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アダム・リッポン、カミングアウト「僕はずっと自分に正直に生きてきた」
今週末、フィンランディア杯で今季の初戦にのぞむアダム・リッポンくんが、ゲイであることをカミングアウトしました。米国スケート連盟が刊行しているスケート誌『SKATING』最新号のインタビューで、この発言が出たのだそう。この最新号はまだ刊行されていませんが、Icenetworkにちょっとさわりというか、おおまかな内容がアップされていました。

元記事はこちら→Rippon comes out as gay in SKATING magazine Posted 10/2/15 by icenetwork



「リッポン、『SKATING』誌でカミングアウト」
〜僕はずっと自分に正直に生きてきた

全米選手権で2度銀メダルに輝いたアダム・リッポンが、雑誌『Skating』の10月号で、自身がゲイであることを明らかにした。

リッポンは、親友でもありトレーニングメイトでもあるアシュリー・ワグナーとともに、この号の表紙を飾っている。インタビューの聞き手はエイミー・ローズウォーター記者。幅広い話題にわたったインタビューの中で、リッポンは自分の性的指向を公に語った。

「ゲイであるからといって、僕がどんな人間か決まるわけじゃない。僕を定義づけているのは、僕が母にいつも言われていたこと――どんな人にも尊敬をもって接し、いつも努力家であり親切であること。それが僕という人間なんだ」

この話題が出たのは、ローズウォーター記者がワグナーにある質問をしたことがきっかけだった。2014年ソチ五輪の前に鳴り物入りで施行された「反ゲイ法」に対して、ワグナーが毅然とした態度を取ったことがあった。
(*プーチン大統領が成立させたロシアの「同性愛プロバガンダ禁止法」について、ソチ前の微妙な時期にほぼすべてのフィギュア選手が沈黙する中、アシュリーは記者会見で、「自分の家族や友達にもゲイやLGBTの人たちがいる。私たちはみんな同じ権利を持つべきです」と、この法律に反対であることをはっきりと表明しました)
それについてワグナーに質問したとき、リッポンが、じつはソチ五輪の前にカミングアウトしようと思ったことがある、と明かしたのだ。

「そう、じつは考えてたんだ。米スケート連盟が僕の決断に協力しようとしてくれたことに、僕はすごく感激したよ。所属している連盟が味方になってくれたこと、彼らが選手をあるがままの人間として、それぞれの人格として受け入れているのだと選手たちに示してくれたことは、ものすごく大きな意味をもつことだ。僕ら選手たちは競技するとき、その組織の代表として全力を尽くしたい、本当の、正真正銘の自分として戦いたいと思っている。それが可能なのは、自分自身に正直でいるときだ。僕もみんなのよき先例になりたいと思ったんだ」

リッポンによると、さまざまなライフスタイルを支持する今の潮流が、今回の決断を後押ししたという。
「今は2015年だよ。ますます多くのアスリートたちが自分をオープンにしたいと願ってる。自分が誰であるか、自分が何に関心があるのかについて、よりオープンにしていくのが今のカルチャーなんだ。もちろん、人々は誰かの性的指向がどうとかってことに興味を持つものだけどね。人間は噂が大好きだから」

「今はアスリートたちが次々とカミングアウトをして、ゲイだと公表してくれている。そのおかげで、新たにカムアウトすることが珍しいことでもなければ、大騒ぎすることでもなくなっているんだ――少なくともアスリートのコミュニティの中ではね。仲間のアスリートたちに敬意を抱く理由は、彼らが目標に向かって努力を続けているから。彼らの性的指向なんて二の次なんだよ」

リッポンは昨シーズンの全米選手権では、これまでの彼の最高順位に並ぶ2位となった。2015-16シーズンのスタートは、来週のフィンランディア杯で切る予定だ。

リッポンは『SKATING』誌にこう語った。
「僕はただ、いいお手本になりたいと思っているだけなんだ。これまでずっと自分自身に正直に生きてきた。僕は一生懸命努力しているし、自分がしていることを愛しているんだ」

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アダムがゲイではないかというのは、たぶんフィギュアファンなら多くの人が思っていたんじゃないかと思います。それにしても、ソチ五輪の前にカミングアウトしようと思っていたとは知りませんでした。そして、米国スケート連盟がそれに協力しようとしていたことも。
結局カミングアウトしなかった理由はこの記事には書かれていないけれど、以前ご紹介した彼のスピーチによると、全米選手権で大敗しソチ五輪を逃してしまったことで、もうスケートをやめたいと思うほど深い絶望に突き落とされていた時期なので、カミングアウトどころではなくなってしまったのかもしれません。
アシュリーが「反ゲイ法」について勇気ある発言をしたことは、当時アメリカではフィギュア関係以外のメディアにも大きく取り上げられていました。そのため、ゲイと思われる他のフィギュア選手に対して非難の言葉を投げつける人たちもいました。私も偶然ツイッターで、一般人と思われる人がアダムに「おまえもゲイならなんで黙っているんだ?」と言いがかりをつけているのを目にしたことがあります。
そういうコメントをアダムがどのくらい目にしたかは知る由もないけれど、本気でカミングアウトを考え、ソチを逃して絶望している時期に、ずいぶんつらいこともあっただろうなというのは、何もわからない私でも想像はつきます。
今こうしてカミングアウトできたのは、彼が失意から立ち直ってスケーターとして自信を取り戻したからでもあるかもしれません。もちろん、スケート界でもジェフやエリック・ラドフォード選手が同性婚を公表したりして、勇気をもらったということもあるでしょうし。それにしても現役選手としてカミングアウトに踏み切ったのは、とても勇気あることだと思います。一昔前はジャッジの心証が、ということもあったけれど、今はさすがにもうそんなことはない…と信じたいです。
それともうひとつ、大親友のアシュリーの存在も大きかったのかな、と思うんです。いつもあまりにも仲良しのアダムとアシュリーに、SNSで「2人は付き合ってるの?」と質問する人もたくさんいました。
今回のアダムのカミングアウト報道を受けたアシュリーのツイート。
  「いろんな噂が出てるみたいだけど、ここではっきりしとくわ。私たち、まだ付き合ってるわよ〜😂❤」

