TSL フィリップ・ミルズ インタビュー Part2 (今回も町田くん部分を中心に)
Part1のアップから10日も経ってしまいましたorz......今さら感たっぷりではありますが、TSL(The Skating Lesson)によるフィリップ・ミルズ先生インタビューのPart2です!
Part1と同じく町田くんに関する部分を中心に、アシュリーやマックスについて、そのほかバレエや振付についてなど、独断ですみませんが個人的に興味深かった部分をピックアップして訳してみました。あの「ダイヤモンド」の名言も、最後の最後に出てきますよ!
今回もかなり長いですが、じっくりとどうぞ〜。

元インタビュー動画→Part Two of our Interview with Phillip Mills  May 12, 2015



The Skating Lesson: Interview with Phillip Mills Part Two

デイブ:アシュリーの「ブラックスワン」はあなたの代表作のひとつですね。アシュリーが「ブラックスワン」を滑ると知ったとき、アメリカのファンの多くは大喜びでしたが、じつは僕は懐疑的でした。アシュリーはバレリーナタイプではないし、デリケートというよりタフなスケーターだから。でも結果的には、あの腕の動きが特徴的なスパイラルシーケンスなど、彼女にとってトレードマーク的なプログラムになりました。なぜアシュリーにあのような、文字通りバレエ的な振付をしたのですか? そしてアシュリーがそれを滑りこなせると、なぜ思ったのでしょう?

ミルズ:「ブラックスワン」をやりたいと言ったのはアシュリーのほうだったんだ。彼女がクラシカルなタイプではないことは僕もわかっていた。彼女はジェニー・カークではないからね(笑)。
僕は「OK。じゃあやろう」と言ったけれど、アシュリーにただ「ポールドブラ」(腕の運びの意。あるポジションから他のポジションへ腕を運ぶ動き)をやらせたり、バレリーナみたいな立ち方をさせるまでに、どれほど時間がかかったことか! 一番恐れていたのは、僕のバレエ時代のファンがこれを見て「OMG! ミルズはどうしちゃったんだ!」と言ったらどうしようかということだった(笑)。だって、彼らは一目見ればわかってしまうからね。でも、アシュリーはバレエ的な動きを意欲的に学んでくれたし、みごとにやりこなした。すばらしいことだったよ。
でも、彼女がスケート靴で「パ・ド・ブーレ」(爪先立ちで脚を交互に細かく踏みながら移動する動き)ができるようになるまでには、ものすごく時間がかかったよ。ステップの途中にブーレの振付を、バレエでオディール(黒鳥)がやっている位置に入れたんだ。ジャッジに背を向けて爪先立ちでステップを踏む、あそこだよ。

ジェニー:あの爪先立ちのところと、(手を羽のように動かす)スパイラルでは、いつも観客が沸きましたよね

ミルズ:あのスパイラルのアイディアは、タッタッタッタッというリズムから思いついたんだ。映画「ブラックスワン」の中で主人公の背中から羽が生えてくる。スタッカートのリズムでね。そこからあのスパイラルを発想したんだ。
アシュリーが彼女自身の芸術性に目覚めてくれた、そのお手伝いができたことは非常にわくわくしたよ。彼女がその後もそれを持ち続け、いい演技を続けているのを見て、僕もすごく嬉しいね。



ミルズ:(デイブ氏に「アシュリーって女王様的な性格ですよね?」と言われた後の流れで)アシュリーについて僕が指摘したい一番すばらしいところ。それは、去年のさいたまワールドで町田樹がショート1位、総合2位になったとき、アメリカ人で一番最初に僕に祝福の言葉をかけてくれたのは、アシュリーだったんだ。わお! なんて素敵な人なんだ。本当に感動したよ。

ジェニー:スケーターと振付師は、最初に1週間ほどかけて振付を終えてしまうと、残りのシーズンはほとんど会わないことが多いですよね。振付が途中で変わってしまわないように、スケーターと振付師はもっと頻繁にやり取りし合うほうがのぞましいでしょうか?

ミルズ:マックスと彼のコーチたちに、僕はこう言ったんだ。「これ(僕の振付)を成功させようと思うなら、年に2回しか会わないというわけにはいかないよ」と。「なぜなら、僕は君のスケーティングも大きく変えたいと思っている。君のクロスはまるで走り回っているみたいな感じがするからね」そう言ったんだよ。クロスというのは美しい高級ワインのように、深く、ニュアンスにあふれてなくてはならない。“よっしゃー!これからクワドだー!”(笑)みたいに力まなくても、パワフルであるべきなんだ。

ミルズ:トップスケーターたちは、振付師に高いお金を払うなら、もっと頻繁に振付師に会う機会を作って、プログラムに常に注意を払うべきだと僕は思うよ。それはスケーターにとっても、振付師にとっても大切なことだし、もっと重要なのは、観客のためにもぜひそうするべきだ。観客に彼らをインスパイアできるような作品を提供するのが、われわれの義務だからね。もっとたくさんの人にフィギュアスケートを見に来てもらいたいから。

ミルズ:この3年間、僕は樹との仕事で日本を何度も訪れたけど、日本人には本当にびっくりしたよ! 彼らはフィギュアを愛しているんだ。日本ではフィギュアというものがとても身近なもので、オフィスで働いているような普通の人々が見に行くんだよ。フィギュアがとてもポジティブなものとして宣伝されているからだろうな。日本人にとってスケーターはロックスターなんだ。

