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織田信成、ネーベルホルン杯優勝!
オンドレイ・ネペラにフィンランディア杯にJPGクロアチア、日本ではMWOにJOにCaOI…。スケートイベントが目白押しの、まさに怒涛の今週末が近づいてきているっていうのに、まだネーベルかい!! という感じですね、すみません。
すっかり出遅れてしまいましたが、やっぱりこれは外すわけにはいかない!ということで、遅ればせですが…

織田くん、お帰りなさい!!! 復帰戦優勝おめでとう!!!!


殿ーっ!!! いい笑顔ですね。(ネーベルホルン杯のリザルトページは→こちら

goldenskateではおなじみのフィギュアライター、タチアナ・フレイドさんが、この大会のまとめ記事を書いていらっしゃいました(9月30日付)。ここから織田くんにかかわる箇所だけ抜いてみたいと思います。
元記事はこちら→2012 Nebelhorn Trophy by Tatjana Flade

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2012年9月27-29日、ドイツ・オーベルストドルフの Eislaufzentrum Oberstdorfで、第44回ネーベルホルン杯が開催された。毎年開かれている国際シニア大会であり、31の国からおよそ100人/組のスケーターが男子、女子、ペア、アイスダンスに出場した。

【男子】 日本の織田信成には朝飯前だった。織田は2位に20点以上もの大差をつけて、圧勝の金メダルだった。銀はロシアのコンスタンチン・メンショフ、銅はアメリカのキーガン・メッシング。

【SP】 怪我による長期休養明けの復活を、織田は勝利で祝った。4Tでは転倒したが、すぐに立て直して大きな3Aと3F-3Tを着氷。SPの音楽はKamenの「The New Moon in the Old Arm’s Moon」。すべてのスピンでレベル4を取り、79.64(技術点42.86 構成点37.78)をマークした。

「この大会に出るのをとても楽しみにしていました。4Tについては緊張してましたけどね」25歳の織田はそう言った。「でも、技術的にはずいぶんよくなっていると思います」
昨年11月のGPフランス大会後、ひざの故障から回復するまで3か月にわたって休養を余儀なくされた。
「ひざは腫れていました。手術の必要はなかったけれど、治るまで時間をかけて待っていなくてはなりませんでした」

【フリー】 織田は新しいフリープログラム(音楽は「魔法使いの弟子」サウンドトラック)を初披露した。4Tはステップアウトだったが、2つの3Aと、両腕を頭の上にあげるループを含む5つの三回転ジャンプを次々ときめた。目立ったジャンプミスは1回転になってしまったフリップだけだった。2つのスピンでレベル4、ステップとチェンジフット・キャメル・スピンではレベル2。153.69 (技術点75.25 構成点78.44)でフリー首位。総合233.33で優勝した。

「小さなミスをたくさんしてしまったので、自分の演技には満足してません。でも、トップ選手たちと戦える場所に戻ってこれてうれしいです。(GPSは)カナダ大会とロシア大会に出場します。表彰台に上がって、ソチで開かれるファイナルに進出できることを目標にしています」



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ライターのタチアナさん、なんと現地で各選手の動画を撮影してYoutubeにあげてくださっています。すばらしい!ありがとうございますー。ではさっそく織田くんのSPを。



SPはもう1本、トム・ディクソン振付のがあったそうですが、結局こちらのローリー・ニコル振付のほうを選んだのですね。曲は「The New Moon in the Old Arm’s Moon」。
最初の4Tはもう少しで成功でした、惜しかった!でもそのあとはほぼ完璧。スピード感すごいし、スピンはやっぱりうまい!壮大な曲にのって、体全体を使った大きな振りがいいですねー。(ハイキックは絶対使ってくるのね、ローリーw)
珍しくフリルふりふりな衣装ですが、織田くんが着ると女性的にはならず、なんとなく森の妖精みたい。


織田くんフリー(こちらはpianomaya65さんという方の撮影。感謝します!)


