結局ジュニアワールド記事の更新もできないまま、シニアのワールドまであと1週間になってしまいました…orz。
2013年世界選手権 at カナダ・ロンドン。正式には10日開幕ですが、競技が始まるのは日本時間でホワイトデーの3月14日から。くぅ〜、いよいよ迫ってきましたね。
そんなときに、今回も出ましたよ、
PJクォンさんのメダル予想!! アメリカの元女子選手のジェニファー・カークさん。以前、拒食症と自傷癖に苦しんだ壮絶な過去を告白し、当ブログでも記事にさせてもらった方ですが(→
前編 、
後編 )、このジェニファーさんが最近、デイブ・リースさんというアメリカ人ブロガーと2人で、"The Skating Lesson Podcast" というビデオブログをやっているんですね。今回はそのゲストとして、PJさんが登場。ワールド男子のメダル候補者について、3人でガンガン話し合っているのがこちらの動画です。
VIDEO 例によって無謀にも聞き取りにトライしてしまいました。あくまで私が聞き取れた範囲ですので、訳しもれ、訳しミスは多々あるかと思います。また、少々はしょっている部分もありますので、そのへんご了承の上でお楽しみいただけたら幸いです! ただし、かーなーり長いです。
(もしミスを見つけられた方はぜひぜひご指摘くださ〜い。お願いします<(_ _)>)
ジェ :ジェニファー・カーク(アメリカの元シングル選手、世界選手権に3度出場)デ :デイブ・リース ("Aunt Joyce's Ice Cream Stand"というブログを書いているアメリカ人ブロガーで、シニアスケーターでもある)P :PJクォン(カナダ人フィギュアジャーナリスト、CBC解説者)
「2013年ロンドンワールド 男子メダル予想 ~The Skating Lesson Podast 」
デ:去年のワールドはブーイングで幕を閉じたよね。パトリック・チャン のファンと高橋大輔 ファンが、結果をめぐってアツくなっていた。今年はそのリマッチになりそうな感じもあるからすごくエキサイティングだね。今年のパトリックの勝機についてはどう思う? P:今季の彼は確かに絶好調ではないわね。今年は誰が勝つか、コーチルームでもよく話題になるんだけど、おそらくロシアが優勝するであろうペア以外は、みんなまったく予想が立たないわ。今季の状態や試合結果からすると、私の予想はハビエル優勝 。パトリックは表彰台には乗るでしょうけど。…それから去年の話だけど、私はブーイングには賛成できないわ。聞いた話では全日本で羽生が優勝したときにも、同じような手合いがブーイングしたらしいけど、それは適切なことだとは思わないわ。 ジェ:バスケやサッカーの試合ではファンがブーイングするのは普通よね。フィギュアではどう違うのかしら?
P:バスケやサッカーでは大金を稼いでいる選手が相手だし、チームスポーツでしょ。20歳の若者がたったひとりでやる競技と同じとは言えないわ。意見を戦わせることはとてもいいことだけど、ブーイングはよくないと思う。
デ:ファンは熱くなるあまり選手に批難を向けがちだけど、ブーイングの対象になる人がいるとしたら、試合結果をわかりにくくしているジャッジだと思うな。ファンが新ルールにまだなじみきっていないということもあるだろう。去年のチャンは、シーズン中ずっと、必ずしもクリーンな(ノーミスの)演技ではないのに勝ち続けていた。ルールに従えば、ノーミスでなくてもジャッジは高く評価するようだね。クリーンな演技についてはどう思う? ノーミスの選手が勝つべきかな?
P:選手はみんなクリーンな演技を目指しているでしょうけど、選手が完ぺきにクリーンに滑れることは、キャリア中で片手で数えられるほどしかないって聞いたことがあるわ。転倒がないと一見クリーンに見えるけど、選手はそれが自分の理想の演技かどうかはよくわかっているものよ。(ここで今の採点システムについての話)…話を戻すと、私はクリーンな演技が好きよ。でもそれ以上に、いい演技が好きなの。質のいい振付、コンセプト、衣装――この「3C」がすべてマッチしたいいプログラムが見たいのよ。
ジェ:パトリックの話に戻ると、去年のワールド後にコーチを変更して以来、安定感に問題をかかえているわよね。彼が勝つためには何が必要なのかしら?
P:とびきりすばらしい演技をする必要があるわね。彼は2週間前からデトロイトで練習してるわ。コーチと一緒にカルガリーにも行った。そういうペースの変化が、彼に有効に働くんじゃないかしら。でもメダル候補は8人ほどもいるのだから、彼的にベストな演技をしないとだめでしょうね。彼はだいたいシーズン前半より後半にあげてくるタイプだから、どうなるか楽しみね。
デ:チャンは昨シーズン、カナダナショナルと四大陸ですばらしい演技をしたよね。今年はワールドのために四大陸は欠場している。どういう結果になるにせよ、それはコーチ変更の結果ということになるだろう。彼自身が自分の何かを変えたいと思ってダンスの専門家をコーチにしたわけだからね。
ジェ:私も、ここぞというところでパトリックが完ぺきな演技ができるかどうか気になるわ。カナダ開催のワールドだから、プレッシャーはすごいでしょうね。要素的には世界最高の選手なんだと思うけど、私にとっては安定感のなさのせいで「世界一のスケーター」と呼ぶところまでは行っていないのよ。一方の高橋大輔 は、四大陸ではいまひとつだったわよね。彼についてはどう思う?
P:すばらしい若者よ。驚くべき選手。でも今季についてはよくわからないわ。グランプリファイナルですばらしい演技をしたと思ったら、四大陸ではかなり悪かった。でも彼が弱くなったとはまったく思わない。彼の場合も、ここ一番という大会でいい演技ができるかどうかにかかっていると思うわ。だから今回の男子はとてもエキサイティングなのよね。上位候補の選手がたくさんいるんだもの。たとえばマックス・アーロン 。四大陸ではショートで10位だったけど、フリーは2位で、総合4位になった。すごいわよね。
ジェ:マックスは芸術面でワールドで表彰台に乗るだけのものを持っていると思う? 彼のスケートの長所と短所は?
P:長所はもちろんジャンプね、それとスピード。彼はまだ発展途上の選手だと思うけど、これからどんどん洗練されてくるポテンシャルは絶対にあると思う。今回メダルに届くかと言えばノーでしょうけど、ミハル・ブレジナも2年ほど前はそんな感じだったから。
デ:マックスはアメリカのエルビス・ストイコだね。ジャンプで観客を沸かせることができる。ジャンプさえ決めればコンポーネンツもついてくるだろう。高橋は今現在、世界最高のアーチストだと思っている。パトリックのプログラムはいい振付だけど、パトリックには高橋やバトル、ランビエールのような芸術性は感じないんだ。もっとアスリートタイプだね。チャンも振付的によくなっていると思うけど、がんばって身につけたものであって、高橋ような天性のものではない。そこがPCSの面でファンが不満に感じるところなんだろうね。でも僕は、高橋の体が心配なんだ。2009年のひざの怪我以降、技術的には最強ではなくなっていると感じるんだ。もしハビエルやパトリックがベストの演技をしたら、もちろん高橋なら驚くべき演技を見せてくれるだろうけど、きついかもしれない。彼にはいい演技をしてほしいけど、今年はトップに行くかどうかわからない気がしてるんだ。
P:ジェニー、あなたならよく知ってるわよね、ジャンプはひざに多大な負担をかけるのよね。