ミルズ:僕が教え子のトップスケーターたちに必ず言っていることがある。それは「ファンを大切にしなさい。そうすれば、ファンはきみたちを大切にしてくれる」。練習で非常に調子が悪かったときは、特にそうなんだ。スケーターがリンクから出たら、そこで子供たちが目をキラキラさせて待っている。そんなとき、笑顔を浮かべて、サインをしてあげて、「フィギュアは好き?」とか何かひとこと言ってあげなさいと。なぜなら、調子が悪かったのはファンのせいじゃないからね。このことを樹にも言っていたんだ。
で、去年のワールドのとき、樹がコーヒーを飲みたいと言いだしたことがあった。僕らはコーヒーショップまで歩いたんだが、距離にするとたぶん5メートルそこそこだったのに、そこを歩くのに30分もかかったんだよ。なぜなら日本人ファンたちがわーっと追いかけてきて、「きゃ〜」「写真撮ってください」「写真撮ってください」(笑)ってなったからさ!
でも、これは大切なことだと思うんだ。スケーターは多くの人にとってセレブなのだから、偉ぶってはいけないし、(ファンに対して)時間を惜しんではいけない。ときどきは暴走するファンもいるけど、それは動物の習性だからね。

ジェニー:アシュリーは以前、彼女がソーシャルメディアから受けた批判について語ったことがありましたね。SNSにはスケーターにひどい言葉を投げつける者もいます。現代のSNSへの対処の仕方について、あなたはスケーターにどんなこと言うのですか? 試合中、例えばショートが終わって明日はフリーという時にFBやツイッターをチェックする選手もいますよね。それは、SNSがスポーツに身近になった今、正しいことだと思いますか?

ミルズ:SNSは今のトップアスリートに最もダメージを与えるもののひとつだと、僕は考えているんだ。SNSが現代社会の一部になっていることは僕もわかっているよ。僕らはうまく付き合っていかなくてはならない。
樹と組んで2年目、僕は彼に「SNSから完全に手を引いてほしい」と言ったんだ。FBもなし。ツイッターもなし。「君は君のアートに集中しなくてはならない。君の言葉は演技に注ぎ込むべきだ。氷上で表現しなさい」と。彼にそう言った理由は、SNSがあまりにも有害だからだ。同じことをマックスにも言っているんだけど、アメリカでは日本よりもSNSをやめにくいかもしれないね。彼は「わかりました、控えます」と言ってくれてはいるよ。SNSは有益な面より有害な面のほうが大きいと思う。
ここが日本とアメリカのスケート文化の大きな違いのひとつだと思うんだけど、日本のSNSはスケーターを持ち上げてくれるんだ。(アメリカでは)誰かが何かよくないことをすると、SNSでよってたかって批判する傾向があるけれど、人はSNSの中でもっとポジティブになれる可能性があると思うんだ。特に選手が演技で失敗してしまったときに、ひどいことを言う必要なんてない。選手はすでに傷ついているんだから。もっと「大丈夫だよ」「あたなはすごいんだから」「次はうまくいくよ」と言ってあげたほうが選手にははるかに有益なんだ。
 
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カテゴリ:町田樹 | 04:27 | comments(30) | trackbacks(0) | - | - |
TSL フィリップ・ミルズ インタビュー Part1 (主に町田くん関連部分)
おなじみのTSL(The Skating Lesson)から、あのフィリップ・ミルズ先生のインタビューがアップされました。
ミルズ先生といえば今やすっかり町田樹!…ですけど、もともと体操選手からバレエダンサー、そしてフィギュアの振付師に転じた方で、ミシェル・クワンやサーシャ・コーエン、アシュリー・ワグナーなど主に女子シングルの数々のスター選手の振付をされてきた方。TSLのジェニー(ジェニファー・カーク元選手)も昔、振付してもらったことがあったんですね。来季はマックス・アーロンをバレエダンサーとして変身させることができるかどうかも注目です!
そんなミルズ先生のロングインタビューのPart1から、主に町田くんとアーロンくん、そして振付全般にかかわる部分を抜粋して訳してみたいと思います。私が聞き取れた範囲なのでヌケ、漏れ、ミスなど多々あるかもしれません。また、申し訳ありませんがミルズ先生の経歴や北米女子選手たちについての部分は割愛させていただきました。
ミルズ先生、私が思っていたよりもずっと気さくで、チャーミングで、エネルギーにあふれた方でした。よろしければ一度元動画も見てみてくださいね。表情豊かで、めっちゃお茶目で、テンション高い! そして、言いたいことや考え方が非常に明瞭な方だと思いました。

元インタビュー動画は→Part One of our Interview with Phillip Mills May 12, 2015



The Skating Lesson: Interview with Phillip Mills Part One

デイブ:フィリップ・ミルズさんにはジェニーも振付してもらったことがあるんだよね?