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カテゴリ:織田信成 | 13:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
オンドレイ・ネペラ杯&JGPクロアチア大会 男子SP結果
スケートイベント目白押しの、怒涛の週末が始まりました!
まずは昨日開幕したオンドレイ・ネペラ杯JGPクロアチア大会、いつもながら男子に極端に偏っている当ブログゆえ(申し訳ないです…)、ここまでの男子SPの結果と動画をご紹介したいと思います。

オンドレイ・ネペラ杯(スロバキア)

町田樹くんが個性的なプログラムで完璧な演技を披露して首位に立ちました!(男子SPリザルト→こちら プロトコル→こちら



さっそく動画を撮影&アップしてくださったdiodio0013様、どうもありがとうございます〜m(__)m

1 町田 樹(日本)


↓pianomaya65様撮影の別バージョンの動画も!どうもありがとうございます。


曲はC2Cというグループの「F・U・Y・A」(曲のPVはこちら)。振付はステファン・ランビエール。和風テクノポップというか、かなり不思議な曲なのでどんなプログラムになるんだろうと思っていたんですが…いいですね!キレのある踊りがうまい町田くんに、すごくはまってる!完璧な3Aをはじめ、ジャンプはほぼクリーン(エッジエラーはついてしまったけれど)。なんといっても町田くんの真骨頂、ステップがすばらしいです(レベル4)。最後のキャッチフットスピンがちょい惜しかったけれど、すばらしい演技でした。それに、なんだか町田くん、堂々とした風格がついてきましたね!

2 トマシュ・ベルネル(チェコ)


3 村上大介(日本)


6 ケビン・レイノルズ(カナダ)

去年から持越しのこのSP、大好きなプログラムなのでよい演技が見たかったのですが…ジャンプが3本とも乱れてしまい、コンボも入らず…技術点が20.08しか取れませんでした。うーん、きびしいなあ。フリーでは気合でジャンプを決めてほしいです!がんばれ、ケビン!

ちなみに、女子では西野友毬さんがSP4位につけていますね!


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JGPクロアチア大会

ジュニア・グランプリ第6戦となるクロアチア大会。なんといっても、今大会の注目は、222.45という驚異的なスコアで昨年の世界ジュニアを制した中国の神童ハン・ヤンと、222.00とこれまた驚異的なスコアでジュニアデビュー戦を飾ったアメリカの天才ネイサン・チェンの直接対決だったわけですが…。
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カテゴリ:2012-13シーズン | 10:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
すみません…m(__)m
すみません、今日はおわびです。

スケートイベントが重なりまくっているこの週末…その上今日は私自身、JOとCaOI観戦予定なため、今日の記事更新はやはりムリでした。申し訳ありませんですm(__)m
落ち着いたらゆっくり各イベントを記事にしていこうと思っています(できるのか…)

とりあえず、ショックなニュースだけ。

JPGクロアチアに出場していたアメリカのネイサン・チェンくんが、ケガのためフリーを棄権してしまったそうです。

icenetworkのこちらの記事によると、lower leg(膝から下?)のケガだそうです。故障したのが大会前だったのか大会中なのかは不明。これでジュニアグランプリファイナル進出はなくなりました。また、2008年12月の全米ノービス優勝から続いていた連勝記録もとだえてしまうことになるんでしょうね。
いろいろな意味で残念ですが、今はゆっくり休んで全米ジュニアに向けて準備をととのえてほしいと思います!

今日はおわびのみにて失礼します。ではJO行ってきまーす!

JUGEMテーマ:フィギュアスケート
カテゴリ:2012-13シーズン | 08:37 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
今さらですが…ジャパン・オープン男子感想
すっかり出遅れてしまいました。せっかくここへ来てくださった方には、ろくに更新もできていなくて申し訳ありません。新情報をタイムリーに追うのは私には無理なんですぅー(;_;)

というわけで、遅ればせながらジャパン・オープン2012です!!



