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キム・ヨナ復帰!ソチ五輪に出る!そしてその先へ…
大輔さん&モロゾフ再タッグ以上の激震はないだろうと思っていましたが、きましたきました、このオフ最大級の激震かもしれません。あのキム・ヨナが「ソチに出る」というのですから!
もうすでに日本のメディアにも数多く記事が出ていますが、一番充実していて、ヨナ自身の声も一番拾っているかなと思ったThe Korea Timesの記事(7月2日付)を取り上げたいと思います。



元記事はこちら→Figure skater Kim Yu-na to return to competition, retire after Sochi Olympics
「フィギュアのキム・ヨナ競技に復帰、ソチ五輪後に引退へ」

月曜日、フィギュアスケートのスター選手キム・ヨナは、競技に復帰し、ロシアのソチでおこなわれる2014年冬季五輪に出場すると発表した。引退が近いのではないかと取り沙汰されていた月日に終止符を打つことになった。

記者会見は、ソウルのナショナルトレーニングセンターで急きょ設定された。21歳のキムは、2010年のバンクーバー五輪で金メダルを獲得して以降、モチベーションを保つのが難しかったことを認めた。ふだんはロサンゼルスに練習拠点を置いているが、競技へのモチベーションは意外にも、競技生活を離れている間にソウルでトレーニングをおこなった際、後輩の韓国人選手たちから得たのだという

「はじめは若い選手たちのいい練習仲間でいれたらいいなと思っていただけでした。ところが、彼らの練習熱心さに私のほうが刺激を受けたんです。やり続けようという意欲ももらいました。それで、自分にはまだやり残したことがある、それをやらなくちゃいけないと決断したんです

バンクーバー五輪の約1か月後、キムは2010年世界選手権に出場して2位となった。その後、じつは感情的な落ち込みで苦しんでいたことを告白し、2010-11シーズンをまるまる休場した後、2011年世界選手権に出て再び2位になった。

もう1年以上競技から離れており、その間、営利目的のアイスショーに出演するだけだった。彼女は、「ただすべてのことから逃げ出したかったんです。1日だけでもいいから」と語った。

バンクーバーのあと、フィギュアスケーターとしてそれ以上の目標を見出せませんでした。それでも、ファンからの期待は大きくなるばかりでした。それがすごく重荷だったんです。調子を維持するためにこれ以上どれほど猛練習しなくてはならないか、まったくわからなかったし、もし試合でミスをしたら多くの人々をがっかりさせてしまうんだろうなと

しかし、彼女の中の勝負心が最後には打ち勝つことになった。

自分の中の目標を下げて、ただ自分自身のために滑ることを目指してもいいんじゃないかと思ったんです。もしこのままプレッシャーや恐れに負けてキャリアを終えてしまったら、あとで後悔するだろうと思いました

キムが世界選手権で優勝したのはただ一度(2009年)。それから1年後のバンクーバーで金メダルを勝ち取って以降、彼女の今後についてはずっと憶測の的であり続けてきた。この月曜日まで、彼女はアマチュアとしてさらに五輪や世界選手権に出場するとも、プロになってアイスショーのツアーに参加するとも、どちらとも明言を避けてきた。

先月、上海で開催されたショーに出演したキムは、自分の今後についてはこのオフが終わる前に決断するでしょうと、記者会見で述べていた。

彼女はすでに、選手生活を終えたあとのキャリアも見据えているという。ソチ五輪以降はIOC(国際オリンピック委員会)の委員になることを目指したいと語った。

また、スポーツ外交の仕事をしたいという夢を持っていることも明かした。2018年平昌五輪の招致活動で名誉大使として活動した際に、この夢を抱いたという。昨年7月に南アフリカ・ダーバンで開かれたIOC総会では、投票前にキムがおこなったスピーチが、平昌がミュンヘン(ドイツ)とアヌシー(フランス)を破って選出されるのに大きな役割を果たしたと高く評価された。

「ソチは終わりではなく新しい始まりだと思っています。私にとって、新しい夢と挑戦に向かって進むための新たなスタートになるでしょう」

韓国には現在、二人のIOC委員がいる。サムソン会長の李健煕(イ・ゴンヒ)と、元テコンドー五輪金メダリストの文大成(ムン・デスン)だ。

キムは、2、3年前の好調時の状態に戻すためには、現在の活動をやめて取り組むことになるだろうと明かした。いずれにせよ、まっさらの状態から再スタートを切りたいと考えているという。

ソチでは一から出直したいと思っています。目標は必ずしも“現チャンピオンとしていい成績を収めなくてはならない”ではなく、ただベストをつくすことに置きたいと思っています。オリンピックに戻るだけですばらしいことなのです

これほど長い間、競技を離れていたことについては、後悔はしていないという。

「アイスショーにも何度か出ましたし、大学でふつうの生活を味わうこともできました。私にとって、それは貴重な時間でした。ずっと長い間できなかったことを楽しむことができましたから

キムは韓国のフィギュア選手として初めてオリンピックと世界選手権で金メダルを獲得した。ISUグランプリシリーズでも何度も優勝し、グランプリファイナルでは3度優勝している。