ジェニー:そう、2002シーズンのはじめごろの話よ。バレエを取り入れたプログラムを作ってもらったの。私はバレエは苦手だったけど、フィリップとの振付は楽しかった。彼がリンクに降りてきて、一緒にシミー&シェイキー(ゴーゴーダンス)をやったのを覚えているわ(笑)。2人でバスルームの鏡に何時間もむかって、メイクアップの指導を受けたこともある。スモーキーアイ(黒やグレーでしっかりと陰影をつけたアイメーク)のつくり方を教わったの。とても個性的で楽しい人よ。ここ20年のフィギュア史でユニークな活躍をされてきたわ。今季はマックス・アーロンに振付していて、どんな成果が出るか楽しみね。ここ数年の町田樹との仕事はすばらしかったわ。

ミルズ:僕を招いてくれてありがとう。ずっとこれに出演してみたいと思っていたんだ。楽しみだよ。
(中略)
バレエダンサーからフィギュアスケート振付師に転向して、シングルの選手の振付を多く手がけるようになったとき、カルロ・ファッシ(イタリア生まれの元選手。コーチとして北米の選手を数多く育てて殿堂入りした)に、こう言われたんだ。「テニスを教えるならラケットを握らなくちゃ」って。それで、自らスケート靴を履くようになった。
だが、滑ってみたら派手に転んでばかりなんだ。僕が一番苦手だったのはバックのクロスだった。バレエの「ターンアウト」(股関節を外向きに開いて足を180度開くこと)が身についていたせいで、両足を並行にしてステップを踏むことができないんだよ。それで、自分のためのエキササイズを始めて、基本的なスケーティングやブレード使い、ターン、チェックなどを習い始めた。その後、このエキササイズをセミナーにして、スケーターやコーチ向けに教えることになったんだ。要は、昔自分が習ったことを教えているんだよ。

ミルズ:マックス・アーロンが最近、あるインタビューで、このセミナーのことを話していて、わくわくしてしまったよ。「スリーターンが正しく滑れるようになっておもしろい。グライドしている感じがするようになった(=滑るようになった)んだ」と言っていた。これは本当にすばらしいことだ。こうしたことを学ぶのは時間がかかることだからね。

ミルズ:町田樹とは3年間、一緒に仕事をしたんだけど、まず彼のマインドセットを変えなくてはならなかった。なぜなら男子トップスケーターというのは、ジャンプをメインに考えがちなものだからね。でも、樹のマインドセットを変えるのは簡単だった。彼にはその素地があったから(he was ready=彼は受け入れる準備ができていた、という感じです)。
1年目のシーズンは、彼に主に2つのことを変えてもらいたいと言った。1つめは呼吸、2つめは着氷のポジションだ。すると彼は、「それはどちらも結構ですので、ただ振付をお願いします」と言うので、私は了解して振付だけをおこなった。彼はまあまあの成績をあげたが、ワールドには出場できなかった。すると2年目のシーズンに、コーチと一緒に僕のところへ来て、「すべてあなたの言うとおりにします」と言うんだよ。それで僕も、「よし、じゃあやってみよう」と。そこから僕のクラスに出てもらうようになったんだ。バレエクラスみたいに毎日おこなうクラスだ。今マックスにも出てもらっているんだけど。
このクラスで、僕は樹にあることをやってもらった。すべての動作を、彼が得意な方向と不得意な方向の両方向でやってもらったんだ。例えばクワドや3Aの入りを、最初は右ききの方向で、次は左ききの方向でやらせた。ジェニー、君もバレエクラスに出たからわかるよね。バレエダンサーはこれを猛練習して、観客がこのダンサーは右ききなのか、左ききなのか、わからないようになるまで努力するんだ。ターンもピルエットも両方向でできるようにね。この練習はフィギュアスケートで大いに役立つものだと、僕は考えている。多くの選手は自分がどちらのターンが得意かもわかってないからね。

(中略)

デイブ:あなたの振付は細部まで非常に精巧につくられた、凝ったプログラム、という特徴がありますよね。「フィリップ・ミルズのプログラム」といった場合、どんなイメージを人々に持ってほしいと思いますか?

ミルズ:まず第一に僕が思うのは、あるプログラムを見て、これはフィリップ・ミルズのプログラムだとは思ってほしくない、ということなんだ。それが僕のトップ・プライオリティ(優先事項)だ。なぜなら、振付というのはスケーターのためのものであって、僕のためのものじゃないからね。
不幸なことに、僕は音楽がかかると動きが見えてしまうんだ。なぜかはわからない。家族と店の中を歩いていたり、エスカレーターに乗っているときに音楽がかかっていると、妻のミシェルに「やめて」って言われるんだよ(笑)。自分では自分の体が動いている自覚はないんだよ。子供たちにも「パパ、ダンスはやめてよ」って言われてしまう。だから、車を運転してるときは音楽は一切かけない。音楽がかかっていると休めないんだ。音楽がかかっていると動きが見えてしまうんだよ。まあ、これはラッキーな才能と言えるかもしれないけどね。
でも本当に、「ああ、フィリップ・ミルズらしいプログラムだ」とは思われたくないんだ。それが一番ぞっとすることだよ。なぜなら、僕が僕自身を繰り返している、ということになるからね(←repeating myself=ややわかりにくいですが、各選手に合わせるのではなく毎回自分のしたいことをなぞっているだけ、ということかと思います)。それはしたくない。僕がやりたいのは、選手や観客やジャッジ、そして君たちみたいな批評家などに、彼らをインスパイアするプログラムを提供すること。それが僕の義務だと考えているんだ。彼らが感じたいもの、見たいものを創り出すことが僕のトップ・プライオリティーなんだ。