いやあ、いろいろ見どころ十分で、しかもわが日本チームが勝利して、ほんとに楽しい大会でした。ラッキーなことに私、会場で観戦することができましたので、今回は男子について、ちょこっと感想を書いてみたいと思います。では、みなさんとっくにご存知でしょうけど、まずは結果から。

優勝 日本チーム  2位 北米チーム   3位 ヨーロッパチーム




JOプロトコル →男子

さっそく動画をあげてくださっている方がいらっしゃるので(動画主さま、本当にありがとうございますm(__)m)、1位からいってみようと思います。

男子1位 高橋大輔(日本)




シェイ=リーン・ボーン振付「道化師」。フレンズが終わってから振付したとは思えないほどの完成度! ジャンプも好調そうで、シーズン序盤なのに半端じゃない仕上がり具合……ではあるんですが、正直に書いてもいいですか?
「も、物足りない!!」(気を悪くされた方がいたらごめんなさい!変な悪意とかはみじんもありませんので、念のため)
いえ、ふつうにすばらしいプログラムだとは思うんですよ。昨季のエロさ爆発のブルースとは路線も表現も違うこともわかっています。でも、特に後半の3Sあたりからコリオシークエンス〜ラストにかけて、曲が一番盛り上がっていく部分で、「もっと圧倒して!もっと泣かせて!」と思ってしまうのは、大輔さんへの期待値が高くなりすぎちゃってるからでしょうか? うー。
でも、ふつうの選手なら100%に近い完成度かもしれませんが、大輔さんにとってはまだまだ3、4割なんじゃないかな、という気がしています。今後、進化、深化して、過剰なほど情感あふれるプロにしてくれるんではないか、勝手にものすごく期待しています!
衣装については、最初に見たときはもろにモロゾフ路線なので度胆を抜かれましたが、スタイリッシュさをそこなわずなおかつ道化師っぽくて、演技が始まってみるとすごくいいと思いました!


男子2位 小塚崇彦(日本)




マリナ・ズエワ振付サン・サーンスの「ロンド・カプリチオーゾ」。なんと前日夕方まで曲が判明しなかったという謎のプロでしたが……おお、これはいいですね! はい、何より聞いていて、見ていて、とっても気持ちのいいプログラムだと思います。
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カテゴリ:観戦・ショー・イベント | 07:19 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
2012フィンランディア杯男子 goldenskateより +動画
週末に全然更新できず、どうしたものかと頭をかかえていたら…goldenskateに、フィンランド杯についてのすごく充実したまとめ記事がアップされました!ありがたい!なので、これに頼ってしまいたいと思います!
これがまたものすごく長文で…。(筆者はおなじみのタチアナ・フレイドさん。ほんとにすばらしいですね、タチアナさん)
まずは男子についての部分だけ、訳してみました。

元記事はこちら→2012 Finlandia Trophy  October 8, 2012 - by Tatjana Flade



「2012年フィンランディア・トロフィー」

10月5日〜7日、第17回フィンランディア杯がフィンランド、エスポーのバロナ・アリーナで開催された。これは年1回おこなわれる国際シニア大会で、男子、女子、アイスダンス、シンクロナイズドスケーティングの4つのカテゴリーを15か国からやってきた選手たちが競い合った。
男子では羽生結弦(日本)が248.13をマークして、2位のリチャード・ドーンブッシュ(アメリカ)の239.99に大差をつけ、圧勝した。ショート1位だったハビエル・フェルナンデス(スペイン)は235.20で3位だった。

◆ショートプログラム

昨季のブランプリ・ファイナル銅メダリストのフェルナンデスは、SP「マスク・オブ・ゾロ」サウンドトラックで力強い演技を披露し、首位に立った。4T、3A、3Lz-2Tをきめ、フライング・アップライト・スピンでレベル4を獲得。80.77(技術点42.03、構成点38.74)をマークした。
「今シーズン最初の試合でいい演技ができました」21歳のフェルナンデスは言った。「自分の悪いところを見つけるために出場しました。フリーでは4回転を3つ跳ぶつもりで、これが今回、新しくしたところです。他のエレメンツは昨季とほとんど同じです」
 