韓国で最も人気のあるアスリートのひとりであり、以前からテレビCMにも数多く出演している。

技術と表現力を兼ね備えた選手として知られ、バンクーバー五輪でマークしたショート(78.50)、フリー(150.06)、総合(228.56)はいずれも、2004年に現行の採点システムが導入されて以来女子の歴代最高得点となっている。


 会見はドレスなどではなく、ショートパンツにスニー
 カーという姿でおこなったんですね。アスリートとして
 の出直し、ということを強調する戦略かと思われま
 す。
 会見には約200人のメディアが集まったとか。




記者会見の動画があがっています。(ハングルはちっともわからないのですが…涙)

すっごいフラッシュの嵐! 最初に司会者に紹介されたあと、ヨナ自身が原稿を一気に読み上げたんですね。その後のメディアからの質問にも、ときおり笑顔をまじえて淡々と答えています。人前で話し慣れている感じがしますねー。

IOC委員になる条件がどんなものか、ちょっと調べ切れていないのですが、The Korea Heraldのこちらの記事にはこんな一文があります。

  She is required to compete in the Sochi Olympics to qualify as a possible IOC member.
  「IOC委員の候補としての資格を得るためには、ソチ五輪に出場することが必要である


気になる復帰時期については、icenetworkのこちらの記事ではこう書いています。

  帰第一戦がいつ、何の大会になるか、また練習場所がどこになるか、コーチが誰になるかについては、まだ不明。2012年のグランプリシリーズには出場できない。
  「調子が整った時点で(出場する)国際大会を探します」とキムは語った。


とのこと。twitterで教えていただいた情報によると、GPSには出場せず世界選手権を目指すんだそうです。ということは、今まで長いこと免除されていた韓国のナショナルに出ることになりそうだとか。

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さて、感想ですが…いっぱいありすぎてどこから何を言えばいいのか…。こちらでもご紹介しましたが、つい2週間ほど前に「ソチに出るかどうかまだわからない」と言っていたばかりだったんですけどね。あれは前ふりでしたか。
とりあえず…ええ、びっくりしましたよ!ていうか、ソチにはもしかして出ることもありうるんじゃないかとは思ってたんですが、IOC委員になるんですか、そうですか!!!

去年の秋ごろのインタビューでは、「スケートが好きだったことは今まで一度もない」と、非常にネガティブな心情を赤裸々に語っていたので、もう二度と競技に前向きな気持ちにはなれないんだろうなあと思っていました。実際、バンクーバーまでの1、2年とか、去年の世界選手権のときは非常にピリピリした雰囲気で、ちゃんと笑っている顔をひさしく見ていなかった気がしていました。
でも、その後、平昌五輪の招致活動中にテレビやネットで見る彼女は、なんだかふっきれたように生き生きとした印象でした。スピーチもほんとに堂々としていて。その中で「スポーツ外交」がしたいと思うようになった、つまり「政治の世界」が自分に向いているんだと自覚したんですね。

ただ、今回の記事を見ると、ソチに出るのは必ずしも将来IOC委員になるためだけではないような気がします。というよりも、長いことできなかった「自分のために滑る」ということが初めてできるような状態になったのかなと。今までは国のため、国民の期待に応えるため、連盟のため、母のためでしかなかったスケートに、初めて主体的に取り組もうと思えたのかなあ…ま、憶測ですけどね。

もちろん、日本のフィギュアファンには複雑な感情を持つ人は多いでしょうね…。かくいう私も、バンクーバーイヤーの、あの国同士の戦争みたいな雰囲気を思い出すと、それだけで胃が痛くなってしまいます。
でも、だからこそ、そんなしこりを残したままでフィギュア界を去ってほしくないという気もします。もう一度、ティーンエージャーのときのように日本選手と一緒にショーに出たり、一緒に写真に写ったりできるような関係になってほしい…そんなの甘いって言われるかもしれませんけど。

とはいえ、やると決めたら、勝ちにくるに決まっているのがキム・ヨナのキム・ヨナたるゆえんです。きっとソチに向けて最強のチームを組んでくるでしょう。迎え撃つ日本ほか現役の選手たちは、ぜっっったいに負けないでほしいです!がんばれ、みんなっ!!!