ミルズ:例えば、樹の「ラベンダーの咲く庭で」は、テーマはまったく違うものだけど、僕は人々がこのプログラムを見て、これは自分の助けになるプログラムだと思ってくれたら、と願っているんだ。僕はいろいろなものにインスパイアされながら、それぞれのスケーターにふさわしいプログラムを与えようとしている。そのスケーターの芸術面を伸ばすだけでなく、競技的にも成功できるような、そして可能ならば世界をインスパイアできるようなプログラムをね。そのプログラムによって、スケーターがただアスリートであるだけでなく、アーチストにもなれるようなものを作りたいんだ。そして、僕が思うに、町田はそれをなしとげた。僕にとって、これまでの教え子の中で彼がベストだ。この3シーズン、彼と仕事ができてとても幸運だったよ。

デイブ:あなたはスケーターに、振り付けたとおりの動きやつなぎを崩さないよう、厳しく指導することで知られていますが、スケーターはある段階でジャンプを降りることでパニックになってしまい、振付を省いてしまいがちなのでしょうか?

ミルズ:そう思うよ。これはノービスからシニアの五輪レベルの選手まで、あらゆるレベルの選手に言えることだと思うんだけど、ジャンプをプログラムに入れ始める段階になると、混乱し、パニックになってしまうんだ。ここでも出てきた2人のトップスケーターの例を挙げよう。
 
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カテゴリ:町田樹 | 16:46 | comments(12) | trackbacks(0) | - | - |
町田樹、TEB男子SP前ロングインタビュー @Icenetwork
おはようございます。トロフィー・エリック・ボンパール、略してTEB、第1日目が終わりましたね。

あらゆる予想サイトが堂々の優勝候補に挙げていた我らがまっちーは、3つ目のジャンプに惜しいミスが出てショート2位。それでも首位のデニスに3点未満の差ですから、フリーで逆転、いや圧勝さえ十分に可能でしょう!
ただ、デニスもすばらしい演技でした。なんとPCSが同点。おまけにTRとIN以外の3項目がまったく同じ、という珍しい事態。実力を発揮できさえすれば力的には伯仲している2人なので、油断は禁物ですけど!

今季は世界王者候補にも挙げられているまっちーのインタビューが、Icenetworkにアップされていました。SP前におこなわれたインタビューらしいですが、試合前によくこれだけ長く答えましたねぇ。そんなところも貫禄出てきましたよねぇ。
ライスト観戦明けの疲れ切った頭で訳しましたので、すみませんが雑訳です。まっちーの格調高い語彙には合わない言葉づかいもあるかと思いますが、どうかお許しを〜。

元記事はこちら→Machida elevates skating with impassioned artistry



「町田、情熱のアートでフィギュアスケートを昇華させる」
フランスで滑る機会を楽しんでいる、現・世界選手権銀メダリスト

2014年世界選手権銀メダリストの町田樹。その町田が「メリアデック・アイスリンク」に足を踏み入れるやいなや、日本からやってきたTVクルーが彼のあとを追い回し始めた。ウォームアップ中も、静かに集中を高めている時間も、そしてもちろん公式練習中も。町田はこの地球上で最高のスケーターの1人であるだけではない、ボルドーで開催されているTEBの優勝候補の1人でもある。

今からひと月前、町田はスケート・アメリカで2連覇を果たしているが、その彼が寛大にもIcenetworkのために時間を割いてインタビューに答えてくれた。ときどき英語につまる場面もあったが、その思考と言葉はまるで彼の滑りのように、なめらかによどみなく流れ出てきた。各技術要素における芸術性を含め、フィギュアの芸術面をいかに大切に考えているのか、たっぷりと語ってくれた。



Icenetwork(以下IN):TEBには初出場ですね。どんな感じでしょうか?

町田:以前からずっとフランスで滑りたいと思っていました。このリンクのボードの美しいデザインを見てください。ブルーと黒だけで統一されて、とてもしゃれています。ガロンヌ川や立ち並ぶ教会、街の中心部まで、ボルドーもとても美しい街です。この環境は僕にすごくインスピレーションを与えてくれます。僕のスケートにとっても、それは大変重要なことです。

IN:(スケートに重要とは)それはどんな面で?

町田:僕はフィギュアスケートをパフォーミングアート(舞台芸術、表現芸術)として見ているんです。4Tなどの4回転ジャンプも、それ自体が1つの芸術作品になりえる……まあ、僕はそう考えています。美しい環境は、少なくともその方向へ進む助けになってくれます。自分の技術力を使ってアートを創り出すことが、僕にとっては大切なことなんです。

IN:あなたには文化というものがとても重要なんですね。その面ではどんな取り組みをされていますか?

町田:ええ、僕にとって文化はとても重要ですね。ご存知かもしれませんが、僕のフリーの曲はベートーベンの「交響曲第九番」です。この曲は文化です。ヨーロッパ文化、ドイツ文化なんです。僕はドイツ文化を理解しようと努めました。振付師のフィリップ・ミルズ先生と共にこのプログラムに着手する前に、ドイツの文化を総合的に勉強したんです。
よい演技を表現したいと思うのなら、文化を理解し、曲や作曲家の人生を勉強して、プログラムの振付をよく知らなくてはなりません。
ご存知でしょうか(彼はここで微笑んだ)英語ではフィギュアのことを「フィギュア・スケーティング」と言いますが、フランス語では「アーティスティック・スケーティング」と言うんですよね。これは正しいと思う。フィギュアはバレエやダンスと同じようなパフォーミングアートであるべきなんです。フィギュアはそういったカテゴリーに入るものだと思います。僕はパフォーミングアートを大切に考えています。

IN:それらを学んだ結果として、あなたにとってベートーベンの「第九」とはどういうものなのでしょうか?