羽生は4回転で転倒し、回転不足をとられた。3Aの着氷もつまりぎみだった。だが3Lz-2Tをきめ、二つのスピンでレベル4を獲得。75.57(技術点37.97、構成点38.60)をマークした。
「4回転は失敗してしまいましたが、全体的にはまあまあだったかな」2012年世界選手権銀メダリストの羽生は言った。「明日に集中したいと思います」
羽生は、カナダに拠点を移したことがプラスになっていると、英語で語った。今はそこでブライアン・オーサーの指導のもと、フェルナンデスとともに練習している。
 「練習はすべて、とてもエキサイティングです。でも、時々(練習に)集中できないことがあります。ハビエルとの会話はすべて英語なので。僕も英語を勉強しなくちゃならないですね」

ドーンブッシュは予定していた4Tが3回転になった上にステップアウトしてしまった。しかし、立て直してきれいな3Aと3Lz-2Tを着氷。しっかりしたスピンとフットワークを見せて、U2の「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」を滑りきった。2010-11ジュニア・グランプリ・ファイナル金メダリストのドーンブッシュは、71.19(技術点35.56、構成点35.63)で3位につけた。
「最初の失敗のあと、プログラムをしっかり立て直すことができて、とても満足しています」と彼は言った。「4回転を跳びたかったけれど失敗してしまったため、その後の構成を変えなくてはならなかったんです。フリーでは、その時の調子にもよりますが、2本の4回転を予定しています」
 
アメリカのジョニー・ウィアーは、ファンが待ちこがれていた復帰を、この大会で果たした。SPはレディー・ガガの「ポーカー・フェイス」。最初の4Tは着氷が乱れ、ダウングレードを取られた。緊張した表情だったが、3Aと3Lz-2Tをきめ、フライング・キャメル・スピンでレベル4を獲得。全体的にはややスピードに欠ける印象だったが、この楽しいプログラムに乗って滑るウィアーのあらゆる動きに、観客は歓声をあげていた。69.03(技術点31.94、構成点37.09)で4位。
「まずは復帰の第一歩を終えることができてよかった」28歳のウィアーは言った。「今日は一日、とても難しかったんだ。緊張して、震えていたよ」
「自分で何をどうすればいいのか、わからなくなっていた。プログラムでやらなくちゃならないこと、(コーチの)ガリーナ・ズミエフスカヤにあれをしなさい、これをしなさいと言われたこと全部、何もかも氷の上で思い出せなくなってしまったんだ。すばらしい演技ではなかったけれど、とてもいい第一歩になったよ。自分を恥じることもないし、怒りを感じることも何もないと思う」
 
ロシアのザン・ブッシュは4Tで激しく転倒したが、3Aを着氷し、69.01で5位につけた。ファンに人気のウズベキスタンのミーシャ・ジーは、3F-3Tと3Lzをきめたが、3Aで転倒。61.32で6位だった。








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カテゴリ:羽生結弦 | 13:24 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
ジョニー・ウィアー Goldenskate ロングインタビュー
カムバック宣言から、フィンランディア杯でみごと現役スケーターにかえり咲いたジョニー・ウィアー。残念ながら4位という結果でしたが、おなじみのフィギュアライター、タチアナ・フレイドさんが試合後のジョニーにロングインタビューをおこなっています。これがまたまた非常に中身が濃くて…(タチアナさん、ほんとにエネルギッシュですね!)
かーなーりの長文になりますが、訳してみましたのでどうぞ!

 

「ウィアー、“お馬さんショー”復帰へ」
(お馬さんショーとは何かって?それは読んでのお楽しみ…)


今年2月にジョニー・ウィアー(アメリカ)が現役復帰を宣言したとき、多くの人が、どうせ自己PRのためのスタンドプレーだろうと思っていた。ソチ五輪のプレシーズンとなる今年はカムバック宣言があいついでいるが、実際にはどうなるのか、ファンはいつもどおりシーズンが進むまで待っていなければならない。安藤美姫(日本)はごく最近GPシリーズの欠場を決めたし、エヴァン・ライサチェク(アメリカ)も怪我のためスケート・アメリカを棄権することになった。エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)はヨーロッパ選手権に専念するため意図的にGPシリーズへの出場を見送った。

