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小塚崇彦の新EX 「サウンド・オブ・サイレンス」
今日はポエム成分多めです。若干キモくなると思われますが、どうかお許しください。
半年ほど前にこのブログを始めてから、小塚くんのことを書くのはほとんど初めてになります。
この動画のナレーションにもあるように、「思うような結果が出ず、悔しい思いをした」昨シーズン。
世界銀メダリストになって手にした自信と、思わぬ障害に悩まされ続けて自信を失いそうになる苦悩。その両方がないまぜになった、複雑な表情を浮かべていたことが、昨シーズンは多かったようが気がします。

その彼が、静かに、それでいて力強く、リンクに戻ってきました。
The Iceで初披露した新エキシビション・プログラム。その動画がThe Iceの公式チャンネルにアップされています。(中京テレビさん、いつもありがとう!)
曲はサイモン&ガーファンクルの1967年のヒット曲「サウンド・オブ・サイレンス」。振付は佐藤有香さん。
もうとっくにご覧になった方も多いでしょうけど、これ…好きだわー!!!


(アップしてくださった方ありがとうございます<(_ _)> 右下のフキダシをクリックすればコメントが非表示になります)

スポットライトの白い円だけが浮かぶ無人のリンク。その外側の暗闇からイーグルで入ってきて、円の中央に立つ…それだけで、ものすごく陳腐な言い方ですけど、「せつない」みたいな気持ちがこみあげてきて…いやあ、困ったもんです、ははっ。

少し前のインタビューで、小塚くん自身「歌詞に惚れた」と言っていましたが、この曲、じつはすごく不思議な歌詞なんですよね。若干おぼつかないところもありますが、できるだけ原文に素直に訳してみましたので、英語の歌詞全文とともに掲載してみます。

Hello darkness, my old friend              
I've come to talk with you again
Because a vision softly creeping            
Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain   
Still remains
Within the sound of silence

こんにちは暗闇くん、僕の古くからの友達
また君と話しに来たよ
なぜならある幻影がしずかに忍びよってきて

僕が眠っている間にその種を落としていったから
僕の頭の中に植えつけられたその幻影は
まだそこにある
沈黙の音の中に

In restless dreams I walked alone 
Narrow streets of cobblestone             
Neath the halo of a street lamp            
I turned my collar to the cold and damp       
When my eyes were stabbed by the flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence 

落ち着かない夢の中、僕はひとり歩いた
石だたみの狭い通りを
街灯の下の円い光の中で
湿った冷気に僕はコートのえりを立てた
そのとき夜を引き裂くまばゆいネオンの光が
僕の目を射抜き
その「沈黙の音」に触れた


And in the naked light I saw
Ten thousand people, maybe more           
People talking without speaking             
People hearing without listening
People writing songs that voices never share   
And no one dared
Disturb the sound of silence
                
裸電球の光の中、僕は見た
一万もの、いやもっと多くの人々の姿を
意思を述べることなくただしゃべっている人たち
耳を傾けることなくただ聞いている人たち
決して歌われることのない歌を書いている人たち
沈黙の音をさえぎろうとする人は
誰一人いなかった

"Fools" said I, "You do not know
Silence like a cancer grows                
Hear my words that I might teach you
Take my arms that I might reach you
But my words like silent raindrops fell
And echoed                            
In the wells of silence                     

「愚かだな」と僕は言った。「君たちはわかっていない
沈黙が癌のようにむしばんでいくことを
僕の言葉を聞いてくれ、僕が君たちに諭すことを
僕の腕をとってくれ、僕が手を差し出すから」
だが僕の言葉は雨粒のように音もなく落ち
沈黙の井戸の中で
こだましただけ

And the people bowed and prayed
To the neon god they made                 
And the sign flashed out its warning
In the words that it was forming             
And the sign said                        
"The words of the prophets are written on the subway walls
And tenement halls"                      
And whispered in the sound of silence         

人々は自分たちが作り出したネオンの神に
頭を垂れ、祈りをささげていた
するとネオンサインに警告の言葉が浮かびあがった
光の文字で書かれたのは
こんな言葉だった

「預言者の言葉は 地下鉄の壁や
安アパートの廊下に書かれている」
沈黙の音の中で、小声でそう告げていた


うーん、言葉はやさしいのに難しいなあ。

この歌詞をめぐってはさまざまな解釈があって、当のサイモンとガーファンクル自身も意味を明らかにはしていないそうです。
個人的な印象ですが、この「沈黙」というのは、人々が空虚なやりとりにあけくれて、本当の声は相手に届かない…そんな状態のことを言っているような気がします。幻想の中で暗い夜道をひとり歩く「僕」が、街灯の光の中で、そうした人々の情景を垣間見ている。僕の語る言葉も、さしだす手も、人々には届かない…でも届いてほしい…そんな感じなのかなと、なんとなくですけど。
この歌詞とやわらかなメロディの世界を、小塚くんの「サウンド・オブ・サイレンズ」は、淡々と、でも力強く表現している気がします。