町田:「第九」は以前から僕にとって大切な曲でした。疲れたり落ち込んだりしたときにはいつもこの作品を聴きます。この曲は僕にインスピレーションと力を与えてくれる。だから僕は「第九」を世界中の人々に向けて表現したいんです。

IN:SPは恋愛がテーマなんですね。このプログラムについてもっと話していただけますか?

町田:2年前、僕は1曲の音楽を聴いて、すばらしい曲だ、この曲で滑ろうと決めました。ただ残念ながら、僕は自分の音楽について英語で言い表すことができません。そう、これは悲恋をあつかったプログラムです。地上のすべての人は、自分の胸の内にたくさんのラブストーリーを持っています。
僕はフィギュアスケーターとしては年長ですよね。24歳ですから! だから僕の胸の内にもいくつかのラブストーリーがあります。僕はこのSPで人々の心の内に触れたいと思っています。ただただ情感を表現することを目指しています。

IN:表現はフィギュアスケートにおいて重要な部分を占めていますよね。スケーターにとっても大きな課題です。あなたはどう自分を表現されるのですか? 何か役割を演じようとしたり、もっと高度なものを表現しようとしたりするのでしょうか?

町田:いいえ、僕は滑っているとき、情感をすごく感じることができるんです。

IN:自分を表現するすべを、どのようにして学んだのですか?

町田:ダンスやバレエなど、できるだけ多くのパフォーミングアートを見に行くことが必要だと思います。僕はそれらのものから、いかにしてアートを表現するかということを学んでいます。

IN:それでは、技術要素の勢いを崩さずに、自分の感情を芸術的に表現する――この2つをどう両立させているのでしょうか?

町田:氷の上に立っているときには、僕は試合のことは忘れるんです。「これは僕のステージなんだ」と自分に言い聞かせています。だから、ジャンプや得点やメダルのことを意識せずにいられる。ただ表現のことだけを考えています。

IN:ジャンプは技術要素であるだけでなく、それ自体が芸術作品なんだとおっしゃいましたね。それはどうすれば可能になるんでしょうか?

町田:ジャンプもまた、自身を表現するひとつの方法です。ジャンプは自分の感情を表すひとつの単語なのです。
次のクワドがどうとか、次のアクセルがどうとか考えてしまうと、僕は緊張してミスが出やすくなってしまいます。
僕のスケートのキャリアは18年なんですよ。(事実そうか確かめるように少し考え込む)ええ、確かに18年です。1年中あらゆるジャンプに取り組んできて、それを18年続けてきました。僕はジャンプが跳べる。だからこそジャンプのことを忘れることができます。ジャンプはただ表現にすぎないんです。僕はジャンプのことを考えません。ただ跳ぶだけです。
リンクは僕のステージです。そこで僕が望むことは、表現に集中することだけなんです。

IN:そうすると、たとえば4回転ジャンプと3回転ジャンプの差は、あなたにとってどこにあるのでしょうか?

町田:ええ、確かに差はありますね。4回転は力強さを表現します。クワドはパワフルです。クワドを降りたときには、オーディエンスの反応がじかに聞こえてきます。それに対して、3回転はプログラムを引き立たせる飾りですね。

IN:演技中に観客の声を聞いているんですか?

町田:もちろん聞こえますよ! でも、僕はやるべきことをやるだけですけど。

IN:観客は多いほうがいいですか?

町田:ええ、それは!(にっこりと笑う)日本ではフィギュアの会場はここよりはるかに大きくて、いつも満員なんですよ!
オーディエンスは多いほうがいいですね。特にフリーを滑るときには。合唱が入っている「第九」の第4楽章をプログラムに使っていますし、観客が多ければこのプログラムはさらに特別なものになると思いますよ!


「王が広間に入場するときには、常にそれとわかるものだ」
アメリカのキャロル・ヘイス・ジェンキンスを五輪金メダルに導いたピエール・ブリュネ【訳注:自身も1928年と32年の五輪で金メダルに輝いた元フランス人選手】は、かつてそう言った。このボルドーでは、町田が大会に参加することそのものが大きなできごとになるだろう。


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動画早速あげてくださってありがとうございます!


きゃvネコ 筆者のJean-Christophe Berlotさん、かーなーりまっちーに心酔していますね。インタビューをしながら、語られる語彙に惚れ惚れしている感じが伝わってきます。
「時おり英語につまった」とあるので、全編英語で答えたのでしょうか? すんばらしいです!