過去3度全米王者に輝いたウィアーは、2010年バンクーバー五輪後に現役を退いて以降、、アイスショーや芸能関係のイベントに出たり、歌手デビューしたり、本を出版したり、結婚したりと、多忙な日々を送ってきた。そんな生活に比べたら、過酷な練習の日々に戻ることは、必ずしも魅力的ではないはずだ。ウィアー本人でさえ、最初は現役復帰を考えることなど想像すらしなかったという。

「バンクーバーの後、競技スケートはもう1分たりともやりたくなかったんだ」彼はそう打ち明けた。「でも、家で料理する生活を2年もやったら、どんなことだって起こりうる。オリンピック以降の2年半に自分がやったことはすべてすばらしいことばかりだったけど、選手として競技すること、それが自分に与えてくれるものというのは、ほかには比べようのないものなんだ」

そのとおり、ウィアーは復帰を果たした。今月上旬の2012年フィンランド杯に出場したのだ。やや精彩を欠き、4位に終わったが、キャリアで初めてショートとフリーの両方で4回転に挑んだ。

「ずいぶん久しぶりだったよ。競技用の照明に照らされたリンクに立って、“アメリカ合衆国、ジョニー・ウィアー選手”というアナウンスを聞いたのは。ずいぶん長いことなかったことだったからね。圧倒された。強烈だったな」

「バンクーバー以降、僕は悠々自適だった」28歳のウィアーは冗談めかして言った。「スケート以外の仕事に打ちこんで、そんな生活を心から楽しんでいた。でも、フィギュアスケートに勝るものはないんだよね――強い決意とモチベーション、過酷すぎるほどの練習。シーズンインに備えるために、体重を8.5キロも落としたんだ。大変だったよ」

ウィアーはすすんでメディアに話をし、大会の直前でさえリラックスしているように見えたが、試合本番では緊張にさいなまれた。
 
「自分で思っていたよりもっとずっと緊張してしまったよ」2008年世界選手権銅メダリストは打ち明けた。「僕は緊張してても集中は失わないんだ。緊張しているときは、怒っているような顔がしやすくすなる。[←攻撃的、威嚇的な表情というニュアンスだと思います] そんな顔をしていれば周囲に緊張を悟られないからね。でも(この試合のときは)脚がガチガチになってしまった。現役の場に戻ってくるのは、おそらく今までのキャリアで一番困難なことだったと思うよ」

それでも、後悔はないという。
 
「わかってるんだ。僕が最初に復帰を宣言したとき、多くの人はこんな感じだったよね。“なんで復帰なんかするんだ? 何のためだろう? 宣伝のため? ほかのアメリカ人選手たちのように、復帰する復帰すると言ってばかりで結局しないんじゃないか?” だから、自分がファンやスタッフたちとの約束を守ってスケートすることができて、自分ですごく誇りに思っているよ」
 
結局フィンランドでは大満足の演技はできなかったが、第一歩を踏み出せたことがとてもうれしいという。

「(フリーの)プログラムを滑り終わったとき、僕はすごく興奮していた。観客も興奮していた。ボロボロじゃない、まあまあの演技ができたからね」ウィアーはさらに言った。「僕はみんなに感心してほしかったんだ。ただ復帰しただけでなく、すごいと思ってほしかった。その目標が果たせたかどうかはわからないけど、自分のためになることはたくさんしたよ。この大会では両方のプログラムで4回転にチャレンジすることができた、ダウングレードになろうがなるまいがね。とにかく、僕は4回転を跳んだんだ。プログラム後半に3Aをコンビネーションで跳ぶこともできた。いい面も悪い面も両方あったね」

「正直、この2年半の間に、現役の緊張状態に戻りたいと思ったことはないよ。演技するときやショーに出るときは、今でもまだ緊張するんだ。ごく自然なことだよね。緊張しないということは、そのことを大事に思っていないってことだから。でも、試合にのぞむこの緊張感というのは、いくら小さな大会であっても、ひどいもんだよ。世界で一番いやな気分だし、正直まっぴらごめんだよ。でも、僕はそこへ自分を置いて、向き合わざるをえなかった」

