲得した、この人気者のスケーターは、今年のオフシーズンはショー出演で多忙なスケジュールをこなしている。これは彼の調子を維持するのに役立っていると、オーサーは考えている。

「これがもし違う選手だったら、きっと心配していたと思うよ。でも彼の場合は、スケートをし続けるいい機会になっているんだ。彼は(ショーで)チャップリンのプログラムの4分間バージョンを滑っている。つまり、ほぼフルの通し練習をやっているようなものさ。その上、(ショーでは)毎日トップ選手たちと一緒に練習しているから、お互い競争心も強くなるしね」

フェルナンデスの新プログラムは、ショート・フリーともにウィルソン振付で、もう完成しているが、オーサーはまだ曲名を明らかにはしない方針だ。

「彼は10月始めのジャパン・オープンに出る。そこで滑るのはフリーだけだから、とりあえずショートのほうにより時間をかけて磨いていくことになるだろう」

すでに4Tと4Sの達人であるフェルナンデスは、クワドをもう1種類増やすことをよく口にしてきた。

「クワド・ループはもう射程圏内にあるよ。残りの夏の間、どのくらいマスターできるか様子見だね」

2013年世界選手権で4位だった18歳の羽生は、あるショーでのアンコールで、4Tのあとにトリプル・アクセルを数個つけて――オーサーが数えたところ4つだったという――スケート界を騒然とさせた。

「あれは正気の沙汰じゃなかったよ」とオーサーは言う。「彼はいい調子で来ているし、とてもいいスケートをしている。日本で浅田真央のショーへ招かれたんだが、辞退せざるをえなかったんだ」

日本のスター、羽生の新プログラム――ショートはジェフリー・バトル振付、フリーはウィルソン振付――はもう決まっているが、オーサーは曲名については口をつぐんでいる。

「今はユヅのつなぎのスケーティング・スキルを集中して練習しているところだよ」

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 ええと、つまり、「今はまだ言わないよ〜ん」ということで、これは五輪シーズンに向けてのオーサー&ウィルソンの戦略なんでしょうね。(うわーん、やきもき…)
おもしろいのは、羽生くんに対してはショー出演を制限し、ハビくんにはいい練習になるからバンバン出させる、というところ。2人の体力や体調、メンタルなどの違いを考慮して、なんでしょうかね。ふーむ、なるほど〜。

羽生くんの「4Tのあとにトリプル・アクセルを数個」というのは、ファンタジー・オン・アイス福岡で跳んだ超変態シーケンスのことですね! 目撃された方々のレポでは4T-3A-3A-3A-1Aだったそうですが、オーサーはトリプル・アクセル4つと認識している模様。「あれはinsaneだった」というオーサーの得意げな笑顔が浮かびます(笑)

ところで、1年半で20センチも背が伸びている(もうちびっこスケーターじゃない!?)というナムくんですが、上にあるDave BrubeckのジャズのSPというのは、今年(昨シーズン)のカナダ選手権から新しくした、こちらのプログラムのことだと思われます。(練習の動画しかないのが残念ですけど)
曲は、小塚くんが今季のSPで使っている「Unsquare dance」。背が伸びて、3Aが入れば印象もずいぶん違ってくるはず。今季のナムくんもすごく楽しみです!



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カテゴリ:羽生結弦 | 03:48 | comments(14) | trackbacks(0) | - | - |
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