もう名言のオンパレードなんですが、ひとつだけ。

The rink is my stage, and all I want to do is to focus on expression.
「リンクは私のステージであり、私は自身の表現に力を注ぐのみである」 by 町田樹


おやすみなさい……。


JUGEMテーマ:フィギュアスケート
カテゴリ:町田樹 | 07:59 | comments(13) | trackbacks(0) | - | - |
いよいよスケアメ! Icenetworkでミルズさんが町田樹を語る!
明後日からスケート・アメリカ! いよいよ怒涛のGPSシーズンが始まりますねー! 
地元アメリカでは去年から一気に人気者になったジェイソンくんへの期待がすごいみたいですけど、Icenetworkでは、そんなジェイソンくんを迎え撃つ海外の強敵たちをとりあげた記事がアップされています。筆頭はもちろんTatsuki Machida! 残念ながらまっちー本人には取材できなかったようですが、振付のフィリップ・ミルズ先生がプログラムのことなど熱く語ってくれています。

元記事はこちら→Second City slices: Machida's best is yet to come Posted 10/22/14 by Lynn Rutherford



「シカゴあれこれ:町田の最良の時はまだこれからだ」
テンはまだ体調を回復中。ナム・ニューエン、ガチンスキー、ベセギエにもチャンスあり


今週、シカゴに近いホフマン・エステーツの「シアーズ・センター」で開催されるスケート・アメリカ。アメリカからはジェレミー・アボット、ジェイソン・ブラウン、そしてダグラス・ラザーノが出場するが、彼らは強力な海外勢と対戦することになる。その筆頭が町田樹だ。

町田は大阪出身の24歳。2012年のスケート・アメリカで、自身初のGPSメダルとなる銅メダルを獲得。昨シーズンの本大会では、同じ日本の高橋大輔と小塚崇彦を24点以上の大差で破って、金メダルをさらった。さらにGPFに進出し、ソチ五輪では5位、さいたまで開催された2014年世界選手権では銀メダルに輝いた。

町田の振付師であるフィリップ・ミルズは、町田はまだこれからもっと伸びると考えている。
「彼と組んで3シーズン目ですが、私たちはまだスタートしたばかりのように感じています」町田のコーチ陣のひとりでもあるミルズは、そう話した。
「彼はバレエダンサーの思考方法と、アスリートの強さを持ちあわせています。そして、私がこうしたいと思うことに前向きに取り組んでくれるんです」

ミルズは、町田が昨季次々と決めた4Tと3Aのコンビネーションジャンプを今季も入れつつも、彼を芸術的に成長させるようなプログラムを作った、という。
「彼にはただ美しい動きをするだけではなく、物語をよりよく伝えることができる、いわば俳優になってもらいたい。そのために、私たちは何か策を考えなくてはなりませんでした。トランジション(つなぎ)と振付、そして華麗なジャンプとスピンをうまく融合させようとしています。ずっと昔、カルロ・ファッシ【元イタリア選手でアメリカに渡って数々の名選手を育てたコーチ】にこう言われたことがあります。“忘れてはいけない、まず何よりもスポーツなのだ”と」
「今年はジャンプの入りに難しいトランジションを入れています。私は彼にこう聞いたんですよ。“もっと難度を落としたほうがいいかい?”すると彼は“No, no, no -- I must practice them(いえいえ、練習します!)”と答えましたよ」

昨季の全日本選手権で羽生結弦についで2位となった町田は、忙しいオフシーズンをすごしていた。ミルズによると、町田は関西大学を卒業する予定で、最近大学院の試験を受けたところだという。
ミルズは、さいたまワールド後に大阪へ行って町田を指導した。その後、5月にも日本を訪れた。6月には町田が南カリフォルニアのミルズのリンクを訪れ、夏の一時期をそこですごした。
「ここ1か月は彼とは会っていないんです。移動が大変ですからね。彼のコーチ(大西勝敬)が動画を撮影して、私に送ってくれます。それについて私の意見をメールで返しているんです」

町田の新SPの曲は、映画「ラヴェンダーの咲く庭で」より「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(Fantasy)」(作曲:ナイジェル・ヘス)だ。ミルズはこのSPを「悲劇的な愛の物語。誰もが必ず経験する、痛みにみちた旅路」と説明する。
ベートーベンの「交響曲第九番」を使ったフリーは、「Believe」と名づけられ、“Passion、Cherish、Celebration”の3つのパートの振付によって構成されているという。【ぴったりな訳かどうかわかりませんが、“情熱、慈愛、祝祭”といったところでしょうか?】

ミルズはアメリカン・バレエ・シアターで学び、ヨーロッパのバレエ団で活動してきた。ダンスの世界のトレーニング法をフィギュアスケートのコーチングに取り入れているのだという。
「振付に取りかかる前に、氷上で30〜45分のレッスンをおこないます。バレエのレッスンに似たものをスケートに取り入れたもので、バランスや体のライン、エッジの傾け方を学ぶためのレッスンです。もちろんその時にはピアノ曲をかけます。バレエと同じようにね」

8月には日本スケート連盟の役員がカリフォルニアを訪れ、町田と、同じくスケート・アメリカに出場する今井遥のプログラムを視察するために、3日間滞在していたという。
 「連盟はとてもよく支援してくれていますよ」とミルズは言う。
「芸術面でどうしろとは決して言いません。各エレメンツとレベルをチェックして、IJSの採点ルールを満たしているかどうか見てくれます。彼らはルールにとても精通しているんです」

町田はこの秋、チャンレンジャー・シリーズには出場しなかったが、日本でショーに出演した時にプログラムの一部を滑ったことで、つかむものがあったという。


●デニスはまだ回復中

昨季のデニス・テンは、かかとの怪我、あごの感染症、靭帯の損傷、そしてスケート靴が合わないなど、さまざまな問題に苦しんだ。スケート・アメリカは欠場を余儀なくされ、中国杯では4位に終わった。しかし、21歳のテンはソチ五輪までに体調を回復し、フリーではみごとな演技を見せて、カザフスタン初のメダルとなる銅メダルを獲得した。