「全体的には、僕はこの大会からポジティブなエネルギーをもらえたと思う」彼はそう言ってから、プルシェンコが2010年と2012年のヨーロッパ選手権でみごとな復帰劇を見せたことについて語った。

「僕はジェーニャ・プルシェンコじゃない。復帰していきなりロシア選手権やヨーロッパ選手権で勝つなんて、僕にはできない。彼と同じ戦い方は 僕にはできないよ。僕には彼とは違う魂があり、エネルギーがあるんだから。もちろん彼がやってきたことはすごいと思う。でも僕の場合は、(復帰は)もっとゆっくりしたペースになるだろうね」
 
ウィアーは冷静だった。フィンランディア杯に出るにあたって、完璧な結果になるだろうとは思っていなかったという。
 
「もう一度試合に出て、みんなに示したかったんだ。ごまかしやトリックなどではなく、僕は本当にまだスケートをしているってことを。僕は本当に戻ってきた。本当に現役として戦う用意ができている。僕の演技や成功したジャンプ、失敗したジャンプについて、人がどう言おうがどうでもいいんだ。大切なのは、みんなの話のネタができたってこと。僕は約束どおりのことをしたんだ。つまり、ファンのために戻ってくるってことをね」
 
実際に、アメリカや日本、ロシアから多くのファンが、ウィアーを見るためにフィンランドにやってきていた。
 
「うれしかったな。ショートでもフリーでも、滑り終わったら観客からあんなリアクションがもらえたなんて。観客の多くが遠くから来てくれた僕のファンだったけど、僕の復帰を知って応援しようとしてくれたフィンランドのスケートファンもたくさんいた。ロシアやアメリカやフィンランドの国旗が振られているのを見るのは、すばらしい気分だったよ。みんな僕をリスペクトしてくれたし、僕がすぐに完璧なスケートができるわけじゃないこと、僕にはまだ課題があることを理解してくれた。そう、観客はそれをわかってくれていた。それが一番うれしいんだ」

復帰を宣言した当初は、それが何を意味しているのか、ウィアー本人でさえちゃんとはわかっていなかったという。
 
「宣言したのは2月だったけど、“よし、これは現実だ。自分は本当にやるんだ” と認識するまでしばらくかかったよ。たぶん初めてプログラムの通し練習をした6月になって、ようやく認識できたと思う。自分は本当に競技に復帰するんだってね」
 
復帰のプランについては、家族やコーチ、夫、少数の友人などに相談していた。
 
「僕にはごく限られた、親しい人たちがいるんだ。僕が慎重にその話を持ち出すと、だれもが賛成してくれたよ。(コーチの)ガリーナは、ぜひやるべきよ、準備が整ったらいつでもリンクで待ってるわ、と言ってくれた。夫は、実はだれよりも強く背中を押してくれたんだ。君の才能は魅力的だ、スケートをしてその才能をみんなに見せるべきだってね。復帰にあたっては、彼に励まされた部分が大きいんだ」
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カテゴリ:北米男子 | 10:51 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
ジョニー・ウィアー「僕は戻ってきた」 espnWより
フィンランディア杯で、最初はほとんどだれも本気にしていなかった競技復帰をみごと果たしてみせたジョニー・ウィアー。そのジョニーが、4位に終わったフィンランディア杯から1週間たって、自らの言葉で「カムバック・ブログ」をつづってくれました。スポーツチャンネルESPNが開設した女性向けサイト「espnW」に掲載されたブログです。
これがジョニーらしい美しい言葉が散りばめられた文章なんですよね。その美しさをそこなわない訳ができていればいいのですが…。では、どぞー。

元記事はこちら→A fresh start  By Johnny Weir

ジョニー・ウィアー 「新たなスタート」


犬の1年が人間の7年分にあたるとしたら、アスリートの1年はふつうの人間の63年ぐらいにあたるにちがいない。12歳からやってきたスポーツ、フィギュアスケートの現役から離れていた2年半は、僕にとってはまるで無限の時間のようだった。先週フィンランドで、2010年バンクーバー五輪以来2年半ぶりとなる試合で氷の上に立ったとき、僕はそう感じていた。あの緊張感と興奮、恐怖の感覚、そしてブレードのトウにいたるまでジャッジングされるあの感覚を、自分の体も脳もすっかり忘れ去っていたことに、僕は茫然としていた。