JUGEMテーマ:フィギュアスケート

カテゴリ:アジア(日本以外)男子&女子 | 13:36 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
コメント
私もびっくりしましたあ〜!ショーでもジャンプ飛ばないとか色々言われて多様なので。
バンクーバーのキムヨナは、私には素晴らしく見えました。まろやかなラインを描く手足に、アジア女性の美しさを感じて見とれてました。フィギュアスケートについて少しだけ詳しくなった今見たら、また違うのかもしれませんが。
若くして歴史を作ったアスリートにかかるプレッシャーは、計り知れないものがあるのでしょう。「国同士の戦い」、それから「メダル、メダル!」の連呼(あれ、嫌いです)そういう外圧より、自分自身の様々な葛藤の方が重いかも。
| 与作の女房 | 2012/07/04 7:52 PM |
>与作の女房さん、コメントありがとうございます。

バンクーバーのときのプログラムは、個人的にはあまり好きじゃなかったですんが、確かにすばらしい演技でしたよね。
私のまわりのフィギュアファンではない人たちにも、彼女はやはり人気でした。カリスマ性というか、つい見てしまうものが彼女にはあるんですよねー。

>自分自身の様々な葛藤の方が重いかも。

そうですね。その葛藤に打ち勝って、今回この決断に達したのかな、という気がしています。
葛藤といえば…安藤美姫さんも正式にGPS参戦を発表しましたね!
高いジャンプ能力をもつ若手が台頭する中で、ヨナさん、美姫さん、そして他のベテラン選手たちには、美しく強い、これぞフィギュアというものを見せつけてほしいと思ってます!
| たら | 2012/07/05 11:56 AM |
こんにちは。
フィギュアスケートは採点競技なので、順位を付けるためのタイムとか得点といった明確なものさしがなく、感情的にエキサイトしやすい。
それに加え、そもそもオリンピックには国同士の戦争って雰囲気があるし、日韓関係は歴史的にも難しい。
でも、たらさん、胃が痛くなるほど思いつめないで。

スケーターの素晴らしさって、勝ち負けだけでは計れないと思います。
長野オリンピックで、タラ・リピンスキーが金、ミッシェル・クワンが銀だったけど、クワンに憧れてスケーターになったという話はよく聞くけど、タラちゃんに憧れてスケーターになったという話は聞いたことがない。
クワンのスケートにはそれだけ心を響くものがあったと思います。
私もクワンの心が優しくなるようなスケートが大好きでした。
だから、真央ちゃんにも、キムヨナにも、ほかのスケーターたちにも人々の心に響くスケートを目指してほしいな。
競技である以上、順位も大切だけど、私たちもそれだけに捉われない方がいいと思うんです。
メダルとか順位ばかり気にすると、国同士の戦争って感じになって日韓関係も余計悪くなりますから。

真央ちゃんとキムヨナは同年同月の生まれ。二人が10代前半の頃はヨナが日本に来たときに真央ちゃんがショッピングに案内したり、二人でメールをやり取りしたりしたことがあったはず。
今は難しいかもしれないけれど、現役を引退したら、二人でまたショッピングしたりして、日韓の交流を盛り上げてほしいな。
競い合った二人だからこそできると思うんです。
私の勝手な希望で、それこそ、甘いって言われるかもしれませんけど。
| coco | 2012/07/05 1:07 PM |
はじめまして。興味深く記事を読ませて頂いてます。
彼女のバンクーバー、特にフリーの演技が素晴らしかったので(金メダルを得ましたし)、モチベーション的に復帰は難しいと思っていたので驚きです。
その後の2試合は、いやいや引っ張り出された感がありましたし。
オリンピックの時は、複雑な感情を持っていたのですが、やはり彼女は素晴らしい選手。
もう一度、シーズン通して全力の彼女が見れるのでしょうか。
今度は、自分自身のために滑れたらいいなと思います。できれば、アゲヒバリ路線を希望。あのプログラム、大好きなんです。

| 三月 | 2012/07/05 4:40 PM |
>cocoさん、

はは、ありがとうございます。バンクーバー当時は胃薬飲みながらテレビ見ていましたwが、今はもう大丈夫ですよ!

>スケーターの素晴らしさって、勝ち負けだけでは計れないと思います。

ほんとにそのとおりだと思います。何度も繰り返し見たくなる演技って、順位とかメダルとか全然関係ないんですよね。
(タラ・リピンスキーは15歳で引退してしまったのが残念でした。もっと続けていたら、それこそ名選手になっていたかも…)

ただ、選手たちの「勝ちたい気持ち」というのも、私にはたまらくなく魅力なんですよね。メダルを取りたい、点を上げたいからこそ、選手は常人には想像もつかないような努力をして、その結果すばらしい演技を見せてくれるわけですから。
バンクーバーの真央vsヨナ対決は、だからこそものすごくハイレベルな、歴史に残る名勝負になりましたし。
でも確かに、ふたり以上にファンやマスコミが熱くなりすぎた感はありましたね。
ソチではもう「2強」ではなくなっているかもしれないけれど、成熟した戦いを見せてほしいなあと思います。もちろん私たちファンも成熟しなくちゃですね!
| たら | 2012/07/06 1:46 PM |
>三月さん、ご来訪&コメントありがとうございます!

「あげひばり」は私も大好きなプログラムでした。
6年前、彼女がシニアに転向した年のフリーでしたよね。あれからいろいろありましたねぇ…(遠い目)。
バンクーバー以降の2試合は、無理やり引っ張り出されたと彼女自身が言っていましたよね。そういうことを聞かされるのはファンとしてもつらいものがあります。

>今度は、自分自身のために滑れたらいいなと思います。

本当に私も心からそう思ってます。
| たら | 2012/07/06 1:59 PM |
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