ナレーションでも言っているように、照明と振付を組み合わせた演出なんですね。最初と最後の白いスポットライトは、街灯が落とす丸い光をあらわしているんでしょう。
「冷気の中に立つ」という部分では、ズボンのポケットに両手をつっこんで、静かにすべっていきます(0:55~)。光をあおぐように両手をあげたり、観客におずおずと手をさしのべたり、「僕の言葉は落ちてしまった」では腕を振り下ろす(2:11)など、歌詞の細かい部分を拾っている動作もけっこうあります。
スピンの後からの、弾んだりふいに止まったりするステップは、言葉が届かないもどかしさを表現するかのよう。
…なーんて、ちょっと妄想が走りすぎでしょうか




「Free Fallin'」や「チェロ・ソング」と似た路線ではあるけれど、これはスケーティングの美しさを見せるだけでなく、もっと秘めたメッセージ性を感じます。この気持ちを伝えたい、この手をさしのべたい、という、抑えてはいるけれど強い感情を、観ている者に伝えてくるような…。
最後の表情もいいですね!アップなので全身のポーズはわかりませんけど。



「表現力」と「靴問題」で悪戦苦闘した1年を経て、強い存在感を身につけたんだなあ、そんな気がします。
新シーズン、どんな姿を見せてくれるのか、すごく楽しみになってきましたよ!
…止まらなくなりそうなので、この辺で。とりあえずもう一回リピートしてきまーす!



【おまけ】 tumblrで見つけたステキgif

Photobucket

↓ 「自分たちが作り出したネオンの神に」の部分ですね
Photobucket

Photobucket

↓ ここなんですよねー。「だが僕の言葉は雨粒のように音もなく落ち」
Photobucket

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カテゴリ:小塚崇彦 | 12:53 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
コメント
こんにちはーはじめましてー 小塚君のことあげてくださってるので おじゃましました サウンドオブサイレンス いいですよねー文才の無い私には適切な表現も浮かびませんが 小塚君自身と曲と歌詞と 振り付けとこんなにも合っているとこんな世界を表せるんだなーと思いました 訳してくださった歌詞ほんと哲学的ですね、、でも明るいけど 考えすぎちゃう小塚君にもぴったり、、な感じです

メッセージ性感じました 私も、、頑張ってるんだけども、、みたいな無理無理感がない肩の力が小塚君もみている側も抜いていられる感じでした 今期ひとつでも多くこの曲で滑っていただきたいです おじゃましました 歌詞の訳みせていただいてありがとうございました
| ふぁる代 | 2012/08/02 5:45 PM |
 こんばんわ いつもインテリジェンス溢れるたらさんの、暴走バージョン楽しく読ませていただきました 実は私、別の方向で困ってました よく知っている曲、と言うよりウン十年間愛し続けてきたナンバーなので、自分なりのイメージが強すぎるのです 誰がやってもどんな振り付けでも同じだと思います ワーン、どうしよう(泣) 
でもあらためてこの曲と正面から向き合い(何となく口ずさんではいたけれど歌詞はうろ覚えでした)、たらさんのポエム片手に演技を見てみると小塚選手の表現したい気持ちが少しわかったような気がします 競技会エキシで、サウンドオブサイレンスが一度でも多く流れますように!
| 与作の女房 | 2012/08/02 8:48 PM |
>ふぁる代さん、ご来訪&コメントありがとうございます!

このEX、ほんといいですよね!本当は言葉なんて要らないんですけど…。ただただ浸っていたいプログラムですよねー。

>小塚君自身と曲と歌詞と 振り付けとこんなにも合っているとこんな世界を表せるんだなーと思いました

まさに…。サイモン&ガーファンクルの柔らかない声とハーモニーがまた、彼のスケートによく合っていますよね。
これから新シーズンに向けて、小塚くんのこともちょいちょい記事にできればなあと思ってます。よろしければまたお立ち寄りくださいね!
| たら | 2012/08/03 11:42 AM |
>与作の女房さん、うははw、お恥ずかしい限りです。

この曲、それほど大切な曲なんですね。私は好きな音楽がフィギュアで使われるのはすごく嬉しいほうなのですが、お気持ちなんとなくわかる気もします。
でも、拙ポエムがほんの少しだけでもお役に立ったようで…ポエマー冥利につきますわw
コメントありがとうございました!
| たら | 2012/08/03 12:09 PM |
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