現役復帰を決めたのは去年の冬だったけど、本当に試合に出るんだという実感を持ったのは、ヘルシンキ空港で飛行機を降りて、国際大会というpressure cooker [圧力鍋。pressureとかけた言葉だと思います] に舞い戻ってきたときだった。僕が現役だった頃より選手は少し若くなり、技術は高くなり、一部だけどキラキラ成分が増えていた。ジャッジやコーチは年齢層が上がっていたが、ワインのようにいい方向に「成熟した」といえるだろう。時間は当然経過しているけれど、フィギュアスケートにおけるすべてはそのままだった。以前とまったく同じように物事はおこなわれていく。今日は公式練習、明日はショート、それからわずか24時間後にフリー。昼寝の時間さえスケジュールで決められ、踏み出す1歩1歩は演技を向上させるためのものでなくてはならず、口に入れるすべてのカロリーが成否を分ける。

僕にとって、この大会は勝ち負けは関係なかった。ジャッジがどうというものでもなかった。ただスケートをしたかった。そして、現役復帰とソチオリンピックを目指すことを宣言した、あの2月の凍える日にファンと約束したことを果たしたかっただけだ。夏の間じゅう、僕はコーチング・チームとともに猛練習した。チキンフィンガー [鶏ササミのフライ] とシャブリで増えた2年半ぶんの体重を落とした。自分の肺をよみがえらせ、フリーをフルで滑る感覚がどんなものだったかを思い出させた。そしてもっとも大事なこと、自分を鼓舞してくれるような音楽とコスチュームを選んだ。

アリーナの中央に立ち、音楽が始まって自分がオオカミの群れに投げ込まれるのを待っているとき、僕は緊張感に襲われていた。会場には日本やロシア、ヨーロッパ各国やアメリカから僕のカムバックを見に来てくれたファンがたくさんいた。ジャンプを跳ぶごとに、僕は自信を取り戻していった。この年老いた心臓が疲れた鼓動をきざむたびに、誇らしい気持ちになった。これがそうなんだ。僕はふたたび競技をしているんだ。復帰の演技は数々のミスにまみれたものだったけど、フィギュア界の評論家たちにはほとんど信じてもらえなかった大きな一歩を踏み出したんだ。スケーターたちは復帰すると言いつつ実際にはなかなか復帰しないから、いつもメディアやファンにばかにされてきた。でも、僕は復帰できることを証明したんだ。

優勝はできなかった。メダルさえ取れなかった。でも、僕がやったことには大きな価値があった。スポーツvs自由というこの戦いにおいて、僕は自分を打ち負かした。自分の恐怖に打ち勝った今、これから1か月足らずでまた氷上に戻るのが楽しみでならない。レースに勝つには、ゆっくりと、しかし確実に戦うことだ。この復帰について、僕には前を向くことしかない。過去の実績はもう忘れて、毎日新たなスタートを切るだけだ。オリンピックへの道のりは遠く、危険なものだけど、自分自身を信じ、自分のまわりを愛で包みこめば、なんだってなしとげることができる。

僕は戻ってきた。

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 下手なコメントなんて不要な気もしますが、ひとつだけ感想を。

ジョニーって、強い人ですねえ。もちろん、復帰に向けてものすごい努力ができるアスリートらしい強さもあるけれど、それより自分の弱さとか自分のぶざまさを直視して、それを言葉にできる強さの持ち主なんだなあ、とつくづく思い知りましたよ!

そんなジョニーは、GPS第4戦のロシア大会(11/9〜)に初登場します。今度はどんな姿で、どんな演技を見せてくれるのか、楽しみですねー。

…さて、その前に、今週末はいよいよGPS第1戦スケート・アメリカ。日本からは小塚、羽生、町田、今井各選手が出場。うー、いよいよ始まるんですねえええええ、ドキドキドキ…。

JUGEMテーマ:フィギュアスケート
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