ええ〜っ?またまた〜!(゚∀゚)っていうリアクションをするしかない軽〜いノリ。この軽妙洒脱で、ユーモアたっぷりで、ちょっぴりセクシーで、それでいて相手への愛とリスペクトをすごく感じる2人の友情が、アダムにとってとても力になっているような気がするのです。

『SKATING』誌のメイキング動画を米スケ連がアップしてくれました。アシュリーに「あなた、この撮影のために香水つけたの!?」と言われて、「そうだよ、体が臭かったらこの撮影はできないよ〜」と言うアダム。本当に絵になる2人ですね。
初戦のフィンランディア杯でいいシーズンデビューができますように!



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カテゴリ:北米男子 | 14:15 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
コメント
たらさんこんばんわ

きっと、記事にあげてくださると待ち構えておりました
ソチOP前の出来事をたらさんの記事で読みながらどきどきしたことを思い出します。
札幌ザイスのトークタイムに出てきたアダムとアシュリー、それはそれはかっこよくてきれいでした…
| よのにょ | 2015/10/05 11:34 PM |
こんばんは、翻訳ありがとうございます。
米連盟が現役選手のカミングアウトを積極的にサポートとは、時代の流れもここまで来たのかー
と驚いてついコメントしに来ました。
2人の写真、すごく素敵です。長年の絆が見えます。
選手のツイッターはあまり追わないので、知らなかったこともありました。
そういえば米連盟はSNSも推奨していたなあ……
功罪勘案して実を取るというか、このあたりはお国柄ですかね。

ロシアもそうでしたが、今後は韓国中国と、LGBTに比較的厳しいアジア圏の五輪が続きますし
現役選手のカミングアウトを後押しする要素はあまりないかなと思っていたところ
リッポンくんの、シーズン本格開始というタイミングでの言明が何だか爽やかでスッキリしました。
良い結果が出るように応援したいです。
| aoi | 2015/10/06 12:08 AM |
>よのにょさん、待ち構えてくださってありがとう〜^^
アダムとアシュリーのトーク、ご覧になったんですね。それは麗しかったでしょうなあ。うらやましい!
例の反ゲイ法のせいで、ロシアでは今もゲイの人が迫害される事件があいついでいるんだそうです。スケートには関係ないですけどね…
| たら | 2015/10/06 12:02 PM |
>aoiさん、コメントありがとうございます。
ひと昔前はジョニーがゲイであるせいで米スケ連に冷遇されていた噂があったりしましたよね。ほんとに時代は変わりましたよねー。
中国は聞きますが韓国もLGBTに厳しいんですか?それは知らなかったです。
リッポンくんはどん底を味わってから何か吹っ切れたんでしょうね。今週末には日本からフィンランドに念を送りたいと思います!
| たら | 2015/10/06 12:10 PM |
たらさん、こんばんは。
リッポン選手のことはあまり驚かないですよね〜。私はこのSKATING という雑誌のオシャレな感じにファンション誌も真っ青だと思っただけ。動画でワグナー選手と色々なポーズをとっているけれども、2人とも凄く絵になるな〜と感嘆しています。ワグナー選手はきちんと自分の意見が言える立派な人で、フィギュアスケーターだからというばかりではなく大人な女性として尊敬しています。二人ともGPシリーズに向けて頑張ってほしいです。
| サラママ | 2015/10/07 2:01 AM |
たらさん、こんにちは
素敵な記事を上げてくれてありがとうございます。
たらさんの訳は、いつも自然な日本語になっていて、とても読みやすいです。

わたしは、内心「アダム君はアシュリーの嫁」認定していたので、今回のカミングアウトに、少々うろたえてしまった口ですが、たらさんの書いてくれた記事を読んで、より二人のことが理解できるようになり、益々二人のことが大好きになれました。

アシュリー男前ですねぇ。(笑
アダム君の言葉からは、いつも聡明さと誠実さと健気さを感じます。嫁にしたいようないい子だぁ〜(笑
並みの恋人以上の大親友ぶりに、
やっぱりアダム&アッシュは、最高にスゥイートなベストカップルだな〜と、頬ゆるゆる
撮影映像を何度も再生して見とれてしまいました。

今シーズン、二人ともにベストな演技ができるよう。楽しみに応援していきたいです。



| 花散る里 | 2015/10/07 10:38 AM |
>サラママさん、こんにちは!
リッポンくん、そうなんだろうな〜とは思っていましたよね。でも、何となくカミングアウトはしないんじゃないかなと思っていたので、そこは驚きでした。(言い方は悪いですけど)もっとうまく立ち回る人のような印象があったんです。まったく思い違いでしたね!本当にごめんなさい。
アシュリーもリッポンくんも自分をちゃんと持っている強い人ですよね。
| たら | 2015/10/08 11:39 AM |
>花散る里さん、こんにちは!
いや〜アダムとアシュリー、本当に仲良しで、それも単なる可愛い仲良しじゃなくてちょっぴりセクシーな雰囲気漂う2人だから、カップルだと思っていた方も多いでしょうね。
それにしてもアシュリーが男前で、アダムが嫁ですか (*´艸`*)うん、わかる気がします!
2人ともGPSもですけど、特に全米で頑張ってほしいなあと思っています。そしてボストンワールドで2人の仲良し雄姿が見たいです。
| たら | 2015/10/08 11:44 AM |
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