先月、テンはネーベルホルン杯に出場するため、ドイツのオーベルストドルフに入ったが、直前に棄権した。南カリフォルニアの練習拠点を出発する前から、ウィルス性胃腸炎を発症していたのだという。
「彼はオーベストドルフを発った後、ローマでクリニックに行って、医師と理学療法士にかかったんだ」そう話すのはテンのコーチ、フランク・キャロルだ。
「まだ100パーセントの状態ではないけれど、以前よりはずっといいよ。ネーベルでは犬みたいにヘバっていたんだ。全然力が出なくてね、リンクではただ滑ることさえ苦労する状態だった」

キャロルは、今年のスケート・アメリカでのテンの演技についてはそれほど心配していないものの、今季もGPSではスロースタートになるだろうと考えている。
「デニスはまだ準備を整えている段階なんだ、五輪シーズンと同じようにね。昨季もGPSではメダルを取れなかったが、オリンピックではメダルを獲得した。つまり適切な時期にピーキングしたということだ。今季は去年より体調がいいし、精神的にもハッピーだよ。かかとの痛みはもうなくなったからね」

キャロルは、テンの新しいフリープリグラムに興奮しているという。振付はローリー・ニコル。ヨーヨー・マとシルクロード・アンサンブルなど数曲を使ったプログラムだ。
「彼にぴったりの音楽だよ。エネルギーにあふれているし、その曲にのった彼の演技もすばらしいんだ」

3回転ジャンプなど各エレメンツの調子は「上々」だそうだが、練習では4回転ジャンプにやや苦労しているという。
「4回転は年中跳べるというわけにはいかないんだ。でも、望ましい感じで仕上がりつつあるよ。デニスのピークはシーズン後半になるだろうね」

 
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カテゴリ:町田樹 | 11:35 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
町田樹、波乱万丈の中国杯を制す!! goldenskate記事 (+ちょこっとボロノフ・インタ)
ジュベールの棄権。リッポンとの衝突によりナン・ソンも棄権。圧勝と目されていた高橋くんが崩れ、町田くんが逆転優勝!!!……と、波乱にみちた展開だった中国杯男子。

Goldenskateに、おなじみのタチアナ・フレイドさんがまとめ記事をアップしていました。
元記事はこちら→Machida upsets Takahashi at 2012 Cup of China November 4, 2012

「町田が高橋を倒す、2012年中国杯」

 波乱万丈の中国杯男子は、優勝候補とは目されていなかった町田樹高橋大輔を破るという驚きの結果となり、日本選手のワンツーフィニッシュで終わった。ロシアのセルゲイ・ボロノフが銅メダル。

 第2グループの6分間練習が始まってまだ1分も経たない頃、アメリカのアダム・リッポンと中国のナン・ソンが正面衝突した。リッポンはすぐに立ち上がったが、ソンは立ち上がれない。彼は頭をおさえて氷の上にうずくまり、ほかの選手が気づくまで長い時間がかかったように見えた。ボロノフがかけよって助け起こそうとしてから、ようやくレフリーが笛を吹き、練習を止めさせた。
「たしか、方向転換してジャンプに入ろうとした時に、ナン・ソンも僕もお互いに気づいたんだと思います」リッポンは後からそう振り返った。「2人ともお互いを避けようとしましたが、同じ方向に行ってしまい、正面衝突してしまったんです」
「助け起こそうとしたんですが、彼がふり払ったため、練習を続けることにしました。彼がひどく痛んでいることは誰の目にも明らかでした。その後、僕にできることは自分がやるべきことに集中することだけだったんです」
 ソンはスタッフに抱きかかえられてリンクを去り、ほかの4選手もいったんリンクを出た。数分後、練習は再開されたが、ソンは病院へ搬送され、脳震盪と診断された。中国の連盟関係者によると、その後ソンの状態はよくなりつつあるが、その夜は経過をみるため病院にとどまったという。

 この出来事のあと、リッポンは第2グループの一番手として滑ることになった。
 曲は「ジ・インクレディブルズ」。冒頭の3Aが1回転になってしまったが、3Sと3Loを着氷し、後半の3Aも成功した。その後2つの3回転の後、ダウングレードされた3Lzでステップアウト。フリー4位となる133.67(技術点61.81/構成点71.86)で、総合205.48で4位となった。
 22歳のリッポンは、6分間練習でのアクシデントが演技に影響したと思う、と語った。「僕は、ひとつひとつの経験からたくさんのものを学んでいっていると思います。(新コーチの)ラファエル(・アルトゥニアン)と望む初めての試合だったし、対応しなくてはならないこともたくさんありました。アメリカに帰って、NHK杯に備えて練習を積みたいと思います」

 次はボロノフ。「ロミオとジュリエット」の最初の4Tに成功。その後も6つの3回転とレベル3を獲得したスピンとステップをきめた。元ロシア・チャンピオンのボロノフは144.03(73.59/70.44)、総合217.61で3位。
 ボロノフは、6分間練習での出来事でひどく動揺してしまったという。
「あのアクシデントの後に滑るのはかなりきつかったです」25歳のボロノフは語った。「僕の目の前で起こったんですから。頭から追い払うことができなかった。フリーではほとんどのエレメンツがうまくいったものの、2本目の4Tをとりやめるなど、いくつか変更した箇所があったんです」

 22歳の町田のフリーはストラビンスキーの「火の鳥」。3Aに続いて3Lz3Tをきめ、ほかに4つの3回転に成功。4Tでは転倒したが、よく練り上げられた、見ていて楽しいプログラムを披露した。フリーで153.44 (76.66/77.78)、総合236.92をマークして、表彰台のトップに立った。
「金メダルを取れてとてもうれしいですが、演技の内容は悪かったです。もっとよくしていかないと」と町田は語った。
「ソチでのグランプリ・ファイナルに出られるチャンスをもらえて、驚いています。ファイナルまで1か月あるので、それまでに向上できたらと思っています」
 スケート・アメリカで3位、中国杯で1位となった町田は、グランプリのスタンディングの首位に立ち、ファイナル進出をほぼ確実にした。

 ショートで1位だった高橋は最終滑走。フリーで2本の4回転にチャレンジしたが、1本目はダウングレード、2本目も回転不足とみなされた。現世界銀メダリストの高橋は、その後立て直し、3Aを含む4つの3回転をクリーンにきめたが、回転不足となった3Loで失敗。スピン3つとステップですべてレベル4をとり、146.96 (65.30/82.66)をマークしたが、町田には及ばず、総合231.75で2位に終わった。
「ひどい演技をしてしまいました」26歳の現日本チャンピオンの高橋は言った。「もっと練習しなきゃだめですね。NHK杯まであまり時間もありませんし」
「いくつも問題を抱えていたし、練習もうまくいっていなかったので神経質になっていたんです。自信を失っていました。練習のときから、ふだんの自分ではなかったですね。次はもっといい演技ができればと思っています」

 カナダのケビン・レイノルズは4Sを着氷し、3つの3回転をクリーンにきめたが、3A-3Tの着氷が乱れ、2Fで転倒。総合202.07で5位だった。

 フランスのブライアン・ジュベールは、午前の練習中に棄権を決めた。理由は腹痛と発熱だという。
「先週の日曜日に出たニース杯のEX後から、具合がおかしくなったんだ」現フランス・チャンピオンのジュベールはそう言った。「ニースで風邪を引いてしまい、その後(中国杯に来る)空港でも機内でも最悪だった」
 ジュベールのコーチ、アニック・デュモンによると、ジュベールは機内で3度も気を失っていたという。
「状態が上向くといいなと思っていたんだけど、ショートの出来は悲惨だった。これ以上続ける意味がなかったんだ」とジュベールは語った。「原因はまったくわからない。2年前も同じことがあって、回復まで3週間かかったんだ」
 ジュベールは急きょ飛行機を変更して、日曜日の午前中に中国を発つ。故郷ポワチエに帰って医師に見てもらう予定だという。

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 ナンソンくんとリッポンくんの衝突は、動画もあがっていますが、本当に怖かったですね!
診断は脳震盪とむちうちだそう。その後、深夜にナンソンくんが微博で「何が起きたのか覚えていない。誰か教えてほしい」というようなことをつぶやいていたので、すごく心配だったのですが、幸い次の日には中国杯のバンケットに出られるほと快復したようです。首にコルセットを巻いた痛々しい姿ではありますが。


おなじみの@love_chinaさんのつぶやきによると、このバンケの席上でリッポンくんがナンソンくんに謝罪したそうです。地元選手を負傷させることになってしまったリッポンくんにも、ずいぶん辛い試合になってしまいましたが、あたたかい雰囲気だったようでちょっと安心しました。ただ、ナンソンくん、次のフランス大会出場はかなり微妙かもしれませんね…。一刻も早く快復しますように!

そして…町田くんの優勝は本当におめでたい!ショートもフリーも見事な演技でした!本当に強くなりましたね!…なのですが、気になったのは高橋くんの状態。いったいどうしちゃったの!?

このことについて、ロシアのsport-expressというサイトの記事で、セルゲイ・ボロノフくんがひと言だけですが、こんなコメントをしています。ロシア語から英語への機械翻訳なので、正確でないところもあるかと思いますが、ナンソンくんや町田くんについてのコメントも含め、ざっと取り出してみました。
 (元記事→http://news.sport-express.ru/2012-11-03/545835/

ナン・ソンとリッポンの衝突時にはものすごい音がして、気分が悪くなるほどだった。素早く自分がやるべきことを考えなくてはならなかったけど、とても怖かった。
―でもナンを助け起こしに行ったんですね?
ほかに何ができる?あんな状況ではどの国の選手であろうと関係ない。それとも、素通りしてクワドやアクセルのことを考えるべきだったとでも?
―高橋大輔とは一緒に練習していますが、あんな結果になると予測していましたか?
いいえ、練習しているときはとても安定しているように見えていた。おそらく演技の前にスケート靴を変えたせいではないか。
―町田樹の優勝は意外でしたか?
おそらく、いいえ。僕はこの選手をずっと見ていたけど、彼のジャンプが好きだ。ジャンプ技術を持った選手だ。

…心なしか大輔さん、ショートもフリーもちょっと滑りにくそうかなあという気がしたのですが、やはり靴問題、なのでしょうか?ううっ、靴の問題というのは本当にやっかいだよなあ(;_;) でも、靴だけが問題ならかえって希望がもてるかも。次のNHK杯まで時間がありませんが、しっかり立て直してこれますように!! 祈!!!

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カテゴリ:町田樹 | 07:56 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
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